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答弁本文情報

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平成十七年七月二十六日受領
答弁第九八号

  内閣衆質一六二第九八号
  平成十七年七月二十六日
内閣総理大臣 小泉純一郎

       衆議院議長 河野洋平 殿

衆議院議員赤嶺政賢君提出公立小中学校施設の耐震化の促進に関する質問に対し、別紙答弁書を送付する。





衆議院議員赤嶺政賢君提出公立小中学校施設の耐震化の促進に関する質問に対する答弁書



一について

 公立の小学校及び中学校の施設(以下「公立小中学校施設」という。)は、児童生徒が一日のうち多くの時間を過ごす活動の場であるとともに、非常災害時には地域住民の応急避難場所としての役割も果たすことから、その耐震性の確保は、極めて重要であると考える。
 このため、公立小中学校施設の耐震関連予算の確保に努めてきたところである。また、本年三月の文部科学省の学校施設整備指針策定に関する調査研究協力者会議の報告書(以下「協力者会議報告書」という。)において、より早急かつ効率的に公立小中学校施設の耐震化を図るため、全面建て替え方式から工事費が安価で工期の短い改修方式への転換を図り、今後五年間で耐震化を重点的に実施すべきこと等を内容とする提言がなされたところである。今後は、この提言等も踏まえ、公立小中学校施設の耐震性の早急な確保に努めてまいりたい。

二について

 本年四月に文部科学省が実施した耐震改修状況調査(以下「耐震改修状況調査」という。)によれば、公立小中学校施設のうち、耐震性が確認されている建物の占める割合が五十一・八パーセントにとどまっている状況にあり、全国的に耐震化を図る必要があると考える。

三について

 お尋ねの各都道府県の公立小中学校施設の耐震改修状況については、耐震改修状況調査の結果を本年七月八日に公表したところであり、その内容は、現在、文部科学省のホームページにも掲載している。

四について

 お尋ねの耐震診断実施率と耐震化率に地域間の格差が生じている理由については、各公立小中学校施設の設置者において、大規模な地震が発生することに対する切迫性の認識に差があること等によって、耐震化の取組に差異があるためであると理解している。
 しかしながら、ある程度の規模の被害を伴う地震はどの地域においても起こる可能性があり、全国的に耐震化を図る必要があることから、耐震改修状況調査の結果の公表等による意識の啓発を含めて、設置者による耐震化の取組を支援してまいりたい。

五について

 各公立小中学校施設の建築年、保有面積等については把握しているが、お尋ねの区分に従って集計することは作業が膨大なものとなることから、お答えすることは困難である。

六について

 協力者会議報告書において、特に倒壊や大破の危険性が極めて高い建物から優先的に耐震補強等を図るべきであるとの提言がなされたところであり、この提言等も踏まえ、公立小中学校施設の耐震性の早急な確保に努めてまいりたい。

七について

 協力者会議報告書において、設置者の財政負担が大きい公立小中学校施設の整備については、国が必要な財源を安定的に保障すべきであるとの提言がなされているところであり、この提言等も踏まえ、耐震化を図るための方策を検討してまいりたい。

八について

 設置者が行う公立小中学校施設の改築又は耐震補強に係る事業については、義務教育諸学校施設費国庫負担法(昭和三十三年法律第八十一号)第三条第一項等により、これに要する経費が国庫負担又は国庫補助の対象とされている。また、地震防災上緊急に整備すべき木造以外の校舎の耐震補強に係る事業等については、地震防災対策特別措置法(平成七年法律第百十一号)第四条等により、国庫補助の割合を当該事業等に関する法令の規定にかかわらず二分の一にする等の特例措置が講じられている。

九について

 現行制度において、公立小中学校施設の耐震化に係る補助事業の実施年度の前々年度までに行った耐震診断の経費については、国庫補助の対象としている。また、地震防災対策特別措置法に基づく地震防災緊急事業五箇年計画等に計上されている事業に係る耐震診断の経費については、計画期間内であれば国庫補助の対象としている。

十について

 協力者会議報告書においては、公立小中学校施設の耐震化を図るため、地方公共団体の主体的判断による全面建て替え方式から改修方式への転換を促すよう財政支援の仕組みを改革すべきであるとの提言がなされているところである。また、平成十六年十一月二十六日に、政府・与党で合意し、取りまとめた「三位一体の改革について」においては、「公立文教施設等、建設国債対象経費である施設費の取扱い」について、平成十七年中に検討を行い、結論を得ることとされており、「公立文教施設費の取り扱いについては、義務教育のあり方等について平成十七年秋までに結論を出す中央教育審議会の審議結果を踏まえ、決定する。」とされている。これらを踏まえ、全国的に耐震化を推進する仕組みについて検討してまいりたい。
 また、学校施設の耐震化等に対する国等の財政支出は、一定の経済的効果をもたらすものと考える。

十一について

 一についてで述べたとおり、協力者会議報告書においては、より早急かつ効率的に公立小中学校施設の耐震化を図るため、全面建て替え方式から工事費が安価で工期の短い改修方式への転換を図るべきであるとの提言がなされているところであり、この提言等も踏まえ、全面建て替え方式から改修方式への転換を促し、耐震性を確保する方策を検討してまいりたい。



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