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平成十九年十月五日受領
答弁第六三号

  内閣衆質一六八第六三号
  平成十九年十月五日
内閣総理大臣 福田康夫

       衆議院議長 河野洋平 殿

衆議院議員辻元清美君提出「特定放射性廃棄物の最終処分に関する法律」の改正等に関する質問に対し、別紙答弁書を送付する。





衆議院議員辻元清美君提出「特定放射性廃棄物の最終処分に関する法律」の改正等に関する質問に対する答弁書



一について

 特定放射性廃棄物の最終処分に関する法律等の一部を改正する法律(平成十九年法律第八十四号。以下「改正法」という。)による改正後の核原料物質、核燃料物質及び原子炉の規制に関する法律(昭和三十二年法律第百六十六号)第五十一条の二第一項第一号に規定する第一種廃棄物埋設を行う必要がある放射性廃棄物(核燃料物質又は核燃料物質によって汚染された物)については、放射能濃度が高く、当該放射性廃棄物中に含まれる放射性物質の人体に及ぼす影響が大きいことから、「人の健康に重大な影響を及ぼすおそれがあるもの」と規定している。
 また、改正法による改正後の特定放射性廃棄物の最終処分に関する法律(平成十二年法律第百十七号。以下「最終処分法」という。)第二条第九項に規定する第二種特定放射性廃棄物については、放射能の減衰に長期間を要するという性質を有するため、「長期間にわたり環境に影響を及ぼすおそれがあるもの」と規定している。

二について

 御指摘の「未だ不確定な点が多い」の意味が必ずしも明らかではないが、改正法は、我が国核燃料サイクルの確立のため、特定放射性廃棄物の最終処分費用の手当を行う仕組みの整備等、最終処分を計画的かつ確実に実施させるための措置等を講じることを目的とした法律である。今後、使用済燃料の再処理等に伴い、使用済燃料等により汚染される物の発生が本格化することが見込まれており、早急に当該措置等を講じる必要があることから、これを第百六十六回国会に提出したものであり、「性急にすぎる」との御指摘は当たらないものと考えている。

三について

 平成十八年四月に原子力委員会長半減期低発熱放射性廃棄物処分技術検討会がとりまとめた「長半減期低発熱放射性廃棄物の地層処分の基本的考え方」においては、「併置処分方式は技術的に成立すると判断する」と結論づけられており、「性急にすぎる」との御指摘は当たらないものと考えている。

四について

 代替取得の対象には、国内の発電用原子炉設置者が、その発電用原子炉の運転に伴って生じた使用済燃料の国外における使用済燃料の再処理又は特定加工に伴い使用済燃料等によって汚染される物が含まれている。
 なお、後段のお尋ねについては、御指摘の「従来の説明」の意味が必ずしも明らかではないため、お答えすることは困難である。

五について

 政府としては、英国の再処理事業者が、代替取得の実施に伴う手数料として、再処理を委託した者に金銭の支払を求めることを検討していると電気事業者から聞いている。
 なお、当該支払は民間企業の私的な行為であり、その正当性について、政府としてお答えする立場にない。

六について

 改正法による改正後の最終処分法第五十六条第二項第一号に規定する「最終処分と同一の処分」の対象には、核燃料物質又は核燃料物質によって汚染された物を固型化し、又は容器に封入した物であって、第一種特定放射性廃棄物又は第二種特定放射性廃棄物と同一の方法による処分が可能であるものが該当する。
 一方、改正法による改正前の当該対象は、改正前の最終処分法における特定放射性廃棄物と同一の方法による処分が可能である放射性廃棄物(原子力基本法(昭和三十年法律第百八十六号)第三条第四号に掲げる原子炉であって発電用原子炉以外のものの運転に伴って生じた使用済燃料の再処理後に残存する物を固型化したもの)に限定されている。

七について

 お尋ねの実績について調査を行うことは、作業が膨大なものとなることから、お答えすることは困難である。

八について

 最終処分法に基づく概要調査地区等の選定や最終処分の実施を円滑に実現していくためには、関係住民及び国民の理解と協力を得ることが重要であるが、その理解を得るための活動が十分であるか否かについては、活動に要した費用の多寡によって決まるものではないと考えている。

九について

 御指摘の説明が行われたことは事実であるが、お尋ねの具体的な件数や報告は、これを公にすることにより、地方公共団体における率直な意見の交換又は意思決定の中立性が不当に損なわれるおそれ等があることから、お答えすることは差し控えたい。

十について

 御指摘の「文献調査に対する交付金」については、電源立地地域対策交付金の今年度予算額千五十四億円の内数として、一件、十億円を見込んでいる。また、当該予算を翌年度に繰り越して使用することについては、事業実施の状況に応じて判断されるべき問題であり、現時点でお答えすることは困難である。

十一について

 原子力発電環境整備機構(以下「機構」という。)は、最終処分法第六十四条に基づき作成された今年度予算において、文献調査に係る費用(概要調査地区選定に必要な技術的検討に係る費用を含む。以下同じ。)として、八億二千五百万円を計上している。なお、機構は三地区分の費用を見積もっていると承知している。
 また、特定放射性廃棄物の最終処分に関する法律第十一条第三項の単位数量当たりの最終処分業務に必要な金額を定める省令(平成十二年通商産業省令第三百九十八号)を本年一月に一部改正するに当たっては、文献調査に係る費用を一地区当たり約三十五億円として、概要調査に係る費用(精密調査地区選定に必要な技術的検討に係る費用を含む。)を一地区当たり約百八十六億円として計算している。

十二について

 文献調査に際し交付される交付金は、最終処分施設の設置が見込まれる地域における住民の生活の利便性の向上及び産業の振興に寄与する事業を促進するために交付されるものであり、「地域住民の福祉の向上を図り、もって発電用施設の設置及び運転の円滑化に資すること」という発電用施設周辺地域整備法(昭和四十九年法律第七十八号)の目的とも整合的であることから、「趣旨が違うのではないか」との御指摘は当たらないものと考えている。

十三について

 御指摘の「報告書中間とりまとめ(案)」については、現在パブリックコメントが実施されているところであり、最終的なものではないことから、当該「報告書中間とりまとめ(案)」の内容を前提として、お答えすることは差し控えたい。なお、経済産業省としては、文献調査の実施の申入れを経済産業省設置法(平成十一年法律第九十九号)第四条第一項第五十五号に定められている「エネルギーに関する原子力政策に関すること」という所掌事務の一環として行うことは可能であると考えている。



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