答弁本文情報
平成二十二年一月二十九日受領答弁第二二号
内閣衆質一七四第二二号
平成二十二年一月二十九日
衆議院議長 横路孝弘 殿
衆議院議員馳浩君提出全国学力・学習状況調査に関する質問に対し、別紙答弁書を送付する。
衆議院議員馳浩君提出全国学力・学習状況調査に関する質問に対する答弁書
一、五及び六について
全国学力・学習状況調査(以下「本調査」という。)については、三年間の悉皆調査の結果、全国及び各地域別等の信頼性の高いデータが蓄積され、これを基に、教育施策等の改善を図る取組が着実に進んでいる。このため、平成二十二年度の本調査においては、費用対効果も加味し、これまでの調査との一定の継続性を保ちつつ、抽出調査に切り替えることとしている。その切替えに当たっては、統計上都道府県別の学力等の状況を把握、検証できる精度のものとするとともに、抽出調査の対象外の学校であっても、その設置者が希望すれば、抽出調査と同一の問題の提供を受け、本調査を利用できる方式(以下「希望利用方式」という。)を導入することとしている。これにより、悉皆調査でなくても、全国的な児童生徒の学力等の状況を把握し、国及び地方の教育施策の結果と課題を検証し、その改善を図るとともに、学校における児童生徒への教育指導の充実にいかすという本調査の目的は達成することができるものと考えている。
また、六でお尋ねの「日本国教育基本法案」については、議員立法として提案されたものであり、政府としてお答えすることは差し控えたい。
平成二十二年度予算においては、抽出調査の抽出率を約三十パーセントとすることとしているが、これによっても、統計上都道府県別の学力等の状況を把握、検証できる精度を保つことができ、本調査の目的を達成することができるものと考えている。
なお、抽出率について、平成二十二年度予算概算要求時においては、約四十パーセントが必要であると試算していたが、平成二十二年度予算編成時において、抽出率の計算の前提となる本調査の制度設計を確定させ、学校を抽出の単位とするという条件の下、平成二十二年度予算概算要求時よりも詳細な平成二十一年度の本調査のデータを用い、解析を行った結果、約三十パーセントとしても、本調査の目的を達成するために十分であるとの結論を得たところである。
文部科学省としては、平成二十二年度の本調査については、有識者からの意見を踏まえた検討を経て平成二十二年度予算概算要求を行い、概算要求後も、都道府県教育委員会の意見等も聴いた上で、平成二十二年度の本調査の実施要領を決定したところである。
なお、今回、悉皆調査を抽出調査に切り替えると同時に希望利用方式を導入することとしていることから、御指摘の「三年間の学習の成果」の「検証」を行うことは可能となっているものと考えている。
希望利用方式の調査については、その結果を抽出調査の基礎データとするのではなく、利用を希望する学校設置者が管理し活用するものであるため、採点等は、学校設置者の責任と費用負担により行うこととしているが、文部科学省としては、問題の作成、印刷及び学校への配送を国費で賄うこととするなど、できる限り円滑に利用する機会が確保されるとともに地方負担の軽減が図られるよう必要な措置を講ずることとしている。