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平成二十一年五月一日受領
答弁第三三四号

  内閣衆質一七一第三三四号
  平成二十一年五月一日
内閣総理大臣 麻生太郎

       衆議院議長 河野洋平 殿

衆議院議員細野豪志君提出平成二十一年度第一次補正予算及びこれに関連する経済財政問題に関する質問に対し、別紙答弁書を送付する。





衆議院議員細野豪志君提出平成二十一年度第一次補正予算及びこれに関連する経済財政問題に関する質問に対する答弁書



一及び二について

 お尋ねの基礎的財政収支の黒字化目標については、財政規律の観点から、現行の努力目標の下で、景気回復を最優先としつつも、財政健全化の取組を進めているところであるが、世界的な金融危機と経済悪化を受けて、基礎的財政収支を黒字化させるとの目標の達成は困難になりつつある。今後、経済財政運営の基本的な考え方を示すべく、検討を進めてまいりたい。

三及び四について

 政府としては、年金・医療等の社会保障に係る経費については、「経済財政運営と構造改革に関する基本方針二〇〇六」(平成十八年七月七日閣議決定)等を踏まえ、毎年度、概算要求に当たっての基本的な方針を決定し、予算編成を行っているところである。平成二十二年度以降の取扱いについては今後検討することとしている。

五及び六について

 内閣府は、「平成二十一年度経済見通し暫定試算(内閣府試算)」(平成二十一年四月二十七日内閣府公表。以下「経済見通し暫定試算」という。)において、平成二十一年度の政府経済見通しを暫定的に見直し、平成二十一年度の実質経済成長率をマイナス三・三パーセント程度、名目経済成長率をマイナス三・〇パーセント程度、消費者物価指数の前年度比をマイナス一・三パーセント程度と見込んだところである。

七及び八について

 平成二十一年度税収については、土台となる平成二十年度税収の決算が確定していないこと、平成二十一年度における課税実績の状況も明らかでないこと、使用可能な経済指標が限られていること等から、現時点でお答えすることは困難である。

九について

 財政運営に必要な財源の確保を図るための公債の発行及び財政投融資特別会計からの繰入れの特例に関する法律(平成二十一年法律第十七号)においては、第一条及び第三条の規定により、平成二十一年度及び平成二十二年度において、国民生活の安定及び経済の持続的な成長を図ることを目的として集中的に実施する施策により見込まれる歳出の増加に充てるため及び当該施策により見込まれる租税収入の減少を補うため並びに基礎年金の国庫負担の追加に伴いこれらの年度において見込まれる歳出の増加に充てるために必要な財源を確保するため、特別会計に関する法律(平成十九年法律第二十三号。以下「特別会計法」という。)第五十八条第三項の規定にかかわらず、予算で定めるところにより、財政投融資特別会計財政融資資金勘定から一般会計に繰り入れることができるとされており、当該規定に基づき、平成二十一年度第一次補正予算においては、三・一兆円を繰り入れることとしている。
 また、金利変動準備金の平成二十一年度末の予定額は、準備率の上限である財政投融資特別会計財政融資資金勘定の資産の合計額の千分の五十の水準を下回るが、当面は、過去の比較的高い金利の貸付金残高から利益を生じることが見込まれること等から、直ちに同勘定の財務について問題が顕在化する可能性は低いと考えている。
 なお、中長期的な観点からは、今後の金利変動に伴う損失の発生に備えるため、利益が発生した場合には、これを金利変動準備金として積み立てていく必要があると考えている。

十について

 財政投融資特別会計財政融資資金勘定以外の特別会計が保有する積立金・資金等は、それぞれ特別会計法の規定に基づき積み立てられたものであり、これらの積立金・資金等は、特別会計法に規定された使途以外に使用することはできない。

十一について

 外国為替資金特別会計の積立金については、特別会計法第八十条第一項の規定に基づき、外国為替相場の変動、市場金利の変動その他の要因を勘案し、同会計の健全な運営を確保するために必要な金額を積み立てることとしている。
 保有外貨資産に生じる評価損等に備え、同会計の財務の健全性を維持するためには、現在積み立てられている積立金は維持する必要があると考えている。

十二について

 「持続可能な社会保障構築とその安定財源確保に向けた「中期プログラム」」(平成二十年十二月二十四日閣議決定)については、今後、経済財政諮問会議等において議論を行い、持続可能な社会保障とその安定財源確保という目的の下で、必要な見直しを行うための検討を進めることとしているが、その具体的内容及び時期については、現時点でお答えすることは困難である。

十三について

 内閣府は、経済見通し暫定試算において、「経済危機対策」(平成二十一年四月十日「経済危機対策」に関する政府・与党会議、経済対策閣僚会議合同会議決定)は、その着実な実施を通じて、平成二十一年度の実質国内総生産成長率を一・九パーセント程度押し上げる効果があると見込んでおり、また、同成長率に対する寄与度の内訳として、雇用創出や低燃費車・省エネ製品等の需要増加等による民間最終消費支出の増加が〇・七パーセント程度、時限的な贈与税の軽減等による民間住宅投資の増加が〇・一パーセント程度、低燃費車の需要増加等による民間企業設備投資の増加が〇・四パーセント程度、政府最終消費支出の増加が〇・二パーセント程度、公的固定資本形成の増加が〇・六パーセント程度と見込んでいる。

十四について

 内閣府は、「経済危機対策」は、需要拡大に伴う経済波及効果、公共投資の追加や雇用対策による効果を総合的に勘案すると、一年間で四十万人から五十万人程度の雇用を創出する効果があると見込んでおり、経済見通し暫定試算においては、平成二十一年度の雇用創出効果を二十万人程度と見込んでいる。

十五について

 平成二十一年度第一次補正予算の歳出予算は、今年度に国からの支出を行うことを予定している。

十六について

 平成二十一年度第一次補正予算においては、国に基金を造成するものはないが、地方公共団体等が基金を造成するために要する経費について予算措置を行うことが国の政策の円滑な執行に資するものであると認められる以下の基金について、予算措置(既存の基金に対する追加的な予算措置を含む。)を行うこととしている。地域自殺対策緊急強化基金(仮称)は地域における自殺対策強化事業の実施等を目的として支出されるものであり予算額は百億円、地方消費者行政活性化基金は地方消費者行政強化事業の実施等を目的として支出されるものであり予算額は百十億円、グリーン家電普及促進基金(仮称)はエコポイントの付与事業の実施を目的として支出されるものであり予算額は約二千九百四十六億円、高校生の授業料減免等に対する緊急支援のための基金(基金名称未定)は授業料減免補助や奨学金事業の支援を目的として支出されるものであり予算額は約四百八十六億円、先端研究助成基金(仮称)は世界最先端の研究を行う研究者の選定及び研究資金の支援を目的として支出されるものであり予算額は二千七百億円、研究者海外派遣基金(仮称)は優秀な若手研究者の海外派遣のための経費の支援を目的として支出されるものであり予算額は三百億円、定住外国人の子どもの就学支援は定住外国人の子どものための日本語指導等の実施費用の支援を目的として支出されるものであり予算額は約三十七億円、医療施設の耐震化のための基金(基金名称未定)は災害拠点病院等の耐震化の推進の支援を目的として支出されるものであり予算額は約千二百二十二億円、新型インフルエンザ対策事業等のための基金(基金名称未定)は新型インフルエンザワクチンや未承認薬等の開発体制の整備等を目的として支出されるものであり予算額は約二千七十四億円、地域医療再生基金(仮称)は地域医療確保のために都道府県が作成する地域医療再生計画に基づいて行う事業の支援を目的として支出されるものであり予算額は三千百億円、後期高齢者医療制度臨時特例基金は低所得の高齢者の保険料負担の軽減を目的として支出されるものであり予算額は約百三十一億円、緊急雇用創出事業臨時特例基金は失業者に対する雇用・就業機会の創出のための事業の実施等を目的として支出されるものであり予算額は三千億円、緊急人材育成・就職支援基金(仮称)は離職した非正規労働者等に対する職業訓練の拡充や再就職支援の実施等を目的として支出されるものであり予算額は七千億円、安心こども基金は新待機児童ゼロ作戦の取組の推進等の支援を目的として支出されるものであり予算額は千五百億円、障害者自立支援対策臨時特例基金は福祉・介護職員の処遇改善等の取組を行う事業者に対する助成等を目的として支出されるものであり予算額は約千五百二十三億円、介護職員の処遇改善等のための基金(基金名称未定)は介護職員の処遇改善等の取組を行う事業者に対する助成等を目的として支出されるものであり予算額は約四千七百七十三億円、介護基盤の緊急整備等のための基金(基金名称未定)は介護施設や地域介護拠点の整備等に対する助成を目的として支出されるものであり予算額は約二千四百九十五億円、社会福祉施設等の耐震化等のための基金(基金名称未定)は社会福祉施設等の耐震化等の推進の支援を目的として支出されるものであり予算額は約千六十二億円、学校給食地場農畜産物利用拡大基金(仮称)は学校給食における地場農畜産物の利用拡大のための補助を目的として支出されるものであり予算額は五十四億円、畑作等緊急構造改革対策基金(仮称)は食品安全等に配慮した設備の導入等に対する補助を目的として支出されるものであり予算額は約三十三億円、優良繁殖雌牛更新支援基金(仮称)は低能力繁殖雌牛から高能力繁殖雌牛への更新に対する補助を目的として支出されるものであり予算額は約七十九億円、馬産地再活性化基金(仮称)は軽種馬生産の経営体質の強化等のための補助を目的として支出されるものであり予算額は五十億円、需要即応型水田農業確立推進事業基金(仮称)は水田農業について地域が一体となって行う実需者との連携強化に向けた活動等への助成を目的として支出されるものであり予算額は千百億円、自給力向上戦略作物等緊急需要拡大対策事業基金(仮称)は自給力向上戦略作物の生産の拡大に必要となる需要開拓の取組への助成を目的として支出されるものであり予算額は六十八億円、畜産経営維持緊急支援基金(仮称)は畜産農家に対する低利貸付のための利子助成を目的として支出されるものであり予算額は約九十九億円、農地集積加速化基金(仮称)は農地集積を加速化するために農地を貸し出す農地所有者等に対する交付金の交付を目的として支出されるものであり予算額は約二千九百七十九億円、農の雇用促進対策資金は農業法人等における実践研修の実施を目的として支出されるものであり予算額は約三十九億円、農業経営維持安定支援基金(仮称)は認定農業者等に対する無利子貸付のための利子助成を目的として支出されるものであり予算額は七億円、雇用創出経営支援基金(仮称)は新たな雇用を創出する認定農業者に対する無利子貸付のための利子助成を目的として支出されるものであり予算額は約九十九億円、土地改良負担金特別緊急対策基金(仮称)は農地集積等を行う地域の土地改良事業等の農家負担分を軽減するための利子助成を目的として支出されるものであり予算額は二百億円、耕作放棄地再生利用基金(仮称)は貸借等により耕作放棄地を再生・利用する取組やこれに付帯する用排水施設等の整備等を目的として支出されるものであり予算額は百四十億円、地域資源利用型産業創出緊急対策基金(仮称)は離島等の農山漁村地域における先進的なバイオマス利活用施設の整備等を目的として支出されるものであり予算額は約百九十三億円、花粉の少ない森林づくり資金は首都圏近郊等の花粉の多いスギの伐採及び少花粉スギ等への植替え等の支援を目的として支出されるものであり予算額は約百億円、森林整備地域活動支援基金は森林境界の明確化等を行う森林所有者等の支援を目的として支出されるものであり予算額は約三十一億円、緑の雇用担い手対策資金は新規林業者に対する即戦力養成研修の実施を目的として支出されるものであり予算額は約五十億円、森林整備加速化・林業再生基金(仮称)は森林整備・林内路網整備・木材加工利用施設の整備等を地域で一体的に行うための支援を目的として支出されるものであり予算額は約千二百三十八億円、水産業体質強化総合対策事業基金(もうかる漁業創設支援事業助成勘定)(仮称)は過剰漁船の一掃及び高性能大型漁船の導入等を支援するための費用の助成を目的として支出されるものであり予算額は約百九十九億円、水産業体質強化総合対策事業基金(沿岸漁業等体質強化緊急対策勘定)は計画的休漁中の藻場や干潟の整備等の漁場生産力維持向上のための費用の助成を目的として支出されるものであり予算額は約百二十五億円、漁場機能維持管理事業基金(仮称)は外国漁船等による投棄漁具等の回収・処理等を行うための費用の助成を目的として支出されるものであり予算額は約百二十四億円、第二種信用基金は中堅企業等の資金繰りの円滑化に資する債務保証を目的として支出されるものであり予算額は二百五十億円、経営安定関連保証等特別基金は国の政策により決定された緊急保証の実施等により各信用保証協会に生じた損失の一定割合による補てん等を目的として支出されるものであり予算額は七百億円、住宅用太陽光発電導入支援基金は住宅用太陽光発電システムの設備導入者に対する補助を目的として支出されるものであり予算額は二百七十億円、新エネルギー導入促進基金は事業用太陽光発電システムの設備導入者に対する補助を目的として支出されるものであり予算額は二百億円、建設業金融円滑化基金は下請企業等の保有債権買取時の金利負担の軽減等を目的として支出されるものであり予算額は九十六億円、地域グリーンニューディール基金は住民サービス向上に必ずしも直結しない地球温暖化対策や補助事業が十分でない廃棄物処理・アスベスト対策等の実施を目的として支出されるものであり予算額は約五百四十七億円、環境保全型経営促進基金(仮称)は一定期間に一定量以上の二酸化炭素排出削減を誓約した企業に対する金融機関の融資のための利子補給を目的として支出されるものであり予算額は四十五億円である。
 なお、これらの基金については、政府による予算措置以外の拠出があり得るところであり、その拠出額等は確定していないこと等から、基金の規模についてお答えすることは困難である。

十七について

 お尋ねの「個別の補助事業ではなく、地方公共団体の作成する計画等に応じて交付する、比較的使途の限定が緩やかな資金」については、その定義が必ずしも明らかでなく、お答えすることは困難である。

十八について

 財政法(昭和二十二年法律第三十四号)第四条第一項ただし書においては、「公共事業費、出資金及び貸付金の財源については、国会の議決を経た金額の範囲内で、公債を発行し又は借入金をなすことができる」と規定している。平成二十一年度第一次補正予算においても、同項ただし書の規定に基づき、基金の造成に充てられる補助金等や交付金のうち、同項ただし書に規定する公共事業費等に該当するものについて、その財源として公債を発行し又は借入金をなすことができることとしている。

十九について

 平成二十二年度予算の編成方針及び一般会計の規模については、今後検討することとしており、現時点でお答えすることは困難である。



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