答弁本文情報
平成二十二年一月二十六日受領答弁第五号
内閣衆質一七四第五号
平成二十二年一月二十六日
衆議院議長 横路孝弘 殿
衆議院議員馳浩君提出高校新学習指導要領の地理歴史解説書における「竹島」の記述に関する質問に対し、別紙答弁書を送付する。
衆議院議員馳浩君提出高校新学習指導要領の地理歴史解説書における「竹島」の記述に関する質問に対する答弁書
一について
竹島は我が国固有の領土であり、政府として、今後とも竹島の領有権の問題の平和的解決を図るため、粘り強い外交努力を行っていくという方針に基づいて対応していく考えである。
我が国の領土問題について、中学校学習指導要領(平成二十年文部科学省告示第二十八号)の社会科では、「北方領土が我が国の固有の領土であることなど、我が国の領域をめぐる問題にも着目させる」こととしているのに対し、高等学校学習指導要領(平成二十一年文部科学省告示第三十四号)の地理歴史科では、例えば地理Bにおいて、「領土問題の現状や動向を扱う際に日本の領土問題にも触れること」としている。このような学習指導要領における我が国の領土問題についての取上げ方の相違を踏まえ、中学校学習指導要領の社会科の解説では、「竹島」を記述し、「北方領土と同様に我が国の領土・領域について理解を深めさせる」としており、一方、高等学校学習指導要領の地理歴史科地理A及び地理Bの解説では、高校生に対して、中学校における学習を踏まえ、竹島を含めた我が国の領土問題について理解を深めさせるための指導が適切になされるよう、「北方領土など我が国が当面する領土問題については、中学校における学習を踏まえ、我が国が正当に主張している立場に基づいて的確に扱い、領土問題について理解を深めさせることが必要である」と記述したところである。
なお、高等学校教科用図書検定基準(平成二十一年文部科学省告示第百六十六号)では、「近隣のアジア諸国との間の近現代の歴史的事象の扱いに国際理解と国際協調の見地から必要な配慮がされていること」とされているが、この基準は、教科用図書の検定に当たって適用されるものであり、高等学校学習指導要領の解説の作成に当たって適用されるものではない。
文部科学省としては、各学校における具体的な指導内容の詳細については把握していないが、我が国の領域をめぐる問題については、現行の中学校学習指導要領(平成十年文部省告示第百七十六号)に沿った指導が行われるものと考えている。
義務教育諸学校教科用図書検定基準(平成二十一年文部科学省告示第三十三号)及び高等学校教科用図書検定基準には、「近隣のアジア諸国との間の近現代の歴史的事象の扱いに国際理解と国際協調の見地から必要な配慮がされていること」とされており、文部科学省としては、今後とも、これらの教科用図書検定基準に従って、教科用図書検定調査審議会の調査審議に基づき、適切に教科用図書の検定が行われるべきものと考える。