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答弁本文情報

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平成十五年八月五日受領
答弁第八九号

  内閣衆質一五六第八九号
  平成十五年八月五日
内閣総理大臣 小泉純一郎

       衆議院議長 綿貫民輔 殿

衆議院議員金田誠一君提出イラク戦争と我が国の外交に関する質問に対し、別紙答弁書を送付する。





衆議院議員金田誠一君提出イラク戦争と我が国の外交に関する質問に対する答弁書



一について

 今般のアメリカ合衆国(以下「米国」という。)等によるイラク共和国(以下「イラク」という。)に対する武力行使は、国際の平和及び安全を回復するという目的のために武力行使を認める国際連合憲章(以下「国連憲章」という。)第七章の下で採択された国際連合安全保障理事会(以下「安保理」という。)の決議第六百七十八号、第六百八十七号及び第千四百四十一号を含む関連する決議に合致し、国連憲章にのっとったものであるので、国際法上認められたものであると考える。

二及び三について

 内閣としては、平成十五年三月二十日に内閣総理大臣談話を閣議決定し、米国等によるイラクに対する武力行使への支持を表明した。お尋ねの「国家利益」の具体的内容については、この閣議決定において言及されているとおり、大量破壊兵器の拡散の防止による平和と安全の維持等である。

四について

 御指摘の演説については、平成十五年二月十七日に外務省本省において和文原稿を起案し、同月十八日に外務大臣の決裁を得た。同日に、外務大臣から内閣総理大臣に同演説の内容について説明を行い、了承を得た。なお、お尋ねの「同演説は内閣に対して事前に報告ないし承認をされているのか」の意味が必ずしも明らかでないが、同演説が閣議報告、閣議了解等の手続を経たか否かを意味するとすれば、同演説についてそのような手続は経ていない。
 同日、外務大臣から国際連合日本政府代表部(以下「国連代表部」という。)特命全権大使あてに、同和文原稿のとおり演説を行うよう訓令を発出し、同和文原稿に基づき国連代表部において英文原稿が作成された。同日の実際の演説は同英文原稿に基づいて英語で行われたことから、外務省のホームページにおいては、同和文原稿を「仮訳」とし、同英文原稿を「英語版」として掲載したところである。
 お尋ねの同演説の正文について、条約その他の国際約束であれば、当該国際約束を解釈する上で権威を有する正文を確定することが通常であるが、そもそも、国際連合における演説にはそのような意味での正文は存在しない。

五の1及び2について

 安保理決議の有権的解釈を行うのは安保理である。安保理が安保理決議の有権的解釈を提示するために特に定められた手続というものが存在するとは承知していないが、安保理決議の解釈に疑義が生じた場合は、必要に応じ、安保理で討議を行い、新たな決議の採択又は安保理議長声明の発表によって処理することもあると承知している。具体的には、イラクに対する経済制裁を決定した安保理の決議第六百六十一号の解釈をめぐり、イラクに食料又は医療品を送ることが可能な具体的な場合について疑義が生じた際、安保理の決議第六百六十六号の採択によって処理された事例があると承知している。他方、今回のイラクに対する武力行使に関する米国、グレートブリテン及び北アイルランド連合王国(以下「英国」という。)等による安保理決議の解釈については、多くの国がその解釈を正当なものとして判断し、また、これまで異なる内容の新たな決議の採択又は安保理議長声明の発表がなされてもいないことから、我が国としても、米国、英国等の解釈は正当なものと考える。

五の3について

 お尋ねの「我が国を含む多くの国もかかる判断を正当なものとしてイラクに対する武力行使を支持している」との記述は、米国大統領府が、アフガニスタン、アルバニア共和国、アンゴラ共和国、オーストラリア連邦、アゼルバイジャン共和国、ブルガリア共和国、コロンビア共和国、コスタリカ共和国、チェコ共和国、デンマーク王国、ドミニカ共和国、エルサルバドル共和国、エリトリア国、エストニア共和国、エチオピア連邦民主共和国、グルジア、ホンジュラス共和国、ハンガリー共和国、アイスランド共和国、イタリア共和国、日本国、クウェート国、ラトビア共和国、リトアニア共和国、マケドニア旧ユーゴスラビア共和国、マーシャル諸島共和国、ミクロネシア連邦、モンゴル国、オランダ王国、ニカラグア共和国、パラオ共和国、パナマ共和国、フィリピン共和国、ポーランド共和国、ポルトガル共和国、ルーマニア、ルワンダ共和国、シンガポール共和国、スロバキア共和国、ソロモン諸島、大韓民国、スペイン、トンガ王国、トルコ共和国、ウガンダ共和国、ウクライナ、英国、米国及びウズベキスタン共和国の計四十九か国を安保理の関連する決議に基づきイラクの大量破壊兵器を武装解除するための連合に参加する国として発表していること等を踏まえたものである。
 なお、お尋ねの「支持が表明された時期と場所」に関しては、各国の支持の形態が多種多様にわたり、当事者間でないと知り得ない要素を含むことから、お答えすることは困難である。



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