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平成二十年二月十二日受領
答弁第四九号

  内閣衆質一六九第四九号
  平成二十年二月十二日
内閣総理大臣 福田康夫

       衆議院議長 河野洋平 殿

衆議院議員鈴木宗男君提出死刑制度を取り巻く国際的趨勢と死刑制度に対する政府の認識に関する質問に対し、別紙答弁書を送付する。





衆議院議員鈴木宗男君提出死刑制度を取り巻く国際的趨勢と死刑制度に対する政府の認識に関する質問に対する答弁書



一について

 法務大臣は、常に法務省の関係部局に関係記録の内容を十分に精査させた上で、刑の執行停止、再審又は非常上告の事由の有無、恩赦を相当とする情状の有無等につき、慎重に検討し、これらの事由等がないと認めた場合に、死刑執行命令を発しているところであり、御指摘の本年二月一日の執行についても、同様の精査・検討を経て、これらの事由等がないと認め、死刑執行命令を発したものである。

二について

 死刑の存廃の問題は、国民世論に十分配慮しつつ、社会における正義の実現等種々の観点から慎重に検討すべき問題であるところ、国民世論の多数が極めて悪質、凶悪な犯罪については死刑もやむを得ないと考えており、多数の者に対する殺人、誘拐殺人等の凶悪犯罪がいまだ後を絶たない状況等にかんがみると、その罪責が著しく重大な凶悪犯罪を犯した者に対しては、死刑を科することもやむを得ないと考えていること等を理由として、第六十二回国際連合総会において死刑に係る決議が採択されるに当たり、我が国は反対票を投じた。

三及び四について

 死刑の犯罪抑止力を科学的、統計的に証明することは困難であるものの、一般に死刑を含む刑罰は犯罪に対する抑止力を有するものと認識されており、また、昭和四十二年六月から平成元年六月までの間に、三回にわたり実施した総理府世論調査において、「死刑という刑罰をなくしてしまうと悪質な犯罪が増えると思うか、別に増えるとは思わないか」という質問に対し、「増えると思う」という回答が常に過半数を占めていたこと、平成六年九月及び平成十一年九月に実施した総理府世論調査並びに平成十六年十二月に実施した内閣府世論調査においても、「死刑がなくなった場合、凶悪な犯罪が増えるという意見と増えないという意見があるがどのように考えるか」との質問に対し、「増える」と回答したものが過半数を占めていたこと等から、死刑が犯罪に対する抑止力を有することは、広く認識されていると考えられる。さらに、死刑制度の存在が長期的に見た場合の国民の規範意識の維持に有用であることは否定し難く、死刑制度は、凶悪犯罪の抑止のために一定の効果を有しているものと理解している。

五について

 衆議院議員鈴木宗男君提出死刑制度を取り巻く状況と死刑制度に対する政府の認識に関する質問に対する答弁書(平成十九年十月二十三日内閣衆質一六八第一一九号)四についてでお答えしたとおり、死刑の存廃の問題については、諸外国における動向等も参考にする必要があるものの、基本的には、各国において、当該国の国民感情、犯罪情勢、刑事政策の在り方等を踏まえて慎重に検討し、独自に決定すべきものであり、この問題をめぐって、国民の間で多角的観点からの冷静な議論が行われることは望ましいものと考えているが、国民世論の多数が極めて悪質、凶悪な犯罪については死刑もやむを得ないと考えており、多数の者に対する殺人、誘拐殺人等の凶悪犯罪がいまだ後を絶たない状況等にかんがみると、その罪責が著しく重大な凶悪犯罪を犯した者に対しては、死刑を科することもやむを得ず、死刑を廃止することは適当でないと考えている。



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