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答弁本文情報

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平成二十年五月二十日受領
答弁第三七一号

  内閣衆質一六九第三七一号
  平成二十年五月二十日
内閣総理大臣 福田康夫

       衆議院議長 河野洋平 殿

衆議院議員平岡秀夫君提出「岩国・大竹道路」に関する質問に対し、別紙答弁書を送付する。





衆議院議員平岡秀夫君提出「岩国・大竹道路」に関する質問に対する答弁書



1の@について

 岩国・大竹道路は、広島県大竹市小方一丁目から山口県岩国市山手町に至る延長九・八キロメートルの道路であり、広島県内の区間は平成十二年八月に、山口県内の区間は同年九月に、それぞれ都市計画決定されている。全体事業費については、約千三百三十億円を見込んでおり、国土交通省が平成十三年度より事業を施行しているところである。また、供用時期については、現在用地買収を行っているところであり、明確にお答えできる段階にはない。

1のAについて

 御指摘の「団地」とは、室の木台団地(以下「本件団地」という。)のことを指すものと考えられるが、本件団地付近の岩国・大竹道路のルートについては、経済性、利便性、地形、周辺の土地利用、環境に与える影響等を総合的に勘案した上で都市計画決定の手続を経て決定されたものであることから、現行計画に基づいて事業を施行すべきものと考えている。

1のB及びCについて

 御指摘の「トンネル」とは、山手トンネル(以下「本件トンネル」という。)のことを指すものと考えられるが、本件トンネルについては、室の木インターチェンジ(仮称)から山手インターチェンジ(仮称)の区間の道路の設計に際し、インターチェンジの位置、交差する道路との位置関係、建設費、施工方法等を総合的に勘案して道路の位置を検討した結果、現行計画の深さのトンネル構造とすることが最適と判断したものであり、また、当該区間にトンネルを設置することについては、都市計画決定の手続を経て決定されており、それ以外の構造とすることは想定していない。

1のDについて

 岩国・大竹道路は、国道二号等の交通渋滞の緩和、広島市から岩国市に至る広域的な都市間の連携や交流の促進等を目的に、都市計画決定等の手続を経て事業に着手し、現在、用地買収を行っているものであり、工事の中止は考えていない。

1のEについて

 大竹市から岩国市間の一般国道二号及び百八十八号における交通渋滞の緩和と広域的な都市間ネットワークの形成のためには、岩国・大竹道路の整備が必要であると考えている。
 なお、山陽自動車道等の高速道路(高速道路株式会社法(平成十六年法律第九十九号)第二条第二項に規定する高速道路をいう。以下同じ。)については、四十五年以内の承継債務等の返済(独立行政法人日本高速道路保有・債務返済機構法(平成十六年法律第百号)第十四条第四項第三号に規定する承継債務等の返済をいう。)等を勘案し、料金(道路整備特別措置法(昭和三十一年法律第七号)第二条第五項に規定する料金をいう。)を決定することとしており、御提案のように既設の高速道路の区間を即時無料化することは困難であると考えている。

1のFについて

 御指摘の主要地方道岩国大竹線「関関バイパス」は、急カーブ等の隘路の解消を目的とする事業であり、道路構造令(昭和四十五年政令第三百二十号)に定める構造規格は第三種第三級、幅員八メートルで車線数は往復二車線と広域的な幹線道路としては構造規格は低く、また、仮にこれと主要地方道藤生停車場錦帯橋線「平田バイパス」を接続して岩国市から大竹市間の一般国道二号のバイパスとして整備するとしても、その延長は現国道の一・五倍程度となることが想定され、迂回距離が長くなることから、岩国・大竹道路と同等の渋滞緩和効果は得られないと考えられる。

2の@及びFについて

 岩国・大竹道路の環境影響評価(以下「本件環境影響評価」という)は、環境影響評価法(平成九年法律第八十一号)に基づき実施され、広島県内の区間は平成十二年八月に、山口県内の区間は同年九月に、それぞれ環境影響評価書の公告が行われたものである。本件環境影響評価においては、工事中の騒音及び振動は評価項目とされていないが、工事の実施に際しては、騒音及び振動の少ない工法の採用を検討するとともに、騒音計や振動計の設置等を行い、工事による影響のモニタリングを行う予定である。
 なお、道路の供用後の自動車の走行に伴う騒音・振動については、本件環境影響評価において予測及び評価を実施しており、遮音壁の設置等必要な環境保全対策を実施することにより、環境基本法(平成五年法律第九十一号)第十六条第一項の規定による騒音の環境基準及び振動規制法施行規則(昭和五十一年総理府令第五十八号)第十二条の規定による道路交通振動に係る限度に基づく環境保全目標を達成できると評価している。

2のAについて

 工事の実施に際しては、水道管理者及びガス管理者と安全性について協議した上で、水道管及びガス管への影響が生じないよう留意し、施工することとしている。

2のBについて

 本件環境影響評価においては、大気汚染について、本件トンネルの坑口付近となる岩国市室の木町三丁目及び山手町三丁目を対象に予測及び評価を行っており、いずれの地点においても環境基本法第十六条第一項の規定による環境基準に基づく環境保全目標を達成できると評価している。本件団地においては、坑口付近に比較して排気ガスによる大気質への影響は小さいと考えられることから、当該環境保全目標を達成できると考えている。

2のCについて

 本件トンネル部の周辺において確認している地質が花崗岩であり、四十メートル以上の土被りが確保されることから、現在、本件トンネルが計画されている区間については、トンネル以外の構造とすることは考えていない。

2のDについて

 一般に、トンネルの設置が地震時に周辺の家屋等が損傷する危険性に影響を及ぼすことはほとんどなく、我が国において過去に発生した地震においても、トンネルが崩落するなどによって周辺地域に被害が発生したことはないと認識している。

2のEについて

 本件環境影響評価においては、山口県岩国市室の木町三丁目、同市山手町三丁目、同県和木町関ヶ浜、広島県大竹市小方、同市御園及び同市元町の六地域を対象に騒音の予測及び評価を行っており、このうち、山口県岩国市内の二地域では環境基本法第十六条第一項の規定による環境基準に基づく環境保全目標を達成できると評価しており、また、これ以外の四地域においては、遮音壁の設置等の環境保全措置を実施することにより環境保全目標が達成できると評価している。

2のGについて

 お尋ねのトンネルの完成前と後の交通量の変化の測定については、一般的に道路の整備効果等の計測のため、開通日の前後において交通量の観測を行うこととしている。また、二酸化炭素の測定については、岩国・大竹道路の整備により交通状況が変化すると考えられるすべての道路における自動車の走行に伴う二酸化炭素の排出量を直接測定することは困難であり、岩国・大竹道路の開通前後における二酸化炭素の測定を行うことは考えていない。

3の@について

 公共事業の施行中又は施行後における損害に対する賠償については、「公共用地の取得に伴う損失補償基準要綱の施行について」(昭和三十七年六月二十九日閣議了解。以下「閣議了解」という。)に従って実施しているが、地価の変動については、賠償の対象とはしていない。

3のA及びBについて

 事業の施行により御指摘のような損害が発生し、又は損害の発生が確実に予見される場合において、その損害が社会生活上受忍すべき範囲を超えるものであるときには、閣議了解に従い、その損害に対する賠償を行っているところである。

3のCについて

 家屋の調査は、一般的には世帯主等の同意を得ることにより実施できるものと考えている。

4の@について

 岩国・大竹道路については、平成十年十二月以降、環境影響評価及び都市計画の案に関する説明会が十二回開催された後、都市計画決定されたものと承知している。
 また、平成十三年度に事業に着手してから、平成十九年度までに、測量に関する説明会を二十六回、設計協議に関する説明会を二十八回、用地取得に関する説明会を十九回行い、これらの説明会に延べ千八百九十八人の地域住民等の参加を頂いている。
 以上のように、岩国・大竹道路については、住民等への説明に努めてきたところであり、今後とも必要に応じて説明を行うこととしている。

4のAについて

 岩国・大竹道路に関する説明は、ルート周辺の各自治会単位で住民の方々に集まっていただき、4の@についてで述べたように説明会等を実施しているところであるが、今後、個別の説明の希望がある場合には実施を検討してまいりたいと考えている。



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