答弁本文情報
平成十五年二月十四日受領答弁第八号
内閣衆質一五六第八号
平成十五年二月十四日
衆議院議長 綿貫民輔 殿
衆議院議員大出彰君提出公務員制度改革の考え方に関する質問に対し、別紙答弁書を送付する。
衆議院議員大出彰君提出公務員制度改革の考え方に関する質問に対する答弁書
一について
現行制度は、先の答弁書(平成十四年十二月二十七日内閣衆質一五五第三九号。以下「答弁書」という。)二についてで述べたとおり、任用制度の基礎となるべき任用の基準が制度上適切に措置されておらず、また、職員の能力等を適切に評価し、その結果を任用や給与に有効に活用する仕組みが十分なものとなっていない等の課題があるところ、真に能力本位で適材適所の人事配置や能力等を適切に反映した給与処遇を実現するためには、職務(官職)に求められる職務遂行能力の内容を任用、給与及び評価の基準として明確にするとともに、かかる基準に基づいて職員の能力を評価し、その結果を任用や給与に活用することが必要かつ効果的であると考える。
このため、今般の公務員制度改革においては、職務に求められる職務遂行能力の基準を定めること等を内容とする能力等級制度を導入し、これを基礎として任用、給与、評価等の諸制度を再構築することとしたものである。
能力等級制度及びこれを基礎とした任用、給与、評価等の諸制度の整備に当たっては、現行の勤務評定制度に替え、職員の能力等を適正に評価し得る新たな評価制度を導入するとともに、各府省における主体的かつ責任ある人事管理に対する意識の徹底を図っていくこと等により制度の趣旨に沿った適正な運用を確保していくこととしており、これら制度及び運用の両面にわたる見直しにより御指摘の問題点を解決していくこととしている。
能力等級制度における「能力」とは、職務(官職)に求められる職務遂行能力であり、能力等級制度はかかる職務遂行能力に応じて職員を等級に格付けるものである。能力等級制度においては、かかる等級(以下「能力等級」という。)と職務との対応関係を定めるとともに、能力等級ごとに、職務遂行能力の基準(以下「能力基準」という。)を職務に通常求められる職務行動の観点から定めることとしている。
能力等級制度を任用、給与及び評価の基準として活用する仕組みは、おおむね次のとおりである。
1 評価制度においては、能力基準に照らして職員の職務遂行能力の発揮度を評価する仕組み(以下「能力評価」という。)を設けることとしている。なお、職員の能力等級への格付けは、能力評価の結果等に基づき行うこととなる。
2 任用制度においては、職員を能力等級に対応した職務に配置することとなる。
3 給与制度においては、現行の俸給月額に替わる基本的な給与種目として基本給(能力給)を設けることとしており、職員に対して能力等級に対応した基本給(能力給)を支給することとなる。
なお、能力等級制度及びこれを基礎とした任用、給与、評価等の諸制度の具体的な内容については、今般の公務員制度改革に係る法制化に向けた作業等を通じて更に検討していくこととしている。
現行の勤務評定制度が十分に機能していないのは、答弁書三についてで述べたとおり、評定の項目が必ずしも適切ではないこと等の問題点があることによるものと考えており、「その導入に当たって職員団体との協議が十分行われなかったこと」が「最大の要因」であるとの御指摘は当たらないものと考えている。
なお、評価制度の設計に当たっては、人事評価の円滑な実施を図る観点から職員団体の意見を十分聴いていくこととしているが、その具体的な日程等については、今般の公務員制度改革に係る諸制度の具体化作業の進ちょく状況等を勘案し、今後、適宜設定していくこととしている。