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答弁本文情報

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平成二十一年七月十七日受領
答弁第六五七号

  内閣衆質一七一第六五七号
  平成二十一年七月十七日
内閣総理大臣 麻生太郎

       衆議院議長 河野洋平 殿

衆議院議員吉井英勝君提出陵墓に指定された古墳の実態に関する再質問に対し、別紙答弁書を送付する。





衆議院議員吉井英勝君提出陵墓に指定された古墳の実態に関する再質問に対する答弁書



(一)から(三)まで及び(三十四)について

 陵墓や陵墓参考地に対する学術調査についての考え方は、先の答弁書(平成二十一年七月六日内閣衆質一七一第六一一号)(一)及び(二)についてで述べたとおりである。

(四)及び(五)について

 古代の皇室の歴史についての諸説は多岐にわたっており、お尋ねに一概にお答えすることは困難である。

(六)について

 宮内庁としては、陵墓における祭祀は、皇室の伝統に基づくものとして古くから行われているものと承知しているが、それが御指摘の「神道の形式」によるものか否かをお答えすることは困難である。

(七)について

 宮内庁としては、陵墓の祭祀は陵墓で行われ、参列者は、皇族、当該陵墓に縁故のある方等であると承知している。

(八)及び(九)について

 陵墓は、国有財産法(昭和二十三年法律第七十三号)第三条第二項第三号に規定する皇室用財産として宮内庁が管理しており、その清掃は皇室用財産の管理の一環として行われていることから、これに要する経費は宮廷費から支出しており、憲法第二十条との関係で特段の問題があるとは考えていない。
 また、祭祀は皇室が行っているものであることから、その経費は内廷費から支出している。

(十)について

 宮内庁としては、薨去月日が明確でない方の陵墓の祭祀は、春又は秋の適当な日を選び行われているものと承知している。

(十一)について

 陵墓や陵墓参考地の静安と尊厳を保持する観点から、これを一般公開していないところである。

(十二)について

 御指摘の「百舌鳥御廟山古墳の調査」については、先の答弁書(十)及び(十一)についてで述べたとおりである。

(十三)について

 御指摘のトレンチの配置については、年度末の書陵部紀要への掲載に向けて図面等を整理しているところである。

(十四)について

 御指摘の「大山古墳」及び「誉田御廟山古墳」の墳丘測量図の作成については、現在までに策定されている年次計画には盛り込まれていない。

(十五)について

 御指摘の「破線」で示されている部分の土地が、測量図作成当時、具体的にどのような形態であったかについては、承知していない。

(十六)について

 宮内庁書陵部陵墓課は、陵墓の調査及び考証に関することをつかさどることとされており、御指摘の職員も、考古学に関する知見を生かして、陵墓の調査及び考証に従事している。

(十七)について

 お尋ねの趣旨が必ずしも明らかではないが、陵墓の治定についての考え方は、先の答弁書(十三)についてで述べたとおりである。

(十八)について

 お尋ねの趣旨が必ずしも明らかではないが、陵墓については、宮内庁として被葬者を治定しており、陵墓参考地については、先の答弁書(十四)についてで述べたとおりである。

(十九)について

 文化庁としては、一般に、古墳の調査を実施するに当たっては、関係者の調査に対する理解を得ることが必要と考えている。
 また、御指摘の「桜井茶臼山古墳」については、奈良県立橿原考古学研究所において、関係者の理解を得つつ、文化財保護の観点から発掘調査を行ったものと承知しており、同研究所においては、今後、御指摘の「石室等の内部主体」の調査等を行う計画があると聞いている。

(二十)について

 お尋ねの趣旨が必ずしも明らかではないが、宮内庁としては、現在陵墓として治定されていない古墳が新たに陵墓として治定された場合には、被葬者の静安と尊厳が保持されるよう必要な措置を講じてまいりたいと考えている。

(二十一)について

 宮内庁においては、御指摘の「被葬者不明の古墳から出土した遺物」について、陵墓の調査及び考証のため、必要な範囲でこれを所蔵している。

(二十二)について

 お尋ねについては、調査に膨大な作業を要するため、そのすべてをお答えすることは困難であるが、最近の事例としては、平成二十一年四月から、大塚陵墓参考地(新山古墳)から出土した三角縁神獣鏡五点、素文縁直弧文鏡一点、だ龍鏡一点、鏃形石製品一点及び台座形石製品一点、宇和奈辺陵墓参考地旧陪冢ろ号(大和六号墳)から出土した大鉄てい五点及び小鉄てい十二点、藤井寺陵墓参考地(津堂城山古墳)から出土した銅製弓筈一点等を、東京国立博物館に貸し出したところである。

(二十三)について

 御指摘の「大山古墳」の築造年代についての諸説は多岐にわたっており、お尋ねに一概にお答えすることは困難である。
 また、陵墓や陵墓参考地に対する学術調査についての考え方は、先の答弁書(一)及び(二)についてで述べたとおりである。
 文化庁としては、御指摘の「大山古墳」の被葬者については、学術的には確定していないものと承知している。

(二十四)について

 宮内庁としては、先の答弁書(十八)についてで述べた異説は、御指摘の「大山古墳から出土した」という事実を否定する内容のものであると承知している。

(二十五)について

 御指摘の「津堂城山古墳の被葬者」については、当該被葬者を特定するだけの確たる史料は得られていないが、歴代皇后等の陵墓の可能性があると考えており、その旨をお答えしたものである。

(二十六)について

 御指摘の「石棺の計測数値」については、これまでの学術研究の成果を基に編纂された「図説日本の史跡」(文化庁文化財保護部史跡研究会監修)を基にお答えしたものである。また、石棺と石室を撮影した写真については、「後円部石室と長持形石棺」の写真とされるものが同書に掲載されているものと承知している。その他の「石棺を正面・側面・上面などから精密に実測した図」等については、承知していない。
 また、文化庁としては、御指摘の「津堂城山古墳」については、これまでの調査から学術研究上、一定の知見が得られているものと考えている。

(二十七)について

 宮内庁で保管している朱は、約十三リットルであり、旧諸陵寮が大阪府から送付を受けた時点から増減していない。

(二十八)について

 お尋ねの分析等については、分析実績のある機関から申請があり、学術上の観点から必要不可欠であると認められれば、実施方法などを考慮し、検討することもあり得ると考えている。
 また、お尋ねの「大量の朱を副葬した古墳の実例」は、承知していない。

(二十九)について

 お尋ねの「調査件数」については、調査を実施した大阪府教育委員会と藤井寺市教育委員会からは、現段階で把握できたものは八十八件であると聞いている。これらのうち十九件において御指摘の「津堂城山古墳」の遺構が検出され、そのうち現状保存されたものは五件であると聞いている。

(三十)について

 文部科学省文書処理規則(平成十三年一月六日文部科学省・文化庁訓令第一号)においては、審議会の答申、建議又は意見については保存期間を十年と定めており、御指摘の資料等については、現在、文部科学省には保管されていない。

(三十一)について

 お尋ねについては、先の答弁書(二十七)についてでお答えしたとおりである。

(三十二)について

 御指摘の各陵墓参考地の範囲については、明治十八年から明治三十四年にかけて治定されたものであり、その経緯の詳細については承知していない。

(三十三)について

 文化庁としては、埋蔵文化財の調査については、文化財保護の観点から地方公共団体により適切な措置が採られるものと考えており、地方公共団体が発掘を行う場合には、必要に応じて指導及び助言並びに経費の一部の補助を行うこととしている。
 なお、お尋ねの「@周濠がないと思われていた古墳で周濠の存在が確認されたもの、A新たに外濠の存在が確認されたもの」については、その内容が必ずしも明らかではないこと等から、お答えすることは困難である。

(三十五)について

 宮内庁としては、御指摘の「護岸工事」は、墳丘裾の崩落を防止し、現状の保持を目的として施工しているものであり、陵墓の静安と尊厳の保持のために必要な工事であると考えている。



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