衆議院

メインへスキップ



答弁本文情報

経過へ | 質問本文(HTML)へ | 質問本文(PDF)へ | 答弁本文(PDF)へ
平成十六年八月十日受領
答弁第二六号

  内閣衆質一六〇第二六号
  平成十六年八月十日
内閣総理大臣 小泉純一郎

       衆議院議長 河野洋平 殿

衆議院議員加藤公一君提出平成十六年国民年金法等の一部を改正する法律をはじめとする社会保障制度等に関する質問に対し、別紙答弁書を送付する。





衆議院議員加藤公一君提出平成十六年国民年金法等の一部を改正する法律をはじめとする社会保障制度等に関する質問に対する答弁書



一について

 厚生年金に係る平成十六年財政再計算における被保険者数及び給付水準の将来見通しについては、性別及び年齢別の人口、労働力率並びに労働力人口に占める被用者の割合の見通しに基づいて推計を行っており、直接失業率を推計に用いていないため、失業率が現在の数値のまま推移した場合における給付水準の将来見通しを試算することはできない。
 ただし、直近の被保険者数を推計に反映させることを通じて、最近の雇用動向は間接的に反映されていると考えている。

二の1について

 国民年金保険料の納付率を平成十九年度に八十パーセントに回復させるという目標については、被保険者資格取得の届出が行われていない二十歳に到達している者について、職権により国民年金の適用を行う事務処理を全国的に実施し、現行と同様の国民年金の適用の仕組みが整えられた平成九年度の納付率が七十九・六パーセントであったことを踏まえて、平成十五年度に厚生労働省に設置した国民年金特別対策本部において、当面のまず達成すべき目標として設定したものである。
 その目標の実現のため、年金制度の理解を促し、自主的な納付を促進するための教育、広報、口座振替利用の勧奨等を引き続き着実に実施するほか、未納者に対しては、催告状の送付、電話及び戸別訪問による納付督励等を実施し、さらに、十分な所得又は資産を有しながら保険料を納付せず、他の被保険者の納付意欲に悪影響を与えかねない者に対しては、国民年金法(昭和三十四年法律第百四十一号)第九十六条第一項及び第四項の規定に基づく督促及び滞納処分を実施することとしている。また、保険料免除の割合を所得に応じて多段階で認める制度(以下「多段階免除制度」という。)、若年者に対する納付猶予の制度等国民年金法等の一部を改正する法律(平成十六年法律第百四号)により導入されることとなった制度等の着実な実施を図ることとしている。
 また、多段階免除制度及び若年者に対する納付猶予の制度の導入に伴い、仮に、これらの制度の適用を受けることにより保険料を満額納付した場合に比べて保険料納付額が減少したとしても、将来の給付額もそれに応じて減少するため、長期的な年金財政への影響は軽微であると考えている。

二の2について

 納付率が七十パーセント又は七十五パーセント程度にとどまった場合については、保険料収入が減少することとなる一方で、将来の給付額もそれに応じて減少するため、長期的な年金財政への影響は軽微であると考えている。

三の1について

 昭和四十七年に児童手当制度が創設された際に、児童手当の額については、児童養育費の一部を負担することにより児童を養育する家庭の家計負担の軽減を図り、国や社会が次代の社会の担い手である児童の養育について応分の寄与をするという趣旨に基づき、昭和四十二年度に旧厚生省が行った「養育費調査」において義務教育終了前の児童が三人以上いる月収三万円以上六万円未満の勤労者世帯の児童一人当たりの養育費が月額約六千五百円であったこと、児童手当審議会における検討等を勘案し、第三子以降について月額三千円と定められたものである。その後、物価動向等を勘案してその額の引上げが行われるとともに、昭和六十一年六月からは第二子以降について、平成四年一月からは第一子についても児童手当を支給することとされ、それらの額については、財政事情等を勘案して第三子以降に対する額の半額とされたところである。その結果、平成四年一月からは第一子及び第二子については月額五千円、第三子以降については月額一万円を支給することとされ、その後は、物価動向等を勘案して、額が据え置かれている。

三の2について

 児童手当法の一部を改正する法律(平成十六年法律第百八号)において、三歳以上義務教育就学前の児童に係る特例給付の支給期間が小学校第三学年修了前まで延長されたのは、小学校第三学年修了までの期間については、児童の人格形成上重要な時期であること、日常生活全般に保護が求められ、子育てに手がかかる時期であること、親の年齢が若く、一般に収入も低く、また、母親の就業率も低いこと等を踏まえたことによるものである。

三の3について

 児童手当については、これまでの累次にわたる制度改正により、その支給の対象が拡大され、支給額の引上げが行われてきていることから、児童を養育する家庭の経済的負担の軽減が図られ、少子化対策として一定の効果を上げているものと考えている。なお、少子化対策の効果については、その科学的な分析を行うことが重要であると考えており、こうした分析も踏まえつつ、今後とも少子化の流れを変えるための施策を推進してまいりたい。

四について

 支援費制度を始めとする障害保健福祉施策と介護保険制度の関係については、今後、障害者、地方自治体等の意見を聴きながら検討していくこととしており、障害保健福祉施策に介護保険制度の仕組みを活用することとした場合に支援費制度のいずれのサービスを介護保険制度の仕組みで担うこととするのかについても検討することとしている。お尋ねの支援費制度の位置づけ等についても、今後の検討の結果に基づく具体的な制度の在り方によって変わりうるものであることから、現時点でお答えすることは困難である。

五の1について

 経済財政諮問会議の設置については、内閣府設置法(平成十一年法律第八十九号)第十八条第一項において規定されている。
 お尋ねの「社会保険庁の在り方に関する懇談会」とは、社会保険庁の在り方に関する有識者会議(以下「有識者会議」という。)を指すものと考えるが、有識者会議は、内閣官房長官が参集を求める懇談会等行政運営上の会合(「審議会等の整理合理化に関する基本的計画」(平成十一年四月二十七日閣議決定)に規定されている「行政運営上の参考に資するため、大臣等の決裁を経て、大臣等が行政機関職員以外の有識者等の参集を求める会合であって、同一名称の下に、同一者に、複数回、継続して参集を求めることを予定しているもの」をいう。以下同じ。)である。
 運営評議会は、社会保険庁長官が参集を求める懇談会等行政運営上の会合とする予定である。

五の2について

 経済財政諮問会議の事務局としての庶務については、内閣府において処理することとなっている。
 有識者会議の事務局としての庶務については、厚生労働省の協力を得て、内閣官房において処理することとなっている。
 また、運営評議会の事務局としての庶務については、社会保険庁において処理する予定である。

五の3について

 経済財政諮問会議は、経済全般の運営の基本方針、財政運営の基本、予算編成の基本方針その他の経済財政政策に関する重要事項について調査審議し、並びに全国総合開発計画その他の経済財政政策に関連する重要事項について、経済全般の見地から政策の一貫性及び整合性を確保するため調査審議すること等を目的とするものである。
 有識者会議は、社会保険庁の組織の在り方、社会保険庁の改革のために緊急に対応すべき方策等について、基本に立ち返った検討を行うことを目的とするものである。
 また、運営評議会は、社会保険庁の事業全般について、保険料拠出者や国民の視点から、事業内容や業務の実施方法の改善を図ることを目的とする予定である。

五の4について

 社会保険庁改革については、まずは、有識者会議において、社会保険庁の組織の在り方についての基本論を含めて議論することとしており、その上で、検討状況を適切な時期に経済財政諮問会議にも報告するなど、相互に連携を図りつつ議論を進めていくこととしている。
 一方、運営評議会は、社会保険庁の事業全般について、保険料拠出者や国民の視点から、事業内容や業務の実施方法の改善を図ることを目的とする予定であり、有識者会議と性格は異なるが、社会保険庁の改革を進めるために相互に連携を図りつつ運営する予定である。
 こうした連携を通じて、各会議において基本的な認識を共有しつつ議論を進めることが必要であると考えている。



経過へ | 質問本文(HTML)へ | 質問本文(PDF)へ | 答弁本文(PDF)へ
衆議院
〒100-0014 東京都千代田区永田町1-7-1
電話(代表)03-3581-5111
案内図

Copyright © Shugiin All Rights Reserved.