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平成十五年七月十五日受領
答弁第六八号

  内閣衆質一五六第六八号
  平成十五年七月十五日
内閣総理大臣 小泉純一郎

       衆議院議長 綿貫民輔 殿

衆議院議員金田誠一君提出情報公開法における不開示情報に関する質問に対し、別紙答弁書を送付する。





衆議院議員金田誠一君提出情報公開法における不開示情報に関する質問に対する答弁書



一の1及び2について

 情報公開法第五条第三号の解釈に関する質問に対する答弁書(平成十五年一月二十一日内閣衆質一五五第一三号。以下「平成十五年答弁書」という。)一についてにおける「情報公開法第五条第三号の不開示情報に係る「国の安全が害されるおそれ」」の判断の「趣旨、目的等」とは、行政機関の保有する情報の公開に関する法律(平成十一年法律第四十二号。以下「情報公開法」という。)第五条第三号の不開示情報に係る「国の安全が害されるおそれ」に当たるか否かの判断については、行政文書の開示請求があった場合に情報公開法第十条第一項に規定する開示決定等を行うため、当該行政文書に記録されている情報を何人にも知り得る状態に置くことにより、かかるおそれがあるか否かという観点から行われるものであることを述べたものである。

一の3及び4について

 平成十五年答弁書一についてにおける御指摘の各行政機関の「秘密文書取扱規程等における「国の安全又は利益に損害を与えるおそれ」等」の判断の「趣旨、目的等」とは、各行政機関の秘密文書等の取扱いに関する規程等(以下「秘密文書取扱規程等」という。)における「国の安全又は利益に損害を与えるおそれ」等に当たるか否かの判断については、行政機関において、その漏えいによりかかるおそれのある行政文書等の秘密の保全について遺憾なきを期するため、関係者以外にその秘密を知らせないよう、当該行政文書等について厳重な管理を行う観点から行われるものであることを述べたものである。

一の5及び6について

 国政調査活動に関わる行政情報の提供と情報公開法との関連に関する質問に対する答弁書(平成十三年七月十日内閣衆質一五一第九五号。以下「平成十三年答弁書」という。)四についてにおける「法に基づく行政文書の開示」の「趣旨、目的など」とは、情報公開法に基づく行政文書の開示については、行政機関の保有する情報の適切な公開を図る観点から、行政機関が保有する行政文書はすべて開示請求の対象となること、開示請求に係る行政文書が他の行政機関によって作成されたものであるときなどには、当該他の行政機関の長と協議の上、事案を移送することができるとされており、その場合には、移送を受けた行政機関の長において当該開示請求についての開示決定等を行うこととなること、また、当該行政文書が行政機関以外の者によって作成されたものであるときは、一般的には開示請求を受けた行政機関の長が開示決定等を行うこととなるが、その場合、特に情報公開法第五条第一号及び第二号に規定する不開示情報が含まれる可能性が高いと考えられ、開示することができるか否かを慎重に判断する必要があるものと考えることを端的に述べたものである。

一の7及び8について

 平成十三年答弁書四についてにおける「国会議員に対する文書の提供」の「趣旨、目的など」とは、国会議員からの情報提供等の要求に対しては、各省庁は、それぞれの設置の根拠である法律に基づき、当該各省庁の所掌事務遂行の一環としてこれに可能な限り協力しているものであり、国会議員からある省庁に提供の要求のあった文書が他の省庁によって作成されたものである場合には、当該文書の作成に責任を有し、その内容について的確に説明ができる当該他の省庁から提供することが適当であると考えられること、また、その要求に係る文書が行政機関以外の者によって作成されたものであるときには、どのような形で協力することができるかは個別具体の状況により異なるが、要求を受けた省庁においてその要求に対して可能な限り協力することとしていること、さらに、提供を求められた文書が行政文書として存在しない場合であっても、必要に応じ要求内容に沿った資料を新たに作成して提供することがあることを端的に述べたものである。

二について

 一の1及び2について並びに一の3及び4についてで述べたとおり、情報公開法第五条第三号の不開示情報に係る「国の安全が害されるおそれ」と秘密文書取扱規程等における「国の安全又は利益に損害を与えるおそれ」等は、その判断の趣旨、目的等を異にし、その範囲が異なる等の差異があることから、お尋ねの点については、一概にお答えすることは困難である。

三について

 お尋ねの趣旨が必ずしも明らかではないが、国家公務員法(昭和二十二年法律第百二十号)第百条第一項又は自衛隊法(昭和二十九年法律第百六十五号)第五十九条第一項に規定する「秘密」とは、非公知性及び秘匿の必要性の二つの要素を具備している事実をいい、このうち秘匿の必要性とは、当該事実が他に知られないことについて相当の利益を有することをいうものと解されるところ、情報公開法第五条第三号でいう「公にすることにより、国の安全が害されるおそれがある」ことが、秘匿の必要性との関係でどのように考慮されるかということは、個別具体的な事例に即して判断されるべきものであると考える。

四について

 情報公開法に基づく開示請求に対し、情報公開法第五条第三号にいう「国の安全が害されるおそれ」がある情報に該当する情報が記録されているとして不開示又は部分開示の決定をした行政文書について、当該決定をした時点で秘密文書取扱規程等に基づき「国の安全又は利益に損害を与えるおそれ」等があるものとして秘密文書の指定をしていなかった場合があることが確認された行政機関としては、内閣官房、内閣法制局、防衛庁、防衛施設庁、総務省、法務省、外務省、文部科学省、厚生労働省、経済産業省及び海上保安庁がある。
 このような取扱いが行われる理由は、秘密文書取扱規程等における「国の安全又は利益に損害を与えるおそれ」等については、一の3及び4についてで述べたとおり、当該行政文書について厳重な管理を行う観点から判断されるものであるところ、前述の不開示又は部分開示の決定をした行政文書は、各行政機関において、かかる取扱いを行うまでの必要はないと判断したことによるものである。

五について

 国会議員からの情報提供の依頼については、必ずしもそのすべてが文書により行われるものではなく、また、依頼があった事実やこれにどのように対応したかについてそのすべてを記録し、又は保存しているわけではないことから、これをすべてにわたって把握してお答えすることは困難であるが、情報公開法の施行日以降、各府省において、国会議員からの情報提供の要求に対して提供することができなかった情報が記録されている行政文書を情報公開法に基づく開示請求を受けて開示(部分開示を含む。)をした事例としては、防衛庁、外務省及び経済産業省におけるものがある。
 各府省においては、国会議員からの情報提供の要求があった場合、情報公開法第五条各号に掲げる不開示情報に該当するか否かも参考にしつつ情報提供の可否について検討が行われるが、これらの事例については、国会議員から短期間に情報を提供することを求められたものであり、各府省において不開示情報が含まれているか否かについて慎重に検討し、又は事前に当該情報に係る第三者に対して意見等を聴取するため、日数を要すると考えられる場合であったことから、当該国会議員からの要求に応じて情報提供することができなかったものである。

六について

 外務省においては、秘密文書の指定を、情報公開法第五条各号に掲げる不開示情報に該当する情報が含まれると判断される文書のうち、関係者以外の者にその内容が知られておらず、かつ秘密保全の必要がある文書に対して行うものとしたところである。

七について

 各府省における秘密文書の取扱いの具体的な運用は、「秘密文書等の取扱いについて」(昭和四十年四月十五日事務次官等会議申合せ)等の趣旨に沿って、それぞれの府省の判断で行われるべきものであるところ、金融庁、法務省、財務省、国税庁、農林水産省、国土交通省、気象庁、海上保安庁及び海難審判庁においては、秘密文書の指定は、情報公開法第五条各号に掲げる不開示情報又はこれに該当する可能性がある情報が含まれると判断される文書のうち、秘密保全の必要があるものに対して行う旨の規定をそれぞれの秘密文書取扱規程等に設けているところである。
 その他の府省においては、秘密文書の指定については、秘密の保全について遺憾なきを期するため、関係者以外にその秘密を知らせないよう当該文書を適切に管理するという観点から各府省の事務処理の実情に応じて必要最少限のものに限って行っており、秘密文書の指定の際に、当該文書に情報公開法第五条各号に掲げる不開示情報又はこれに該当する可能性がある情報が含まれるか否かを情報公開法に基づく開示請求を受けた時と同様に判断する必要は必ずしもないとの考えの下、それぞれの秘密文書取扱規程等に前述のような規定を設ける具体的な予定は有していない。



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