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答弁本文情報

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平成十六年九月十日受領
答弁第一一号

  内閣衆質一六〇第一一号
  平成十六年九月十日
内閣総理大臣 小泉純一郎

       衆議院議長 河野洋平 殿

衆議院議員川内博史君外一名提出いわゆる「コピーコントロールCD」に関する質問に対し、別紙答弁書を送付する。





衆議院議員川内博史君外一名提出いわゆる「コピーコントロールCD」に関する質問に対する答弁書



一について

 お尋ねの「売上の回復に寄与する効果」については、現時点において、政府として特段の検討を行っておらず、お答えすることが困難である。
 なお、お尋ねの「コピーコントロールCD」(以下「CCCD」という。)が初めて発売された平成十四年以降のCCCDを発売している事業者とCCCDを発売していない事業者の音楽を記録したコンパクトディスク(以下「音楽CD」という。)の生産額の推移について、社団法人日本レコード協会(以下「協会」という。)から聴取したところは、次のとおりであるが、音楽CDの生産額は、楽曲の内容、消費の動向等様々な要因の影響を受けるものであり、当該推移をもってお尋ねの「効果」を測ることは困難であると考える。
 レコードの製作を業として行う者(以下「レコード製作事業者」という。)で協会に加盟しているもの(以下「加盟事業者」という。)のうち、これまでに発売したCCCDの作品の数が上位の三社に係る音楽CDの生産額の合計の対前年比は、平成十四年においては八十一・一パーセントであり、平成十五年においては九十二・六パーセントである。また、CCCDを発売していない加盟事業者のうち、平成十五年における音楽CDの生産額が上位の三社に係る音楽CDの生産額の合計の対前年比は、平成十四年においては百九・五パーセントであり、平成十五年においては九十七・四パーセントである。

二について

 レコード製作事業者が、自らの商品について、お尋ねの「カクタス・データシールド200」を含め、どのような規格を採用するかについては、消費者、実演家等との関係等を踏まえ、当該レコード製作事業者が事業活動の一環として判断するものであると考えており、お尋ねの「事業者が使用し続けている理由」については、承知していない。

三について

 「表現活動を阻害していることを意味するのではないか」とのお尋ねについては、何をもって「阻害している」と判断すべきかが必ずしも明らかでないことなどから、お答えすることが困難であるが、レコード製作事業者が自らの商品についてどのような規格を採用するかについては、当該レコード製作事業者が事業活動の一環として判断するものと考えているところ、お尋ねの「DVDオーディオやスーパーオーディオCDなど」の新たな規格の採用について、何らかの指導をすることは考えていない。また、お尋ねの「移行に消極的な理由」については、政府として「消極的」であるか否かなどについて特段の検討を行っておらず、お答えすることが困難である。

四について

 独立行政法人国民生活センター(以下「センター」という。)から聴取したところ、センターでは、各地の消費生活センターを結ぶ全国消費生活情報ネットワーク・システムを運営し、センター、全国の消費生活センター等に寄せられた消費生活に関する相談に係る情報を収集しているところであるが、このうち、平成十四年三月から本年六月までの間におけるCCCDに関する相談の件数は二十九件であり、これらの相談の具体的な内容としては、再生ができない、音質が悪い、再生したところ再生装置が故障したといったものなどが挙げられるとのことである。
 政府としては、CCCDに関するこれらの相談について、その件数が二十九件にとどまっていることなどから、直ちに何らかの対応が必要であるとは考えていないが、引き続きCCCDに関する消費者の意見等に十分な関心を払ってまいりたいと考えている。

五について

 お尋ねの「「CCCDが再生できない場合でも返品・交換には一切応じない」と言う趣旨の免責表示」(以下「本件免責表示」という。)と消費者契約法(平成十二年法律第六十一号)との関係については、想定されている事案の詳細が明らかでないことなどから一概にお答えすることが困難であるが、仮に本件免責表示がCCCDを販売した事業者とCCCDを購入した消費者との契約の条項となっている場合、例えば同法第八条及び第十条の規定の適用が問題となり得ると考えられる。同法第八条においては、事業者の損害賠償の責任を免除する消費者契約の条項の無効について規定しているところ、本件免責表示については、同条第一項第一号から第五号までに掲げる消費者契約の条項に該当するとき(同項第五号に掲げる条項に該当する場合にあっては、同条第二項第一号及び第二号に掲げる場合に該当しないときに限る。)には、同条第一項の規定により無効となる。また、同法第十条においては、消費者の利益を一方的に害する消費者契約の条項の無効について規定しているところ、本件免責表示については、民法(明治二十九年法律第八十九号)、商法(明治三十二年法律第四十八号)その他の法律の公の秩序に関しない規定の適用による場合に比し、消費者の権利を制限し、又は消費者の義務を加重する消費者契約の条項であって、民法第一条第二項に規定する基本原則に反して消費者の利益を一方的に害するものに該当する場合には、消費者契約法第十条の規定により無効となる。

六について

 お尋ねについては、いかなる法令の適用を前提にしているのかなどが明らかでないが、例えば、民法第七百九条の規定に基づく不法行為に係る損害賠償の請求を目的とする訴訟においては、損害賠償を請求する者において、請求を根拠付ける要件である因果関係を立証するものと解されていると承知している。

七について

 レコード製作事業者が自らの商品についてどのような宣伝を行うかについては、消費者との関係等を踏まえ、当該レコード製作事業者が事業活動の一環として判断するものであると考えており、レコード製作事業者がお尋ねの「一般消費者からマイナスイメージを抱かれるという認識を有している」か否かについては、承知していない。
 また、不当景品類及び不当表示防止法(昭和三十七年法律第百三十四号)第四条の適用に関するお尋ねについては、お尋ねの事案の詳細が明らかでないことなどから、お答えすることが困難である。

八について

 レコード製作事業者が、自らの商品についてどのような規格を採用するかについては、当該レコード製作事業者が事業活動の一環として判断するものであると考えており、お尋ねの「米国及び英国の一般消費者はわが国に比して著作権意識が格段に高い故にCCCDではなく音楽用CDの規格に準拠した仕様で発売されているのか」否かについては、承知していない。

九について

 レコード製作事業者が、自らの商品についてどのような規格を採用するかについては、当該レコード製作事業者が事業活動の一環として判断するものであると考えており、お尋ねの「状況」について特に問題があるとは考えていない。
 なお、著作権法の一部を改正する法律(平成十六年法律第九十二号)による改正後の著作権法(昭和四十五年法律第四十八号)第百十三条第五項においては、専ら国外において頒布することを目的とする商業用レコード(以下「国外頒布目的商業用レコード」という。)を輸入する行為が著作権又は著作隣接権を侵害する行為とみなされる要件として、国外頒布目的商業用レコードが国内において頒布することを目的とする商業用レコード(以下「国内頒布目的商業用レコード」という。)と同一の商業用レコードであることのほか、当該輸入する行為が国内において頒布する目的で行われることや、国外頒布目的商業用レコードが国内で頒布されることによって、国内頒布目的商業用レコードの発行により著作権者又は著作隣接権者の得ることが見込まれる利益が不当に害されることなどが規定されており、国外頒布目的商業用レコードが国内頒布目的商業用レコードと同一の商業用レコードであることのみをもって直ちに当該輸入する行為が著作権又は著作隣接権を侵害する行為とみなされることとなるわけではない。



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