答弁本文情報
平成十四年十一月一日受領答弁第一号
内閣衆質一五五第一号
平成十四年十一月一日
衆議院議長 綿貫民輔 殿
衆議院議員平岡秀夫君提出「「国及びその機関」の範囲」に関する質問に対し、別紙答弁書を送付する。
衆議院議員平岡秀夫君提出「「国及びその機関」の範囲」に関する質問に対する答弁書
一について
憲法第二十条第三項に規定する「国及びその機関」には、国の機関として、内閣、各省庁のほか、お尋ねの内閣総理大臣、その他の国務大臣、各省の事務次官、局長、課長等が含まれる。天皇も国の機関であり、皇族も国の機関となることがある。国会及び裁判所も国の機関に含まれると考えられるが、お尋ねの衆議院議長等又は最高裁判所長官等が国の機関に当たるかどうかについては、立法府又は司法府の問題であるので、答弁を差し控えたい。
「国及びその機関」には、地方公共団体及びその機関も含まれる。何が地方公共団体の機関に当たるかについては、地方公共団体において判断されるべきことであるが、最高裁判所の判例に、市の教育長が「国及びその機関」に当たることを前提として、その行為が同項に違反しない旨を判示したものがあると承知しており、国の機関に準じて考えれば、お尋ねの知事、市町村長、副知事、助役、出納長、収入役、部長、課長等は、地方公共団体の機関に含まれると考えられる。
特定独立行政法人、いわゆる特殊法人及び国又は地方公共団体が出資する法人並びにこれらの機関が「国及びその機関」に含まれるかどうかについては、各法人の目的、その設立や運営における国又は地方公共団体の関与の程度等に照らして、これらの法人の活動が国又は地方公共団体の活動に類するものと評価すべきかどうかを個別に検討する必要があると考える。
お尋ねは、国の機関に当たる自然人の行為が「国及びその機関」の活動となるために、どのような要件が必要かという趣旨と考えられるが、そのためには、その者が国の機関としての公的な資格で行為することが必要である。