答弁本文情報
平成十八年四月四日受領答弁第一八三号
内閣衆質一六四第一八三号
平成十八年四月四日
衆議院議長 河野洋平 殿
衆議院議員菅直人君提出戦没者遺骨収集に関する質問に対し、別紙答弁書を送付する。
衆議院議員菅直人君提出戦没者遺骨収集に関する質問に対する答弁書
一の1及び2について
厚生労働省においては、昭和二十七年六月十六日の衆議院海外同胞引揚及び遺家族援護に関する調査特別委員会における海外諸地域等に残存する戦没者遺骨の収集及び送還等に関する決議を踏まえるとともに、厚生労働省設置法(平成十一年法律第九十七号)及び「米国管理地域における戦没者の遺骨の送還慰霊等に関する件」(昭和二十七年十月二十三日閣議了解)(以下「閣議了解等」という。)に基づき、戦没者の遺骨収集を行ってきており、これまでに約三十一万柱の戦没者の遺骨を収集してきたところである。
厚生労働省においては、従来の戦没者の遺骨収集の取組に加えて、平成十八年度からは、新たにいわゆる南方地域について民間団体等の協力を得て派遣団を編成する等により、海外からいまだ送還されていない戦没者の遺骨の集中的な情報収集事業を実施するなど、戦没者の遺骨収集に積極的に取り組むこととしているところである。
一の1及び2についてでお答えしたとおり、厚生労働省においては、社会・援護局援護企画課外事室を中心に閣議了解等に基づいて戦没者の遺骨の収集及び送還等を行ってきているところであり、戦没者の遺骨収集に関する法案については、現時点では検討していない。
お尋ねは、新たに法律が制定されるとの仮定に基づくものであり、答弁を差し控えたい。
いわゆる南方地域からいまだ送還されていない戦没者の遺骨の情報収集事業については、厚生労働省においては、戦後既に長い時間が経過し、戦没者の遺骨に係る情報が減少してきており、できるだけ早期かつ集中的に情報収集を行う必要があることから、おおむね三年間をかけて民間団体等の協力を得ながら実施することとした。その後の情報収集についてはその実施状況等を踏まえつつ、改めて検討したいと考えている。
自衛隊においても、厚生労働省の協力依頼に基づき、任務遂行に支障を生じない範囲で、硫黄島及び沖縄における戦没者の遺骨収集について、輸送事業の受託のほか、戦没者の遺骨収集に伴い発見される不発弾の処理等の協力を実施しているところである。
戦没者の遺骨と不発弾が共にあった場合であっても、不発弾処理の専門家に不発弾除去を依頼するなどにより、可能な限り戦没者の遺骨収集を行っているところである。