答弁本文情報
平成十八年二月七日受領答弁第二四号
内閣衆質一六四第二四号
平成十八年二月七日
内閣総理大臣 小泉純一郎
衆議院議長 河野洋平 殿
衆議院議員鈴木宗男君提出国家公務員の表現の自由に関する質問に対し、別紙答弁書を送付する。
衆議院議員鈴木宗男君提出国家公務員の表現の自由に関する質問に対する答弁書
一について
憲法第二十一条第一項は、「集会、結社及び言論、出版その他一切の表現の自由は、これを保障する。」と規定しているところ、同項にいう「表現の自由」とは、一般に、外部に向かってその思想、信条、主張、意思、感情などを表す一切の自由を意味するものと解している。
憲法二十一条第二項は、「検閲は、これをしてはならない。」と規定しているところ、昭和五十九年十二月十二日最高裁大法廷判決では、同項にいう「検閲」とは、「行政権が主体となつて、思想内容等の表現物を対象とし、その全部又は一部の発表の禁止を目的として、対象とされる一定の表現物につき網羅的一般的に、発表前にその内容を審査したうえ、不適当と認めるものの発表を禁止することを、その特質として備えるものを指す」とされている。
憲法第二十一条第二項の検閲の禁止は、公共の福祉を理由とする例外の許容をも認めない趣旨と解しており、国家公務員に対しても同様である。
憲法第二十一条第一項が保障する表現の自由は、民主主義国家の政治的基盤を成し、国民の基本的人権のうちでも取り分け重要なものであるが、国家公務員の表現の自由については、行政の中立的な運営とこれに対する国民の信頼を確保するため、政治的行為が制限されるなど、一定の制約があるものと考えられる。
具体的事情が明らかでないため、お尋ねについて、一概にお答えすることは困難である。国家公務員の表現の自由の制約については、四についてで述べたとおりである。