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答弁本文情報

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平成二十年十月三日受領
答弁第二八号

  内閣衆質一七〇第二八号
  平成二十年十月三日
内閣総理大臣 麻生太郎

       衆議院議長 河野洋平 殿

衆議院議員長妻昭君提出「消えた年金」問題等に関する質問に対し、別紙答弁書を送付する。





衆議院議員長妻昭君提出「消えた年金」問題等に関する質問に対する答弁書



一について

 お尋ねの「国家プロジェクト」が何を指すか明らかではないため、お尋ねについてお答えすることは困難であるが、社会保険庁としては、平成十九年七月五日に年金業務刷新に関する政府・与党連絡協議会が取りまとめた「年金記録に対する信頼の回復と新たな年金記録管理体制の確立について」及び平成二十年六月二十七日の「年金記録問題に関する関係閣僚会議」において了承された方針等に基づき、社会保険庁が保管するマイクロフィルム記録や市町村が保管する国民年金の被保険者名簿等の記録と、社会保険オンラインシステムにおいて管理する記録(以下「オンライン記録」という。)の突合せを優先順位を付けて計画的かつ効率的に実施しているところである。

二について

 麻生太郎衆議院議員の内閣総理大臣就任以前の政治家個人としての見解については、政府としてお答えする立場にないが、公的年金制度は、国民生活に直接かかわる重要なものであり、基礎年金の財政方式を始め年金制度の在り方については、中長期的視点に立って国民的な議論が行われるべきと考えている。

三の1について

 お尋ねの件数については、約十五万六千件であるが、この中には、被保険者の資格喪失時に、事業主による変更届(厚生年金保険法施行規則(昭和二十九年厚生省令第三十七号)第十九条第一項に規定する厚生年金保険被保険者報酬月額変更届をいう。以下同じ。)の提出漏れや標準報酬月額の誤りが判明した場合などに行われる適正な事務処理に係る件数も含まれていると考えられる。

三の2について

 御指摘の条件は、より正確には、標準報酬月額が五等級以上遡及して引き下げられていることをいうものである。この条件に該当するものの件数は、約七十五万件であるが、この中には、毎年七月に事業主が提出する算定基礎届(厚生年金保険法施行規則第十八条第一項に規定する厚生年金保険被保険者報酬月額算定基礎届をいう。以下同じ。)に基づく標準報酬月額の決定の際や、社会保険調査官による事業所調査の際に、事業所の賃金台帳等を確認し、事業主による変更届の提出漏れや標準報酬月額の誤りが判明し、実態に合わせるため、遡及して標準報酬月額を引き下げる場合などに行われる適正な事務処理に係る件数も含まれていると考えられる。

三の3について

 御指摘の条件は、より正確には、六か月以上遡及して標準報酬月額を引き下げる訂正が行われていることをいうものである。この条件に該当するものの件数は、約五十三万三千件であるが、この中には、毎年七月に事業主が提出する算定基礎届に基づく標準報酬月額の決定の際や、社会保険調査官による事業所調査の際に、事業所の賃金台帳等を確認し、事業主による変更届の提出漏れや標準報酬月額の誤りが判明し、実態に合わせるため、遡及して標準報酬月額の記録を訂正する場合などに行われる適正な事務処理に係る件数も含まれていると考えられる。

三の4について

 お尋ねについては、年金記録確認第三者委員会(以下「第三者委員会」という。)でのあっせん事案等や、オンライン記録上、厚生年金保険に係る標準報酬月額又は被保険者資格喪失日の記録を過去にさかのぼって訂正する処理が事実に反して行われた事案(以下「不適正遡及訂正処理事案」という。)ではないかと考えられる事案などから順次調査を進めていくことが効率的な調査の実施という観点から適切であると考えており、手がかりもなしにすべての職員や既に退職している元職員に対する調査を実施することは考えていない。
 国民年金保険料の申請免除等問題については、平成十七年四月から平成十八年四月までの間における国民年金保険料の申請免除等の事務処理について平成十八年六月から同年七月にかけて調査を行ったものであり、職員の記憶が比較的鮮明であり、関係書類も保存されていたことから、事実関係の把握がより容易であったという点で、不適正遡及訂正処理事案とは事情が異なるものである。

三の5について

 社会保険庁としては、第三者委員会でのあっせん事案等に照らし、オンライン記録上不適正遡及訂正処理事案の可能性がある六万九千件のうち、厚生年金受給者に係るものであるおよそ二万件について、本人への確認、事業主等に対する調査、社会保険事務所の職員等に対する調査を行うこととしている。

四について

 年金記録問題への対応の緊急性にかんがみると、「ねんきん特別便」の送付により、すべての受給者又は被保険者に、できるだけ早く御自身の加入履歴の確認を行っていただくことが最優先課題であると考えている。仮に「ねんきん特別便」に標準報酬月額を記載することとした場合、そのためのプログラム開発等の作業が必要となり、「ねんきん特別便」の迅速な送付が困難となること、標準報酬月額は「ねんきん特別便専用ダイヤル」や社会保険事務所等で確認可能であること、被保険者についてはインターネットでの年金個人情報提供サービスにおいても確認可能であることから、「ねんきん特別便」に標準報酬月額を記載しないこととし、平成十九年八月二十三日に厚生労働省において取りまとめた「年金記録適正化実施工程表」に基づき、平成二十一年四月から被保険者へ送付することとしている「ねんきん定期便」において、標準報酬月額を記載することとしているものである。こうした判断は適切なものと考えており、平成二十年九月九日の年金記録問題に関する関係閣僚会議において公表した「標準報酬・資格喪失の遡及訂正事案(十七事案)に係る調査結果」を踏まえ、今般、新たに厚生年金受給者全員に対して標準報酬月額の情報を含むお知らせを送付することとしたことをもって、関係職員の処分を要するとは考えていない。
 また、厚生年金受給者全員に対する標準報酬月額の情報を含むお知らせに関する具体的な方法等について現在検討中であり、現時点において、お尋ねの費用についてお答えすることは困難である。



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