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答弁本文情報

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平成十六年十一月三十日受領
答弁第二八号

  内閣衆質一六一第二八号
  平成十六年十一月三十日
内閣総理大臣臨時代理
国務大臣 細田博之

       衆議院議長 河野洋平 殿

衆議院議員大出彰君提出金融システム安定化のために投入した公的資金に関する質問に対し、別紙答弁書を送付する。





衆議院議員大出彰君提出金融システム安定化のために投入した公的資金に関する質問に対する答弁書



一の1について

 「これまでに金融システム安定化のために投入された資金」の意味するところが必ずしも明らかでないが、預金保険機構が初めて預金保険法(昭和四十六年法律第三十四号)第六十四条第一項の規定に基づく預金保険機構による資金援助を実施した平成四年度から平成十五年度までの間の預金保険機構による資金援助等の業務に係る金額は、参議院議員大塚耕平君提出金融システム安定化のために投入した公的資金に関する質問に対する答弁書(平成十六年八月十日内閣参質一六〇第六号。以下「答弁書」という。)の一についてから四についてまででお答えしたとおりである。仮に答弁書の一についてから四についてまででお答えした金額を単純に合算すれば、四十六兆八千五十三億円となるが、各業務の性質がそれぞれ異なることから、その金額は、合算すべきものではないと考える。

一の2及び3について

 預金保険機構は、一の1についてで述べた資金援助等のうち金銭の贈与の財源に充てるために、預金保険法附則第十九条の五第一項の規定に基づき、交付された国債の償還を受けており、その金額は、十兆四千三百二十六億円である。また、平成十六年三月三十一日までに預金保険機構が金融機関から徴収した保険料の累計金額は、四兆六千四百九十六億円である。このほか、平成十六年三月三十一日時点において預金保険法第四十二条等の規定に基づく金融機関等からの借入れ及び預金保険機構債券の発行により、十九兆八千七百九十一億円を調達している。当該資金援助等に関し、既に回収した十一兆五千七百三十二億円以外の部分については、基本的には、これらが財源である。

二の1について

 お尋ねの八兆千八百三十六億円については、これまでに預金保険機構が金融機関から徴収した保険料及び今後徴収する保険料によって賄われることとなる。

二の2について

 二の1についてで述べた八兆千八百三十六億円のうちこれまでに預金保険機構が金融機関から徴収した保険料によって賄われたものを除いた残額の返済期間の見通しについては、今後預金保険機構が金融機関から徴収する保険料収入の推移によることから、現時点でお答えすることは困難である。

三の1について

 金融機関からの資産の買取りに投入された金額九兆六千四百八十三億円のうち、平成十六年三月三十一日時点で、既に回収された金額は四兆九千六百六十一億円である。既に回収不能となっている金額については、個々の資産の回収において損失が生じたとしても、他の資産の回収に係る収益により、当該損失を賄うことができる場合があるので、現時点でお答えすることは困難である。

三の2について

 お尋ねの六兆三千六百六十三億円は、預金保険法第六十四条第一項の規定に基づく破綻金融機関からの資産の買取り及び金融機能の再生のための緊急措置に関する法律(平成十年法律第百三十二号。以下「金融再生法」という。)第七十二条第一項の規定に基づく特別公的管理銀行からの資産の買取りに係るものの合計である。
 お尋ねの九兆六千四百八十三億円には、これらの金額に加えて金融再生法第五十三条第一項第一号ハの規定に基づく特別公的管理銀行からの資産の買取り、同号ニの規定に基づく金融機関等からの資産の買取り及び預金保険法附則第六条の三第一項の規定に基づく特例資産譲受人等からの資産の買取りに係るものが含まれている。

四について

 金融機能の安定化のための緊急措置に関する法律(平成十年法律第五号。以下「旧安定化法」という。)第五条の規定に基づく優先株式等の引受け等、金融機能の早期健全化のための緊急措置に関する法律(平成十年法律第百四十三号。以下「早期健全化法」という。)第四条の規定に基づく株式等の引受け等、預金保険法第百七条の規定に基づく株式等の引受け等及び金融機関等の組織再編成の促進に関する特別措置法(平成十四年法律第百九十号。以下「組織再編成特別措置法」という。)第六条の規定に基づく優先株式等の引受け等に係る金額は、十二兆三千八百六十九億円である。このうち、これらの株式等の処分等により回収されていない金額は、平成十六年三月三十一日時点で十兆三千百五十三億円であり、お尋ねの返済見通しについては、これらの株式等の処分等の具体的な時期等を予測することは困難であり、現時点でお答えすることはできない。
 旧安定化法、早期健全化法、預金保険法及び組織再編成特別措置法の規定に基づき株式等の引受け等が行われた金融機関等は、当該株式等につき利益をもってする消却、払戻し、償還又は返済に対応することができる財源を確保するための方策等を定めた経営健全化計画等を策定し、これを公表している。政府は、当該金融機関等から提出された経営健全化計画等を公表するとともに、当該金融機関等に対し、経営健全化計画等の履行状況につき報告を求め、これを公表している。

五について

 破綻金融機関等から買い取った資産の処分、金融機関等から引き受けた株式等の処分その他の手段により回収した金額は、平成十六年三月三十一日時点で十一兆五千七百三十二億円であるが、これは、当該時点における、旧安定化法、早期健全化法、預金保険法及び組織再編成特別措置法の規定に基づき引き受けた株式等の処分等により回収した金額である二兆七百十六億円を含んでいる。なお、お尋ねの返済された金額である二兆千五百十六億円は、御指摘の「平成十五年度預金保険機構年報」に示されている平成十六年七月二日時点のものであると考えられるが、当該金額は、平成十六年四月一日以後に行われた株式等の処分等により回収した金額を含んでいる。

六の1について

 金融再生法第六十一条の規定に基づく特別公的管理銀行に対する資金の貸付けの金額は、四兆二千億円である。

六の2について

 六の1についてで述べた資金の貸付けについては、全額回収されている。

六の3について

 金融再生法第六十二条の規定に基づく特別公的管理銀行に対する損失の補てんに係る金額は、四千五百億円である。

六の4について

 平成十六年三月三十一日時点で、平成十二年二月九日に締結された旧株式会社日本長期信用銀行に係る株式売買契約書第八条に規定する瑕疵担保特約に基づく貸出関連資産の取得(以下「旧長銀に係る瑕疵担保関連資産の取得」という。)に係る預金保険機構の支払に係る金額は、八千八百六億円であり、平成十二年六月三十日に締結された旧株式会社日本債券信用銀行に係る株式売買契約書第十九条から第二十三条までに規定する瑕疵担保特約に基づく貸出関連資産の取得(以下「旧日債銀に係る瑕疵担保関連資産の取得」という。)に係る預金保険機構の支払に係る金額は、二千九百二十六億円である。
 これらのための資金は、金融機関等からの借入れ及び預金保険機構債券の発行により調達している。

六の5について

 六の3についてで述べた損失の補てんに係る業務並びに六の4についてで述べた旧長銀に係る瑕疵担保関連資産の取得及び旧日債銀に係る瑕疵担保関連資産の取得に係る業務は、金融再生法第六十四条の規定に基づき金融再生勘定において他の業務とともに一体として経理されており、預金保険機構による資金援助等に関し、最終的に国の負担となる金額は、破綻金融機関等から買い取った資産の処分、金融機関等から引き受けた株式等の処分その他の手段による回収の状況によることとなる。したがって、六の3についてで述べた損失の補てんに係る業務並びに六の4についてで述べた旧長銀に係る瑕疵担保関連資産の取得及び旧日債銀に係る瑕疵担保関連資産の取得に係る業務による支払額が、直ちに国の負担となるわけではない。

七について

 お尋ねの理由について預金保険機構から聴取したところ、預金保険機構が編集し、発行している各年度の預金保険機構年報においては、預金保険機構による資金援助等に関し、当該年度中に実施した金融機関の破綻処理状況等を中心に掲載しているが、答弁書の四についてで述べた預金保険機構による資金援助等で特別公的管理に係るものの金額については、特別公的管理の終了までの期間において行った資金援助等をこれが行われた年度の預金保険機構年報に掲載することとしているということであった。



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