衆議院

メインへスキップ



答弁本文情報

経過へ | 質問本文(HTML)へ | 質問本文(PDF)へ | 答弁本文(PDF)へ
平成二十年二月十九日受領
答弁第五五号

  内閣衆質一六九第五五号
  平成二十年二月十九日
内閣総理大臣 福田康夫

       衆議院議長 河野洋平 殿

衆議院議員前原誠司君提出国際海上コンテナの陸上輸送における安全対策に関する質問に対し、別紙答弁書を送付する。





衆議院議員前原誠司君提出国際海上コンテナの陸上輸送における安全対策に関する質問に対する答弁書



一及び二について

 平成十七年十二月二十八日付けで取りまとめられた「国際海上コンテナの陸上における安全輸送ガイドライン」(以下「ガイドライン」という。)は、国際海上コンテナの陸上輸送における安全確保については、トラック事業者、荷主、船社、海貨事業者及びターミナルオペレーターのそれぞれの事業者(以下「関係事業者」という。)がコンテナ内における貨物の積付け状況等の情報を共有し、連携して取り組むための具体的な指針等の策定が必要であるとの考えから、トラック事業者、荷主、船社、海貨事業者及びターミナルオペレーターの関係団体を中心として構成された「国際海上コンテナの陸上における安全輸送ワーキンググループ」において、関係事業者が取り組むことが可能な具体的措置について検討を行い、これらの措置とともに遵守が必要な法令等の規定も併せて取りまとめ、策定したものであり、ガイドライン自体には法的な強制力がなくとも、ガイドラインの内容について周知徹底を図ることにより、ガイドラインに規定されている個々の取組が関係事業者によって実施され、国際海上コンテナの陸上における安全輸送を確保することができると考えている。
 このため、これまで国土交通省の関東運輸局、中部運輸局及び近畿運輸局管内の先に掲げた関係団体及び当該団体に所属する事業者に対してガイドラインについての説明会を実施してきたところであるが、引き続き、各地方運輸局において説明会を実施し、より多くの関係事業者に対しその内容の周知徹底を図るとともに、ガイドラインの周知徹底の状況や取組状況に関する実態調査を実施し、その結果を踏まえつつ、更なる対応策の必要性の有無を検討してまいりたい。

三及び六について

 国際海上コンテナの陸上における安全輸送の確保については、既に現行の国内法規により規制されているところであるが、関係法令の遵守を徹底し、輸送の安全性を一層高める観点から、関係事業者が取り組むことが可能な具体的措置とともに遵守が必要な法令等の規定も併せて取りまとめたガイドラインを策定したところであり、この実効性を高めるためには、関係事業者にガイドラインを周知徹底させることが重要であると考えている。
 国際海上コンテナの陸上における安全輸送を確保するため、今後とも、ガイドラインについての説明会を実施し、より多くの関係事業者に対しその内容の周知徹底を図るとともに、ガイドラインの周知徹底の状況や取組状況に関する実態調査を実施し、その結果を踏まえつつ、更なる対応策の必要性の有無を検討してまいりたい。

四について

 国際海上コンテナの偏荷重、過積載等を防止するためには、関係事業者による関係法令の遵守の徹底を図ることが重要であることから、ガイドラインにおいては、コンテナターミナルにおいて、ターミナルオペレーターが国際海上コンテナの偏荷重、過積載等を把握した場合には、関係法令に抵触しないようにするために必要な措置が講じられるよう、この情報を船社、トラック事業者等に伝達することとされており、今後とも、ガイドラインについての説明会を実施し、より多くの関係事業者に対しその内容の周知徹底を図るとともに、ガイドラインの周知徹底の状況や取組状況に関する実態調査を実施し、その結果を踏まえつつ、更なる対応策の必要性の有無を検討してまいりたい。
 また、国際海上コンテナの偏荷重、過積載等をより的確に把握できるようにするため、コンテナターミナルにおける偏載監視施設の整備を推進するための支援制度を設けているところであり、その周知を図り活用を促進してまいりたい。

五について

 荷主からトラック事業者に安全輸送のための情報が伝達されることは、国際海上コンテナの陸上における安全輸送を確保するため有益なものと考えている。ガイドラインにおいては、荷主の取組として、「国際海上コンテナの陸上輸送をトラック事業者へ直接依頼する場合は、コンテナ重量、荷姿及びコンテナ内容物の品名をトラック事業者に伝えるとともに、トラック事業者から問合せがあった場合には、当該情報について、もれなく速やかに回答すること。」等とされており、荷主に対して、ガイドラインの内容の周知徹底を図るとともに、その周知徹底の状況や取組状況に関する実態調査を実施し、その結果を踏まえつつ、更なる対応策の必要性の有無を検討してまいりたい。

七について

 安全上必要な措置を講じた車軸が二軸ある、被けん引自動車(以下「トレーラ」という。)に、最大積載したISO規格(国際標準化機構の定める規格をいう。以下同じ。)の二十フィートの国際海上コンテナを積載して通行することを認める経過措置については、トラック事業者による車両の更新時期に合わせた計画的な買換えがなされることにより、事業者の負担が軽減されるよう、関係団体からの要望を踏まえ、十年間の期限を設けて講じていることから、また、平成二十年四月に向けて既にISO規格である国際海上コンテナの最大積載に対応したトレーラを準備している事業者との公平の観点から、国土交通省としては、十年間の経過措置を更に延長することは考えていないところであるが、経過措置終了後も物流に大きな支障が生じないよう、引き続き、トラック事業者のISO規格の国際海上コンテナに対応したトレーラへの買換えの促進や、輸送効率の向上について社団法人全日本トラック協会に対し適切に指導してまいりたい。
 また、トラック事業者を含め関係者により法令が遵守されるよう、都道府県、都道府県警察、地方運輸支局等からなる過積載防止対策連絡会議(以下「連絡会議」という。)の活用や、荷主を含む関係者に対してのガイドラインの内容の周知徹底を図ってまいりたい。法令違反を行うトラック事業者に対しては、法令違反に係る行政処分を厳正に行うとともに、荷主等に対しては、貨物自動車運送事業法(平成元年法律第八十三号)第六十四条の荷主への勧告等によって適切に対処していく所存である。

八について

 連絡会議は、昭和五十八年四月の参議院運輸委員会における「貨物自動車に係る道路運送秩序の確立に関する決議」にかんがみ、貨物自動車の過積載の防止を図ることを目的として、各都道府県単位で設置されているものであり、都道府県、都道府県警察、地方運輸支局等を構成員として、昭和五十九年より開催されている。荷主については、一部の地域の連絡会議において、農業協同組合連合会等の荷主団体が構成員となっているところがある。また、荷主を所管する立場から地方経済産業局又は地方農政局が構成員となっている連絡会議もある。
 各連絡会議では、国際海上コンテナを積載したトレーラを含む貨物自動車の過積載防止策について、関係者による取組状況等の情報交換及び連絡調整を行っているところであり、例えば、大阪府に設置されている過積載防止対策懇談会においては、平成十九年十月三十一日に、国際海上コンテナを積載したトレーラを含む特殊車両(車両の大きさ、重量等が、道路法(昭和二十七年法律第百八十号)第四十七条第一項に規定する最高限度を超え、かつ、同法第四十七条の二第一項に規定する車両の構造又は積載する貨物が特殊な車両をいう。以下同じ。)の取締状況の意見交換が行われている。
 また、荷主に対しては、ガイドラインにおいて、荷主の取組として、「国際海上コンテナの陸上輸送をトラック事業者へ直接依頼する場合は、コンテナ重量、荷姿及びコンテナ内容物の品名をトラック事業者に伝えるとともに、トラック事業者から問合せがあった場合には、当該情報について、もれなく速やかに回答すること。」等とされており、今後とも、ガイドラインについての説明会を実施するほか、その内容の周知徹底を図るとともに、ガイドラインの周知徹底の状況や取組状況に関する実態調査を実施し、その結果を踏まえつつ、更なる対応策の必要性の有無を検討してまいりたい。

九について

 御指摘の「走行不可能」が何を意味するのか必ずしも明らかではないが、道路法第四十七条第二項又は第三項の規定により、車両の大きさ、重量等が最高限度を超えるため、道路の通行が禁止又は制限されることを指すのであれば、これらの規定により通行が禁止又は制限される車両であっても、個々の車両について、個々の道路に関する同法第四十七条の二第一項の許可(以下「特殊車両通行許可」という。)を、それぞれの道路管理者から受けることにより、通行ができることとされているところであり、道路における個々の車両の通行の可否については、網羅的に把握していない。
 荷主に対する道路事情の周知については、国土交通省において、高速自動車国道、一般国道及び都道府県道等の特殊車両の通行が予測される道路に関する情報を収録した道路情報便覧を作成し、毎年度、道路の供用や改良等を踏まえてその更新を行い、広く配布しているところである。
 また、ガイドラインにおいては、「過積載とならない発注」等の荷主の取組が盛り込まれており、荷主に対して、ガイドラインの内容の周知徹底を図るとともに、その周知徹底の状況や取組状況に関する実態調査を実施し、その結果を踏まえつつ、更なる対応策の必要性の有無を検討してまいりたい。
 御指摘の「ISOフル積載通行道路について、指定道路通行方法に緩和すること」が何を意味するのか必ずしも明らかではないが、現状において、最大積載したISO規格の国際海上コンテナを積載した車両(以下「国際海上コンテナ車両」という。)が特殊車両通行許可を受けて通行している道路を道路管理者がすべて指定して、指定した道路に関して国際海上コンテナ車両の特殊車両通行許可を不要とすることを指すのであれば、国際海上コンテナ車両については、総重量及び長さが、車両制限令(昭和三十六年政令第二百六十五号)第三条第一項第二号イ及び第四号に規定する最高限度を超えるものであり、個々の道路に関して道路の構造の保全及び交通の危険の防止上必要な条件を付して通行を許可しているところであることから、このような方法を採ることは困難である。



経過へ | 質問本文(HTML)へ | 質問本文(PDF)へ | 答弁本文(PDF)へ
衆議院
〒100-0014 東京都千代田区永田町1-7-1
電話(代表)03-3581-5111
案内図

Copyright © Shugiin All Rights Reserved.