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答弁本文情報

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平成十五年十月七日受領
答弁第一七号

  内閣衆質一五七第一七号
  平成十五年十月七日
内閣総理大臣臨時代理
国務大臣 福田康夫

       衆議院議長 綿貫民輔 殿

衆議院議員中川智子君提出旧日本軍遺棄毒ガス問題に関する質問に対し、別紙答弁書を送付する。





衆議院議員中川智子君提出旧日本軍遺棄毒ガス問題に関する質問に対する答弁書



 第一の一について

 旧軍毒ガス弾等による被害の未然防止を図るための基礎資料を得ることを目的として、現在「昭和四十八年の「旧軍毒ガス弾等の全国調査」のフォローアップ調査」(以下「フォローアップ調査」という。)を実施しているところである。フォローアップ調査の調査項目は、@終戦時における旧軍毒ガス弾等の保有及び廃棄の状況、A戦後における旧軍毒ガス弾等の発見、被災及び掃海等の処理の状況、Bその他旧軍毒ガス弾等の保有又は発見の可能性が示唆される場所の現在の状況であり、調査においては、旧軍毒ガス弾等による被災に関する救済及び補償についての情報も含めて収集している。
 なお、フォローアップ調査においては、広く国民に対し、情報の提供について呼び掛けている。

 第一の二について

 フォローアップ調査は、国内における旧軍毒ガス弾等による被害の未然防止を図るための基礎資料を得ることを目的としたものであることから、外国に旧軍毒ガス弾等を遺棄したとされる情報は、調査対象としていない。

 第二の一について

 環境省総合環境政策局環境保健部内に、二十一人から成る「旧軍毒ガス等問題に係るプロジェクトチーム」を設け、専門性をいかしつつ対応を行っているところである。また、外部の調査協力者として、御指摘の各界の専門家の協力を得ることとしており、今後、こうした有識者の助言を得ながらフォローアップ調査を取りまとめてまいりたい。

 第二の二から四までについて

 フォローアップ調査の結果については、本年十一月末に公表することを目指して、現在、作業を進めているところである。公表の方法や継続的な調査の必要性等については、フォローアップ調査の結果の取りまとめと並行して検討していくこととしている。

 第二の五について

 フォローアップ調査は、第一の二についてで述べたとおり、外国に旧軍毒ガス弾等を遺棄したとされる情報を対象としておらず、内閣府大臣官房遺棄化学兵器処理担当室の事務の所掌外であるが、関連する技術情報を相互に提供するなど、同室と環境省の「旧軍毒ガス等問題に係るプロジェクトチーム」の間で緊密な連携を保っているところである。

 第三について

 お尋ねの防衛庁に対する情報・資料の要求等については、フォローアップ調査の一環として、第一の一についてで述べた調査項目について、環境省から同庁に調査を依頼しているところであり、これにより提供された情報・資料については、現在、整理中である。
 また、御指摘の「七三年の「報告書」」とは、昭和四十八年に取りまとめられた「旧軍毒ガス弾等の全国調査の実施について」を指すものと考えるが、当該資料は、当時設置されていた「大久野島毒ガス問題関係各省庁連絡会議」が取りまとめたものと認識している。

 第四の一について

 寒川町の事案に関しては、被災したとして病院で診察を受けた方は計十二名であり、このうち十名に対しては、業務上の疾病として、労働者災害補償保険法(昭和二十二年法律第五十号)に基づく保険給付が支給されている。さらに、当該工事を発注した国土交通省関東地方整備局横浜国道事務所において、工事請負業者と損害について協議を進めているところである。なお、今後とも健康診断を定期的に受診していただく等、適切に対処してまいる所存である。
 また、平塚市の事案に関しては、被災したとして病院で診察を受けた方は計三名であり、これら全員に対し、業務上の疾病として、同法に基づく保険給付が支給されている。なお、これら三名の方については、これまでの数回の検査では異常は見られないところである。

 第四の二について

 厚生労働省に対しては、フォローアップ調査の一環として、第一の一についてで述べた調査項目について、情報の提供を依頼しているところである。

 第四の三について

 寒川町で発見された不審物については、国土交通省関東地方整備局に、平成十四年十二月十二日に設置した「さがみ縦貫危険物処理に関する有識者委員会」の検討を受け、現在、仮囲いに囲まれ、大型テントの中にある空気浄化機能を持った密閉型の保管庫に収納されているところである。
 また、平塚市で発見された不審物については、同局に、平成十五年五月十三日に設置した「平塚第二地方合同庁舎危険物の調査等に関する有識者委員会」の検討を受け、当該不審物を財団法人化学物質評価研究機構に持ち込み、瓶を割って内容物を分析した後、有害な内容物は同機構で保管され、不審瓶の欠片は空気浄化機能を持った現場内に設置した密閉型の保管庫に保管しているところである。
 なお、寒川町及び平塚市の現地では、二十四時間体制の現場管理、化学剤検知器による大気のモニタリング等を実施しており、新たな被災者が生じないよう万全を尽くしているところである。



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