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答弁本文情報

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平成十六年八月十日受領
答弁第一四九号

  内閣衆質一五九第一四九号
  平成十六年八月十日
内閣総理大臣 小泉純一郎

       衆議院議長 河野洋平 殿

衆議院議員長妻昭君提出年金掛け金を支払っても年金が支給されない事案に関する質問に対し、別紙答弁書を送付する。





衆議院議員長妻昭君提出年金掛け金を支払っても年金が支給されない事案に関する質問に対する答弁書



一について

 老齢基礎年金については、国民年金法(昭和三十四年法律第百四十一号)第二十六条の規定により、また、老齢厚生年金については、厚生年金保険法(昭和二十九年法律第百十五号)第四十二条の規定により、老齢基礎年金及び老齢厚生年金が支給されるためには、保険料納付済期間に国民年金の保険料の納付の免除の適用を受けた期間を含めた期間が原則として二十五年以上であること(以下「支給要件」という。)が必要とされている。
 なお、国民年金法附則第七条第一項に規定する合算対象期間並びに国民年金法等の一部を改正する法律(昭和六十年法律第三十四号。以下「六十年改正法」という。)附則第八条第四項及び第五項の規定により合算対象期間に算入された期間(日本国民であって海外に居住していた期間や、昭和六十一年四月前の期間であって六十年改正法による改正前の国民年金法第五条第一項に規定する被用者年金各法の被保険者の配偶者であった期間等が該当する。以下「合算期間」という。)については、国民年金法附則第九条第一項の規定により、同法第二十六条に規定する支給要件の期間に合算することとなる。このほか、六十年改正法附則第十二条又は第五十七条の規定により、生年月日によっては保険料納付済期間と保険料免除期間とを合算した期間が二十五年よりも短い場合であっても、支給要件を満たす取扱いとする経過措置が存在する。
 また、支給要件を満たさず年金の支給が行われない場合に、支払った保険料が払い戻される規定は国民年金法及び厚生年金保険法において御指摘のように定められていない。

二について

 御指摘のようなことを知っている国民の割合については把握していないが、国民年金法第七条第一項第一号に規定する第一号被保険者を対象として社会保険庁が実施した平成十四年国民年金被保険者実態調査によると、老齢基礎年金を受け取るためには、公的年金に加入し、保険料を納めた期間と保険料を全額免除されていた期間の合計が二十五年以上必要であることを知っていた者の割合は、約六十パーセントとなっている。

三について

 一についてで述べたとおり、老齢基礎年金及び老齢厚生年金が支給されるためには、保険料納付済期間と保険料免除期間とを合算して二十五年以上であることが必要であるが、支給要件の期間の算定に当たっては、保険料納付済期間及び保険料免除期間のほか、合算期間も含まれる。
 社会保険庁においては、国民年金及び厚生年金保険の被保険者に係る保険料納付済期間及び保険料免除期間の記録を管理しているが、合算期間については把握していないため、例えば昭和六十一年四月前の六十年改正法による改正前の国民年金法第五条第一項に規定する被用者年金各法の被保険者の配偶者であった期間は、裁定請求時において、戸籍の抄本等により婚姻期間を確認した上で年金の裁定を行っているところである。
 また、保険料納付済期間については、国民年金法第三条第二項に規定する共済組合の組合員又は加入者(以下「共済組合の組合員」という。)の期間も含まれるが、共済組合の組合員の期間についても、その一部の期間(平成九年一月に基礎年金番号を導入した際に現に共済組合の組合員であった者及びその後に共済組合の組合員となった者の共済組合の組合員の期間)について各共済組合から情報の提供を受けているものの、それ以外の期間についての情報の提供は受けておらず、それぞれの共済組合が記録を管理していることから、国民年金及び厚生年金保険の年金の裁定請求時において、請求者が共済組合の組合員の期間を有している場合は、個々に各共済組合に共済組合の組合員の期間を確認した上で年金の裁定を行っているところである。
 さらに、いまだ年金の裁定請求を行っていない者の中には、今後国民年金及び厚生年金保険の被保険者となることなどにより支給要件たる期間を満たすこととなる者も存在する。
 このように、いまだ年金の裁定請求を行っていない者が支給要件を満たすか否かについては、裁定請求時等において個々に確認が必要となることとなり、また、支給要件を満たさなかった原因等については把握していないため、お尋ねの人数等については、お答えすることは困難である。
 なお、平成十六年四月一日現在における基礎年金番号を有する六十五歳以上のいまだ年金の裁定請求を行っていない者又は裁定請求中の者であって、社会保険庁で把握している保険料納付済期間と保険料免除期間を合算した期間が二十五年に満たない者について、男女別及び国民年金・厚生年金保険別の年齢ごとの人数をあえて集計すれば、別表のとおりであるが、この中には共済組合の組合員の期間を算入すること、今後国民年金及び厚生年金保険の被保険者となることなどにより支給要件を満たすこととなる者の数も含まれていることは先に述べたとおりである。

四について

 社会保険事務所(地方社会保険事務局事務所を含む。)において、お尋ねのような事例については、承知していないが、お尋ねのような方に対しては、保険料の納付義務があること、保険料を納付することにより、障害基礎年金又は遺族基礎年金が支給される可能性があることを説明すべきであると考えている。

五及び六について

 お尋ねの救済制度については、保険料の負担能力がない者には国民年金法第八十九条等により免除制度を設けた上で、六十歳に達した時点で、支給要件を満たしていない場合等には、国民年金法附則第五条の規定により、既に、六十歳から六十五歳までの間に国民年金に任意加入できる途が開かれているほか、国民年金法等の一部を改正する法律(平成十六年法律第百四号)附則第二十三条の規定等により、平成十七年四月時点で四十歳以上である者が六十五歳に達した時点で、支給要件を満たしていない場合に、更に七十歳まで任意加入できるよう措置を講じたところである。
 なお、国民年金の老齢基礎年金を受給するために、支給要件を満たす必要があることについて、国民年金加入時に納付書とともに支給要件を記載した文書も併せて送付するなど、これまでも機会をとらえて周知を行っているところであるが、引き続き周知徹底してまいりたい。


別表


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