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答弁本文情報

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平成二十二年三月十六日受領
答弁第二二一号

  内閣衆質一七四第二二一号
  平成二十二年三月十六日
内閣総理大臣 鳩山由紀夫

       衆議院議長 横路孝弘 殿

衆議院議員馳浩君提出オウム真理教対策に関する再質問に対し、別紙答弁書を送付する。





衆議院議員馳浩君提出オウム真理教対策に関する再質問に対する答弁書



一及び二について

 無差別大量殺人行為を行った団体の規制に関する法律(平成十一年法律第百四十七号。以下「団体規制法」という。)は、団体の活動として役職員又は構成員が、無差別大量殺人行為を行った団体につき、その活動状況を明らかにし又は当該行為の再発を防止するために必要な規制措置を定め、もって国民の生活の平穏を含む公共の安全の確保に寄与することを目的としているところ、政府としては、団体規制法に基づき、オウム真理教に対する観察処分を適正かつ厳格に実施することによって、その活動状況を明らかにし、危険性の増大を抑止しており、その結果、国民の生活の平穏を含む公共の安全の確保に寄与しているものと考えている。
 政府としては、これまでに規制強化を内容とする団体規制法の改正等を求める陳情があったことは認識しているが、団体規制法に基づく観察処分の実施によりオウム真理教の危険性増大を抑止している実情等に照らし、昨年に行った団体規制法附則第二項の規定に基づく団体規制法の見直しにおいては、団体規制法を現状のまま存続させ、より一層厳格に運用することなどによって、積極的に対応していくこととしたものである。
 また、政府としては、オウム真理教が再び無差別大量殺人行為に及ぶことを防止するため、今後の観察処分に基づく調査等により、オウム真理教の危険性が増大し、再発防止処分の要件を満たすと判断されるに至った場合には、公共の安全の確保に寄与すべく、速やかに、同処分を請求する考えである。

三について

 これまで、四十一回にわたり、オウム真理教から報告を徴取し、その内容を立入検査の結果等と照らし合わせて検証するとともに、全国十九都道府県に所在する延べ三百六十八か所のオウム真理教が所有し又は管理する土地又は建物に立ち入り、設備、帳簿書類その他必要な物件について徹底した検査を行っている。立入検査に際しては、設備を実際に稼働させて機能を確認し、帳簿書類の内容をすべて記録している上、その他の物件も、逐一収納場所から取り出すなどして確認し、そのうち電磁的記録媒体は再生して収録内容を確認するなど、細部にわたり十分な検査を行い、適正かつ厳格な実施に努めている。さらに、立入検査を拒否するなどの違法行為を行った信徒については、積極的に刑事告発するなど、厳格な対応を行っている。

四について

 立入検査は、オウム真理教が所有し又は管理する土地又は建物のうち、主要な事務所や出家信徒の修行場などに使用している施設(以下「拠点施設」という。)を中心に行っているが、団体の活動状況を明らかにするために必要と認められるときには、拠点施設以外のオウム真理教が管理していると認められる土地又は建物に対しても実施している。昨年一年間でいえば、拠点施設以外の九か所の土地又は建物に対して立入検査を実施した。

五について

 累次の観察処分を実施した結果、現時点においては、オウム真理教がサリン等の有毒物質をいまだ隠し持っている可能性は極めて低いと認識している。しかしながら、現在のオウム真理教には、かつて「科学技術省」及び「厚生省」と称する組織に所属していた信徒が少なからず在籍し、両組織は地下鉄サリン事件等に使用されたサリン等の生成に深く関与していたことから、今後とも適正かつ厳格に観察処分を実施してまいりたい。

六について

 平成十二年二月四日、警察は、団体規制法第十四条第二項の規定に基づき、公安調査庁は、団体規制法第七条第二項の規定に基づき、オウム真理教の施設への立入検査を同時に実施している。
 警察においては、オウム真理教の動向について関心を持って注視するとともに、公安調査庁と緊密に連携し、必要に応じて立入検査等の調査を実施することとしている。

七について

 オウム真理教の施設では、「甘露水」と称する水をドラム缶に保管し、信徒に提供しているが、その安全性については、公安調査官がその保管状況や信徒が飲用する状況を見分するなどして確認している。

八について

 公安調査庁の具体的な調査内容について明らかにすることは、今後の観察処分の実施等に支障を来すおそれがあるので、お答えすることは差し控えたい。

九について

 オウム真理教が、麻原彰晃こと松本智津夫(以下「松本」という。)への回帰を強めている中、施設内の修行道場の祭壇付近に松本の肖像写真を掲示していることについては認識しているところ、この点については、現在、無差別大量殺人行為の首謀者である松本が、依然としてオウム真理教の活動に影響力を有していることを示す徴表の一つと認識しており、調査している。



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