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平成十三年十月十六日受領
答弁第一二号

  内閣衆質一五三第一二号
  平成十三年十月十六日
内閣総理大臣 小泉純一郎

       衆議院議長 綿貫民輔 殿

衆議院議員金田誠一君提出米国における同時多発テロと国連憲章及び国際法との関係に関する再質問に対し、別紙答弁書を送付する。





衆議院議員金田誠一君提出米国における同時多発テロと国連憲章及び国際法との関係に関する再質問に対する答弁書



一について

 お尋ねの国際連合総会(以下「総会」という。)決議第三千三十四号については、我が国は、総会での決議案の審議において、決議案に将来における国際テロリズム防止のための条約の採択を確保し得る内容の条項を含めるべきであると主張していたが、決議に付された案がこのような条項を含まなかったことから、表決に際し、決議案の内容は世論の期待に十分に沿うものではないと判断したため、反対票を投じたものである。

二の1について

 お尋ねの法案(以下「今回の法案」という。)には、「テロリズム」の用語を定義した規定は存在しないところ、今回の法案における「テロリズム」の用語については、一般に、「テロリズム」の用語が、特定の主義主張に基づき、国家等にその受入れ等を強要し、又は社会に恐怖等を与える目的で行われる人の殺傷行為等をいうものとされていることを踏まえて、これを用いたものである。したがって、この「テロリズム」について、厳密な意味での「構成要件」は存在しない。

二の2について

 お尋ねの「テロリスト」の用語については、「テロリズム」を行う者を指すものである。

三の1について

 国際連合憲章(以下「国連憲章」という。)第五十一条前段は、「この憲章のいかなる規定も、国際連合加盟国に対して武力攻撃が発生した場合には、安全保障理事会が国際の平和及び安全の維持に必要な措置をとるまでの間、個別的又は集団的自衛の固有の権利を害するものではない。」と定めている。したがって、国連憲章第五十一条にいう「武力攻撃」に当たる事実が発生した場合には、国連憲章第五十一条を含む第七章の規定に従って対処されることもあるから、このような事実が発生したからといって、それが必ずしも常に国連憲章第三十三条の「紛争」に該当するものとは限らない。

三の2について

 お尋ねの「今回の同時多発テロ」(以下「今回のテロ攻撃」という。)についての国際連合安全保障理事会(以下「安保理」という。)決議第千三百六十八号及び第千三百七十三号においては、国連憲章にいう「個別的又は集団的自衛の固有の権利」について改めて言及されており、その意味で、これらの決議は、今回のテロ攻撃に対応してアメリカ合衆国(以下「米国」という。)等が個別的又は集団的自衛権を行使し得ることを確認したものと考えられる。

四の1及び2について

 国連憲章第五十一条に基づき平成十三年十月八日に安保理の議長に対して提出した書簡において、米国及びグレート・ブリテン及び北部アイルランド連合王国(以下「英国」という。)は、それぞれ、今回のテロ攻撃を受けて「個別的又は集団的自衛の固有の権利」を行使した旨明らかにしているところ、今回の法案第一条第一号にいう「テロ攻撃によってもたらされている脅威の除去に努めることにより国際連合憲章の目的の達成に寄与するアメリカ合衆国その他の外国の軍隊その他これに類する組織(以下「諸外国の軍隊等」という。)の活動」は、このように国連憲章第五十一条の個別的又は集団的自衛権の行使として行われるものを含み、また、国連憲章第四十一条に基づく安保理の決定に従ってされるものも排除するものではないと考えている。

四の3について

 今回の法案にいう諸外国の軍隊等の「活動」が個別的又は集団的自衛権の行使として行われている場合等には、この「活動」には、お尋ねの「戦闘行為」も含まれると考えている。

四の4について

 今回の法案にいう諸外国の軍隊等の「活動」は多様なものを含み、また、お尋ねの「戦時国際法の諸権利」については、お尋ねにおいて想定されている内容等が必ずしも明らかではないことから、一概にお答えすることは困難である。

五の1について

 米国及び英国は、四の1及び2についてで述べたとおり、国連憲章第五十一条に基づいて、今回のテロ攻撃を受けて個別的又は集団的自衛権を行使した旨を安保理に報告しているところ、お尋ねの米国及び英国の行動は、国連憲章第五十一条の個別的又は集団的自衛権を行使するものとして行われているものと考えている。

五の2について

 お尋ねの米国及び英国の行動は、お尋ねの「活動」に該当するものと考えている。

五の3及び4について

 お尋ねについては、米国及び英国は、四の1及び2についてで述べたとおり、国連憲章第五十一条に基づいて、個別的又は集団的自衛権を行使した旨を安保理に報告している。このような段階に至った現時点においては、アフガニスタン又はタリバーンは、国連憲章第三十三条にいう「紛争」の「当事者」に該当していないと考えている。



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