衆議院

メインへスキップ



答弁本文情報

経過へ | 質問本文(HTML)へ | 質問本文(PDF)へ | 答弁本文(PDF)へ
平成二十年二月二十九日受領
答弁第一〇〇号

  内閣衆質一六九第一〇〇号
  平成二十年二月二十九日
内閣総理大臣 福田康夫

       衆議院議長 河野洋平 殿

衆議院議員松木謙公君提出サロベツ川流域など水害補償施策に関する質問に対し、別紙答弁書を送付する。





衆議院議員松木謙公君提出サロベツ川流域など水害補償施策に関する質問に対する答弁書



一の1について

 遊水地の設置に伴い、遊水地内において農地に対する地役権の設定や住宅等の移転補償を行っている例はあるが、これらは御指摘の「水害による営農の困難性を解決するため」に行っているものではない。
 遊水地の設置に伴い農地に対する地役権の設定を行っているのは、確認した限りにおいては、現在まで全国で八か所あり、北海道留萌市における大和田遊水地、北海道稚内市における大沼遊水地、宮城県栗原市、大崎市及び登米市における蕪栗沼遊水地、山形県村山市及び河北町における大久保遊水地、茨城県筑西市における母子島遊水地、新潟県見附市における刈谷田川遊水地、三重県伊賀市における上野遊水地及び佐賀県多久市における牟田辺遊水地である。

一の2について

 御指摘の地区については、農用地の湛水等の被害が発生していることを受け、地元の要請に基づき行った調査により、当該被害の規模、原因について把握したところであり、同地区を含む豊富町内における当該被害の原因については、泥炭土の特質に起因する地盤沈下による農用地及び農業用排水路の排水機能の低下であると認識している。
 なお、直轄明渠排水事業兜沼地区の導水路については、当該調査の結果、排水機能が確保されていることを確認している。

一の3について

 サロベツ川流域においては、国営総合農地開発事業の実施に起因して洪水被害が発生しているのではなく、泥炭土の特質に起因する地盤沈下により農用地及び農業用排水路の排水機能が低下し、堪水等の被害が発生していることを受け、その被害実態等の調査を行ったものであり、当該調査の結果を踏まえて排水施設の改修等を内容とする土地改良事業の申請に基づく手続が行われているところである。
 また、お尋ねの農用地及び農業用排水路の機能が低下した理由については、一の2についてにおいてお答えしたとおり、泥炭土の特質に起因する地盤沈下であると認識している。

二の1について

 昨年三月の要望のうち、被害農家の移転に対する補償措置に係る要望及び農地防災事業に係る要望については、その具体的な内容が必ずしも明らかではないが、当該地域において農用地及び農業用排水路の排水機能が低下し、湛水等の被害が発生していたことを受け、要望書の提出があった昨年三月の時点以前から、国においてその被害実態等の調査を行っていたところであり、当該調査の結果を踏まえ、現在、排水施設の改修等を内容とする土地改良事業の申請に基づく手続が行われているところである。また、その他の要望については、具体的な対応について検討を行ったところ、その結果については、二の2及び3について、二の4について及び衆議院議員松木謙公君提出サロベツ川流域など農地の水害補償施策に関する質問に対する答弁書(平成十九年十二月十一日内閣衆質一六八第二八三号)三についてにおいてお答えしているところである。

二の2及び3について

 サロベツ湿原周辺が含まれる北海道稚内市並びに天塩郡豊富町及び幌延町については、いずれもその全域が過疎地域自立促進特別措置法(平成十二年法律第十五号)第二条第二項の規定により公示された地域であり、中山間地域等直接支払交付金実施要領(平成十二年四月一日付け十二構改B第三十八号農林水産事務次官依命通知)に基づき、これらの地域における農地のうち、急傾斜地や草地比率が高いこと等の基準を満たすものについては、現在、中山間地域等直接支払交付金の交付の対象となっているところであり、このほか、地域の特性を考慮して北海道知事が客観的かつ合理的な基準を定めた場合には、当該基準に該当する農地については、中山間地域等直接支払交付金実施要領に基づく別の単価が適用されることもあり得る。

二の4について

 湿地周辺農地で環境保全型農業に取り組む農家に対する支援については、地域の環境面での課題に対応し、地域でまとまって化学肥料及び化学合成農薬の使用を大幅に低減する等の先進的な営農活動を対象とする農地・水・環境保全向上対策、一定基準以上の飼料作物の作付地の面積を有し、化学肥料を使用しない飼料作物の栽培等の環境保全等に取り組む酪農経営を対象とする酪農飼料基盤拡大推進事業等を実施しているところであり、湿地周辺農地でこれらの事業に取り組むことにより、湿地の水質保全等環境の保全が図られるものと考えている。
 欧米の農業環境政策については、農林水産省としてもその調査・研究に努めているところであり、自然条件、地理条件等に応じて各国の農業事情に即した多様な制度が存在しているものと承知している。我が国においては、環境保全型農業をはじめとした我が国の農業事情に即した農業環境政策を推進することが重要であると考えている。



経過へ | 質問本文(HTML)へ | 質問本文(PDF)へ | 答弁本文(PDF)へ
衆議院
〒100-0014 東京都千代田区永田町1-7-1
電話(代表)03-3581-5111
案内図

Copyright © Shugiin All Rights Reserved.