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平成十八年二月十日受領
答弁第三九号

  内閣衆質一六四第三九号
  平成十八年二月十日
内閣総理大臣 小泉純一郎

       衆議院議長 河野洋平 殿

衆議院議員滝実君提出耐震強度偽装事件の被害者への公的支援策に関する質問に対し、別紙答弁書を送付する。





衆議院議員滝実君提出耐震強度偽装事件の被害者への公的支援策に関する質問に対する答弁書



一について

 建築基準法(昭和二十五年法律第二百一号)は、建築物に関する最低の基準を定めており、すべての建築物は、同法の規定に適合する必要がある。このため、同法においては、建築主は、建築物を建築しようとする場合には、同法第六条第一項又は第六条の二第一項の確認(以下「建築確認」という。)を受けなければならないこととされており、建築主に建築物の安全を確保する第一義的な義務を課しているところである。また、建築士については、建築士法(昭和二十五年法律第二百二号)第十八条第二項の規定により、設計を行う場合においては、これを法令又は条例の定める建築物に関する基準に適合するようにしなければならず、工事施工者については、建築基準法第五条の四第一項の規定により、建築士の設計によらなければ、建築士法第三条から第三条の三までに規定する建築物の工事をすることができないこととされている。
 一方、建築確認を行う建築主事(建築基準法第四条第一項に規定する建築主事をいう。以下同じ。)又は指定確認検査機関(同法第七十七条の二十一第一項に規定する指定確認検査機関をいう。以下同じ。)は、建築主に課されている第一義的な義務の的確な履行を確保する観点から、建築主からの申請に基づき当該申請に係る建築物の計画が建築基準関係規定(同法第六条第一項に規定する建築基準関係規定をいう。以下同じ。)に適合するものであることを確認しているものである。

二について

 今回の構造計算書の偽装問題(以下「偽装問題」という。)に係る危険な分譲マンションの居住者等について、その安全と居住の安定を確保することは、緊急に取り組むべき最優先の課題である。また、今回の偽装問題には、建築確認に係る審査という公の事務において、結果として構造計算書の偽装が発見されるに至らなかったという特別な事情がある。こうしたことから、当該マンションの売主である建築主が契約上の瑕疵担保責任を誠実に履行する見通しが全く立っていない現状では、売主である建築主に対して徹底した責任の追及を行うことを前提として、類似の財政措置との均衡にも配慮した上で、当該居住者に対する公的な支援を行う必要があると考えている。

三について

 一についてで述べたとおり、建築主は、建築物の安全を確保する第一義的な義務を負っており、一方、建築確認を行う建築主事又は指定確認検査機関は、建築主に課されている第一義的な義務の的確な履行を確保する観点から、建築主からの申請に基づき当該申請に係る建築物の計画が建築基準関係規定に適合するものであることを確認しているものである。今回の偽装問題は、建築主からの委託等に基づき設計を行った者又は建築主から委託等を受けた設計者若しくは工事施工者からの委託等に基づき設計を行った者が故意に構造計算書を偽装したものであり、建築主の責任は重いものと考えている。
 今回、公的な支援を行うこととした理由は、二についてで述べたとおりであり、「建築主、設計者、工事施工者が負う自己責任を「官」が肩代わりする」ものではない。
 指定確認検査機関が行った建築確認について、お尋ねの「官」が責任を負うか否かについては、偽装問題の全容が解明された後で、最終的には司法の場において個別具体の事実関係に即して判断されるものと考える。

四について

 今回の公的な支援は、地域における多様な需要に応じた公的賃貸住宅等の整備等に関する特別措置法(平成十七年法律第七十九号)に基づく地域住宅交付金を活用して行うものである。偽装問題に係る危険な分譲マンションの居住者等の安全と居住の安定を早急に確保することについて、国と関係地方公共団体との間で認識の相違はないものと考えており、今後とも、関係地方公共団体と十分に連携を図りながら取り組んでまいりたい。



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