衆議院

メインへスキップ



答弁本文情報

経過へ | 質問本文(HTML)へ | 質問本文(PDF)へ | 答弁本文(PDF)へ
平成十七年二月一日受領
答弁第三号

  内閣衆質一六二第三号
  平成十七年二月一日
内閣総理大臣 小泉純一郎

       衆議院議長 河野洋平 殿

衆議院議員中根康浩君提出触法精神障害者の入院施設に関する質問に対し、別紙答弁書を送付する。





衆議院議員中根康浩君提出触法精神障害者の入院施設に関する質問に対する答弁書



一の(1)及び(2)について

 心神喪失等の状態で重大な他害行為を行った者の医療及び観察等に関する法律(平成十五年法律第百十号。以下「医療観察法」という。)第二条第五項に規定する指定入院医療機関(以下「指定入院医療機関」という。)において医療観察法第四十二条第一項第一号又は第六十一条第一項第一号の決定を受けた者(以下「入院決定者」という。)に対する医療を提供するための病棟の主な構造・設備については、病室は個室であること、診察室、処置室、集団精神療法室、作業療法室等を有すること、玄関、窓等に無断退去を防止するために必要な構造・設備を有すること等を基本として、各病院の敷地の状況及び周辺状況に応じて具体的な設計を進めることとしている。
 入院決定者に対して医療を提供するための病棟を整備するため現在具体的な作業を進めている国立高度専門医療センター及び独立行政法人国立病院機構が開設する病院(以下「国立病院等」という。)のうち、現在までに建設に着手していない五か所については、設計等の作業の進捗状況に応じて、関係者の理解を深めるよう説明を進めているところである。また、残り二か所については、関係者の理解を深めつつ実施設計の説明を終え、既に建設に着手しているところであるが、引き続き、病棟開設後における地元との連携体制の確保等について意見交換を続ける予定である。
 各地域の状況はそれぞれ異なっているものの、関係者への丁寧な説明を継続することにより、関係者の理解をできる限り深め、指定入院医療機関の円滑な整備を進めてまいりたい。

一の(3)について

 指定入院医療機関の入院患者数については、医療観察法の施行期日(医療観察法の公布の日(平成十五年七月十六日)から起算して二年を超えない範囲内において政令で定める日)以降、段階的に増加していくものと考えており、政府としては、その増加に応じ必要な数の病床を段階的に確保できるよう、医療観察法の施行まではもとより、それ以降においても、引き続き国立病院等が所在する地元自治体や周辺住民、都道府県が開設する病院の関係者等への説明を継続するなど、最大限の努力を傾注してまいりたい。

二について

 政府としては、入院決定者が指定入院医療機関に入院中の時点から、保護観察所に新設される社会復帰調整官によって、当該入院決定者が元の居住地に戻り、必要な援助が円滑かつ効果的に受けられるよう、医療観察法第百一条の規定に基づき生活環境の調整を行うこととしている。具体的には、例えば、入院決定者やその家族等と面談して退院後の居住予定地等に関する希望を聴取するとともに、指定入院医療機関の管理者等との協議や退院後の居住予定地における生活環境に関する調査等を行い、これらの結果に基づき、必要に応じて、家族等に引受けを促すなど本人と家族等との関係を調整することや、指定入院医療機関や退院後の居住予定地の指定通院医療機関(医療観察法第二条第六項に規定する指定通院医療機関をいう。以下同じ。)、都道府県、市町村等の関係機関と連携を図りつつ、精神保健及び精神障害者福祉に関する法律(昭和二十五年法律第百二十三号)第四十七条及び第四十九条の規定に基づく相談指導や適切な精神障害者社会復帰施設又は精神障害者居宅生活支援事業等の利用その他の援助が円滑かつ効果的に受けられるよう、あっせん又は調整を行うこと等により退院後の生活環境を整えることとしている。
 また、指定入院医療機関を退院して通院医療を受けることとなった後も、医療観察法第百四条の規定に基づき、保護観察所の長が、医療の実施主体である指定通院医療機関や援助の実施主体である都道府県知事及び市町村長と協議の上、個々の患者ごとに処遇に関する実施計画を作成し、これに基づいて処遇を行うことにより、必要とされる医療、精神保健観察及び援助を統一的かつ効果的に実施することとしている。
 なお、入院決定者が、元の居住地に円満に戻り、地域住民から偏見や差別を受けることなく安心して通院医療を受けることができるためには、入院決定者等の社会復帰の必要性について理解と協力を得るための啓発活動が必要と考えられる。そこで、保護観察所の長は、医療観察法第百九条の規定に基づき、日ごろから、精神障害者の社会復帰を支援するボランティア団体等の協力を得て、啓発活動を実施すること等を予定している。



経過へ | 質問本文(HTML)へ | 質問本文(PDF)へ | 答弁本文(PDF)へ
衆議院
〒100-0014 東京都千代田区永田町1-7-1
電話(代表)03-3581-5111
案内図

Copyright © Shugiin All Rights Reserved.