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答弁本文情報

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平成十六年三月二日受領
答弁第二〇号

  内閣衆質一五九第二〇号
  平成十六年三月二日
内閣総理大臣 小泉純一郎

       衆議院議長 河野洋平 殿

衆議院議員首藤信彦君提出内閣総理大臣補佐官の適性に関する質問に対し、別紙答弁書を送付する。





衆議院議員首藤信彦君提出内閣総理大臣補佐官の適性に関する質問に対する答弁書



一について

 岡本行夫内閣総理大臣補佐官(以下「岡本補佐官」という。)は、イラクに係る諸課題に対応するための施策を担当する内閣総理大臣補佐官として、これまでその職責を十全に果たしてきているところである。
 平成十五年十月に政府がイラクにおいて実施したイラク北部のセメント工場の復興の可能性に関する調査(以下「本件調査」という。)に係る御指摘の事実経過についても、実情は、連合暫定施政当局(CPA)からイラクへの専門家派遣の要請を受けた岡本補佐官が、邦人に対する退避勧告が必要となるほど治安情勢が悪化し民間企業等からの技術者の派遣が困難であると考えられる状況の中で、当該要請に速やかにこたえるべく、三菱マテリアル株式会社に専門家派遣の可能性を打診の上、経済産業省に連合暫定施政当局からの要請等を伝えたというものである。また、セメント製造業者である同社はセメント工場の復興に必要となる設備等の製造等を行っておらず、本件調査への協力は直接同社の事業に結びつくようなものではない。このように、岡本補佐官の行為は、同社に対する利益誘導を目的とする公務員としての中立性を欠くものではなかった。
 また、岡本補佐官による同社への専門家派遣の可能性の打診については、国家公務員法(昭和二十二年法律第百二十号)第百条第一項の秘密に該当する情報を含むようなものではなく、内閣法(昭和二十二年法律第五号)第十九条第四項において準用する同法第十五条第四項の規定により準用される国家公務員法第百条第一項の規定に違反するものではない。
 右に述べたように、岡本補佐官の行為に問題とすべき点はなく、岡本補佐官には、今後ともイラクの復興について、その知見をいかして職責を果たしてもらいたいと考えている。
 なお、御指摘のワシントンポスト紙の記事は、御指摘のような事実経過を指摘する内容のものではないと承知している。

二について

 お尋ねの出張については、岡本補佐官が、イラクに係る諸課題に対応するための施策を担当する内閣総理大臣補佐官として、連合暫定施政当局関係者及びイラク側要人との会談を通じてイラク国内の政治及び治安の状況と経済支援のニーズを把握すること等を目的に、日程等について関係省庁と調整の上、内閣官房において、国家公務員等の旅費に関する法律(昭和二十五年法律第百十四号)等の規定に基づく所要の手続を経て決定したものである。

三について

 岡本補佐官は、これまで四度にわたりイラクを訪問し、バグダッド、モースル、バスラ等イラク各地において、連合暫定施政当局を始め、イラク統治評議会、地域の評議会、発電所、水処理施設、病院、学校、工場、連合軍関係施設等を訪問している。

四について

 お尋ねの三菱マテリアル株式会社の社員(以下「三菱マテリアル社社員」という。)については、平成十五年九月二十四日に経済産業省において経済産業省調査員として採用し、また、同年十月一日に外務省において非常勤職員として併任した上で、両省の職員として本件調査のためイラクに派遣したところである。

五について

 本件調査の適切な実施のためには高度な専門的能力が必要であったため、そのような専門的能力を有する者として三菱マテリアル社社員を選定し、経済産業省及び外務省の職員として派遣したところであり、このような対応に特段の問題があったとは考えていない。
 なお、一についてで述べたとおり、本件調査への協力は直接三菱マテリアル株式会社の事業に結びつくようなものではない。

六について

 本件調査については、連合暫定施政当局から、出張者について厳重な警護を行うとの前提で要請を受けたものであり、この要請を踏まえ、出張者の安全を確保することが可能であるとの判断の下に、三菱マテリアル社社員を経済産業省及び外務省の職員として派遣したところであり、御指摘の退避勧告との関係で問題があったとは考えていない。

七について

 経済産業省及び外務省の職員として派遣した三菱マテリアル社社員は、平成十五年十月二日にイラクに入国し、同月四日にシンジャーのセメント工場、モースルの簡易精油所及びキルクークのセメント工場を訪問し、同月五日にイラクを出国している。

八について

 お尋ねの「外国企業(日本法人を含む)」が何を指すのかが必ずしも明らかではないが、株式会社岡本アソシエイツのクライアントに外国の法令に基づいて設立された法人及び当該法人が資本の過半を出資して設立した我が国の法人は存在しないことを確認している。



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