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平成十六年八月十一日受領
答弁第六五号

  内閣衆質一六〇第六五号
  平成十六年八月十一日
内閣総理大臣 小泉純一郎

       衆議院議長 河野洋平 殿

衆議院議員前田雄吉君提出わが国のがん治療に関する質問に対し、別紙答弁書を送付する。





衆議院議員前田雄吉君提出わが国のがん治療に関する質問に対する答弁書



一について

 抗がん剤を用いたがんの治療については、薬事法(昭和三十五年法律第百四十五号)第十四条又は第二十三条に基づく抗がん剤の製造又は輸入の承認、がんの専門医の育成、抗がん剤の研究開発等いずれも重要な課題であると認識している。

二について

 がんの治療については、近年、手術療法、化学療法及び放射線療法に加え、遺伝子治療法、免疫療法及び代替医療の様々な試みが行われていると承知しているが、これらについては、今後の科学的知見の集積が重要であると考えている。

三及び四について

 薬事法第十四条又は第二十三条に基づく医薬品又は医療用具(以下「医薬品等」という。)の製造又は輸入の承認(以下「製造等承認」という。)については、抗がん剤を含む新医薬品又は新医療用具の審査事務処理期間を十二月としているところであり、その早期の製造等承認のためには、前提となる医薬品等の製造業者又は輸入販売業者(以下「製造業者等」という。)からの承認申請が行われる必要がある。
 厚生労働省においては、関係学会等から製造等承認を受けていない医薬品等の製造等承認又は製造等承認を受けた医薬品等の承認外の効能、効果等を目的とする使用(以下「承認外使用」という。)の要望があった場合には、製造業者等に対して当該要望の内容を伝えるとともに、製造等の承認又は製造等の承認事項の一部変更承認の申請を検討するよう依頼することとしている。
 また、医薬品にあっては、ICH(日米EU三極医薬品規制調和国際会議)のガイドライン等に基づき、製造業者等が海外の臨床試験成績を利用することにより、必要最少限の国内の臨床試験成績を得るだけで製造等承認の申請を認め、医療用具にあっては、海外の臨床試験成績を利用することにより、製造等承認の申請を認めている。さらに、医薬品等の承認外使用に関して承認事項の一部変更承認等の申請があった場合に、当該承認外使用に係る効能、効果等が医学上又は薬学上公知であると認められるときは、製造業者等から新たな臨床試験に関する資料を求めないこととする等の措置を講ずるとともに、医療上特に必要性が高いと考えられる医薬品等については審査を優先的に行う等、承認審査期間の短縮に努めているところである。今後とも、以上の取扱いにより、迅速に対応をしてまいりたい。
 なお、御指摘の放射線ピンポイント照射を行う医療用具については、既に我が国で製造等承認の実績がある。

五について

 御指摘の定位放射線治療については、平成八年度の診療報酬改定において、ガンマナイフによる定位放射線治療を保険適用の対象とし、平成十年度の診療報酬改定において、直線加速器による定位放射線治療を頭頸部腫瘍に対して行った場合を保険適用の対象としたところであるが、平成十六年度の診療報酬改定においては、直線加速器による定位放射線治療について、体幹部に対する治療であって、原発病巣の直径五センチメートル以内で転移病巣のない原発性肺がん若しくは原発性肝がん、三個以内で他病巣のない転移性肺がん若しくは転移性肝がん又は脊髄動静脈奇形に対して行った場合を保険適用の対象として追加したところである。
 お尋ねの定位放射線治療に係る保険適用の対象の拡大については、治療の有効性及び安全性等の観点からの中央社会保険医療協議会における議論を踏まえ、検討していくべきものと考えている。

六について

 五についてで述べた平成八年度、平成十年度及び平成十六年度の診療報酬改定の内容について、「健康保険法の規定による療養に要する費用の額の算定方法の一部改正等に伴う実施上の留意事項について(通知)」(平成八年三月八日付け保険発第二十一号厚生省保険局医療課長・厚生省保険局歯科医療管理官通知)等により、都道府県民生主管部(局)保険主管課(部)長及び国民健康保険主管課(部)長並びに地方社会保険事務局長等に対し、関係者への周知徹底を要請しているところであり、定位放射線治療については新聞等でも取り上げられていることから、がん患者の認識も高まりつつあると考えている。

七について

 「定位放射線治療」による体幹部のがん治療を受けることのできる国内の医療機関の実態については把握していないため、お尋ねについてお答えすることは困難である。

八について

 何をもって「定位放射線治療を取り扱える放射線治療医、技師」と判断するのか必ずしも明らかではないので、お尋ねについてお答えすることは困難である。

九について

 定位放射線治療の診療報酬点数は、他の放射線治療の診療報酬点数と比較して高い点数を設定しているが、これは、当該治療に高度な技術を要すること並びに当該治療の実施に伴う画像診断、検査及び放射線治療管理等の費用等を総合的に勘案し、中央社会保険医療協議会における諮問・答申の手続を経て設定したものである。



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