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平成十六年三月三十日受領
答弁第三三号

  内閣衆質一五九第三三号
  平成十六年三月三十日
内閣総理大臣 小泉純一郎

       衆議院議長 河野洋平 殿

衆議院議員川内博史君外一名提出今国会提出の著作権法の一部を改正する法律案に於ける「商業用レコード」の定義と法律の適用範囲に関する質問に対し、別紙答弁書を送付する。





衆議院議員川内博史君外一名提出今国会提出の著作権法の一部を改正する法律案に於ける「商業用レコード」の定義と法律の適用範囲に関する質問に対する答弁書



一について

 今国会に提出している著作権法の一部を改正する法律案(以下「法案」という。)第百十三条第五項の規定により保護を受ける著作権者又は著作隣接権者(以下「権利者」という。)には、著作権法(昭和四十五年法律第四十八号。以下「法」という。)第六条に規定する著作物を創作した著作者、法第七条に規定する実演を行った実演家又は法第八条に規定するレコードを製作したレコード製作者が含まれ、日本国民(我が国の法令に基づいて設立された法人及び国内に主たる事務所を有する法人を含む。)だけではなく、外国人や外国法人も含まれているところである。
 法案第百十三条第五項においては、商業用レコードを輸入する行為等が著作権又は著作隣接権を侵害する行為とみなされる要件として、@権利者が、国内において頒布することを目的とする商業用レコード(以下「国内頒布目的商業用レコード」という。)を自ら発行し、又は他の者に許諾を与えて発行させていること、A権利者が、当該国内頒布目的商業用レコードと同一の商業用レコードであって、専ら国外において頒布することを目的とするもの(以下「国外頒布目的商業用レコード」という。)を、国外において自ら発行し、又は他の者に許諾を与えて発行させていること、が規定されている。
 お尋ねの商業用レコードの国外生産者が、自ら権利者としてその日本現地法人に日本盤を発行させている場合において、当該日本盤と同一の洋盤を日本国内への輸入を禁止する旨を表示して、国外において発行している場合には、前記の要件を満たすこととなる。また、当該国外生産者が、権利者の許諾を受けて、その日本現地法人に日本盤を発行させている場合において、当該日本盤と同一の洋盤を当該権利者の意向を受けて、日本国内への輸入を禁止する旨を表示して、国外において発行している場合においても前記の要件を満たすこととなる。
 ただし、法案第百十三条第五項においては、前記の要件に該当する商業用レコードを輸入する行為等のすべてが著作権又は著作隣接権を侵害する行為とみなされるものではなく、国外頒布目的商業用レコードが国内で頒布されることによって、国内頒布目的商業用レコードの発行により権利者の得ることが見込まれる利益が不当に害されることとなる場合に限り、著作権又は著作隣接権を侵害する行為とみなされることとされているところである。お尋ねの場合については、例えば、日本盤に比べて著しく安価な洋盤が国内において頒布されることにより権利者の得ることが見込まれる利益が著しく減少することとなるような場合には、法案第百十三条第五項が適用され、著作権又は著作隣接権を侵害する行為とみなされることとなる。また、日本盤が国内において最初に発行された日から起算して七年を超えない範囲内において政令で定める期間(この法律の施行の際現に日本盤が日本国内において発行されている場合には、この法律の施行の日から七年を超えない範囲内において政令で定める期間)を経過した後、当該日本盤と同一の洋盤を輸入する行為等については、法案第百十三条第五項ただし書(又は法案附則第三条)の規定により同項の措置の対象外となる。

二について

 お尋ねのように、国内生産者の意向を受けて、権利者である国外生産者が日本盤と同一の洋盤を日本国内への輸入を禁止する旨を表示して、国外において発行している場合においても、一についてと同様に、法案第百十三条第五項が適用される。
 私的独占の禁止及び公正取引の確保に関する法律(昭和二十二年法律第五十四号。以下「独占禁止法」という。)第二十一条においては、著作権法による権利の行使と認められる行為には独占禁止法の規定は適用しないとされており、法案第百十三条第五項に基づく著作権又は著作隣接権の行使が、独占禁止法第二十一条における著作権法による権利の行使と認められる場合には、独占禁止法第十九条の規定に違反することにはならない。このことは、お尋ねのように、国内生産者の意向を受けて、権利者である国外生産者が販売地域から日本を除外する旨を表示する場合についても同様である。

三について

 法案第百十三条第五項に規定する「同一」とは、その収録されている音楽が同一であることを意味しており、国内頒布目的商業用レコードが、お尋ねの音楽用CDの規格に準拠していない「コピーコントロールCD」と称する仕様で発売され、国外頒布目的商業用レコードが音楽用CDの規格に準拠した仕様で発売されていることをもって、法案第百十三条第五項に規定する同一の商業用レコードに該当しないこととなるものではない。
 なお、一についてで述べたように、法案第百十三条第五項においては、国外頒布目的商業用レコードを輸入する行為等のすべてが著作権又は著作隣接権を侵害する行為とみなされるものではなく、国外頒布目的商業用レコードが国内で頒布されることによって、国内頒布目的商業用レコードの発行により権利者の得ることが見込まれる利益が不当に害されることとなる場合に限り、著作権又は著作隣接権を侵害する行為とみなされることとされているところである。



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