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令和八年六月十日提出
質問第一七号

西サハラに関する質問主意書

提出者  山本ジョージ




西サハラに関する質問主意書


 西サハラは現在、モロッコによる領有権の主張と、元々の西サハラ住民であるサハラーウィが組織したポリサリオ戦線(サハラ・アラブ民主共和国(SADR)樹立)による独立主張が対立し、長年にわたり未解決のまま推移している。国連による住民投票の実施が決定されたにもかかわらず、三十年以上の長きにわたり膠着状態が続いており、地域の不安定化や西サハラでの人権侵害、難民キャンプでの人道危機といった深刻な課題を抱えている。
 我が国は、西サハラを国家として承認していないものの、国連による仲介努力を支持する立場をとってきた。世界を見渡すと、SADRを承認するアフリカ連合(AU)をはじめ、国連の解決策を支持する国がほとんどであるが、近年、アメリカ、フランスなどはモロッコの主権を認めている。国連により、民族自決権の行使に基づき非植民地化が行われる地域と認められ、非自治地域リストに挙げられている西サハラに対し、我が国には国連を中心とした、原則的な外交姿勢が求められる。
 従って、以下質問する。

一 西サハラ問題に対する政府の基本認識と外交上の課題について
 我が国はこれまで、西サハラ問題について「国連の仲介による当事者間の対話を通じた平和的解決」を支持してきた。しかし、モロッコとの良好な二国間関係の維持と、国際法に基づく民族自決権の尊重との間で、我が国の外交政策は慎重なスタンスをとっている。
 1 アメリカや一部の欧州諸国がモロッコの主権や自治案を支持する動きを見せる中、現在の国際情勢において我が国が直面している外交上の最大の「課題」は何か、政府の認識を伺いたい。
 2 AUがSADRを加盟国とする一方、我が国は国家承認していない。TICAD(アフリカ開発会議)等の多国間枠組みにおけるSADRの扱いを巡る対応の難しさと、今後の課題について政府の見解を求めたい。
二 西サハラ人民の自決権および人権状況への関与について
 国連憲章および一九六〇年の「植民地と人民に独立を付与する宣言」に照らせば、サハラーウィの自決権の行使が求められる。また、アルジェリアのチンドゥーフ難民キャンプ等における人道状況の悪化や西サハラにおける人権侵害への懸念も指摘されている。
 1 我が国は、国際社会において基本的人権や法の支配を重視する立場から、サハラーウィの自決権の行使をどのように支援、あるいは働きかけていくべきと考えているか。
 2 これまで我が国が実施してきた難民支援(国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)や世界食糧計画(WFP)等を通じた人道援助)のこれまでの実績と、今後さらに人道危機を緩和するために「やるべきこと」について政府の具体的な方針を伺いたい。
三 国連西サハラ住民投票監視団(MINURSO)への貢献について
 国連西サハラ住民投票監視団(MINURSO)が展開されているものの、住民投票の実施に向けた道筋は見えていない。現在のMINURSOの主な任務は停戦監視、地雷や不発弾の脅威の削減となっている。
 1 我が国はMINURSOに対し、分担金以外の側面(要員派遣、技術支援、物資協力など)での直接的な貢献を行ってきたか。実績があれば示されたい。
 2 停戦監視や紛争予防の観点から、国連平和維持活動(PKO)への貢献を掲げる我が国として、MINURSOへのさらなる関与や、平和的な独立・解決に向けたプロセスを後押しするために、人的・物的な面において「やるべきこと」の検討状況を伺いたい。
四 平和的解決および独立に向けた我が国の主導的役割について
 我が国は、特定の利害関係から比較的自由な「公正な第三者」として、アフリカの平和と安定に貢献できる独自の立場にある。また本年、外務省総合外交政策局に「国際和平調停ユニット」が設置され、我が国は国際紛争解決に向け、和平調停の取組により積極的かつ機動的に関与していく姿勢を見せている。
 1 モロッコおよびポリサリオ戦線(あるいはアルジェリア等周辺国)の双方が受け入れ可能な、国際法に基づく平和的解決(住民の意思が反映された独立を含む)に向けて、我が国が直接的・間接的な「対話の仲介者」としての役割を果たす意思はあるか。
 2 国際社会の一員として、西サハラ問題の根本的解決を促すために、今後我が国が国際舞台(国連総会や安保理など)において発信すべき、あるいは主導すべき外交的取組について、政府の決意と具体策を伺いたい。

 右質問する。

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