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令和八年六月五日提出
質問第一六号

留学生の妊娠・出産を契機とする退学等の実態把握に関する質問主意書

提出者  早稲田ゆき




留学生の妊娠・出産を契機とする退学等の実態把握に関する質問主意書


 外国人留学生が妊娠又は出産を理由又は契機として、退学、除籍、休学、転校・転学、帰国勧奨、在留資格更新困難、相談先につながれない孤立等に直面する事例が指摘されている。妊娠した留学生が「退学になる」、「帰国させられる」、「在留資格を失う」と考え、医療機関、学校、行政、支援団体に相談できないまま孤立することは、母体及び子どもの生命・健康に関わる重大な問題である。
 二〇二六年四月、東京都荒川区で日本語学校に在籍するネパール人留学生が、孤立出産の末、死産した乳児の遺体を「どうしていいかわからず」押し入れに置いたため、死体遺棄の疑いで逮捕される事件が発生している。
 留学生の妊娠・出産に関する問題については、技能実習生等の問題とあわせて、二〇二四年には内閣衆質二一三第一三六号、また二〇二五年には内閣衆質二一七第二一五号として、それぞれ答弁書が出されている。答弁第二一五号「二の6について」では、留学生の「妊娠や出産を理由とした不利益取扱い」について、「現状を把握するための具体的な調査方法について検討を行っているところである」と回答している。
 文部科学省は、大学等に対し、外国人留学生の退学者、除籍者及び所在不明者について毎月の定期報告を求めている。また、認定日本語教育機関については、留学生に対する人権侵害行為はあってはならず、不適切な事案を把握した場合には指導改善を求める旨の国会答弁もなされている。さらに、文部科学省は、公立高等学校における妊娠を理由とした退学等の実態把握を踏まえ、妊娠した生徒に学業継続の意思がある場合には安易に退学処分や事実上の退学勧告等の対処を行わないこと、退学以外に学業を継続するための方策について必要な情報提供を行うこと等を通知している。
 しかし、大学、短期大学、高等専門学校、専修学校、認定日本語教育機関等で学ぶ外国人留学生について、妊娠又は出産を理由又は契機とする退学、除籍、休学、転校・転学、帰国勧奨、在留資格更新困難又は所在不明化の実態が、制度別・学校種別に十分把握されているとはいえない。留学生の妊娠・出産をめぐる課題は、教育機会の保障、在留手続、医療アクセス、母子保健、多言語相談支援にまたがるものであり、関係省庁が連携して早期に相談・支援につなぐ仕組みを整備する必要がある。
 以上を踏まえて、以下質問する。

一 妊娠・出産を理由又は契機とする退学・帰国勧奨等に関する基本認識について
 1 留学生が妊娠又は出産した事実のみをもって、学校が当該留学生に対し、退学、休学、転校・転学又は帰国を求めることは適切ではないとの理解でよいか。政府の見解を示されたい。
 2 留学生が妊娠又は出産した事実のみをもって、直ちに在留資格「留学」を失うものではなく、在留期間更新又は在留資格変更の可否は個別の事情に応じて判断されるとの理解でよいか。政府の見解を示されたい。
 3 学校、認定日本語教育機関、専修学校のみならず、留学仲介業者、送出機関等においても、留学生に対して「妊娠したら帰国しなければならない」、「妊娠したら退学になる」、「妊娠したら在留資格を失う」などと説明することは適切ではないとの理解でよいか。政府の見解を示されたい。
二 既存の周知・相談体制について
 文部科学省及び出入国在留管理庁は、留学生が妊娠又は出産しても直ちに退学、帰国又は在留資格喪失となるものではないこと、休学・復学や在留期間更新又は在留資格変更の可能性があること、医療機関、地方公共団体、出入国在留管理庁又は支援団体等に相談できることについて、学校、認定日本語教育機関、専修学校又は留学生本人に対し、通知、事務連絡、手引き、ホームページ又は多言語資料により周知しているか。周知している場合は、その名称及び該当箇所を示されたい。周知していない場合は、その理由を示されたい。
 
 右質問する。

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