答弁本文情報
平成二十二年五月十一日受領答弁第四二九号
内閣衆質一七四第四二九号
平成二十二年五月十一日
衆議院議長 横路孝弘 殿
衆議院議員木村太郎君提出全国学力・学習状況調査に関する質問に対し、別紙答弁書を送付する。
衆議院議員木村太郎君提出全国学力・学習状況調査に関する質問に対する答弁書
一、五、八及び十について
全国学力・学習状況調査(以下「本調査」という。)については、三年間の悉皆調査の結果、全国及び各地域別等の信頼性の高いデータが蓄積され、これを基に、教育施策等の改善を図る取組が着実に進んでいること等を踏まえ、平成二十二年度においては、これまでの調査との一定の継続性を保ちつつ、抽出調査に切り替えることとした。その切替えに当たっては、統計上都道府県別の学力等の状況を把握、検証できる精度のものとなるように抽出率を設定するとともに、抽出調査の対象外の学校であっても、その設置者が希望すれば、抽出調査と同一の問題の提供を受け、本調査を利用できる方式(以下「希望利用方式」という。)を導入することとした。これにより、悉皆調査でなくても、全国的な児童生徒の学力等の状況を把握し、国及び地方の教育施策の結果と課題を検証し、その改善を図るとともに、学校における児童生徒への教育指導の充実にいかすという本調査の目的は達成することができるものと考えている。
文部科学省としては、平成二十二年度の本調査については、有識者からの意見を踏まえた検討を経て平成二十二年度予算概算要求を行い、概算要求後も、都道府県教育委員会の意見等も聴いた上で、平成二十二年度の本調査の実施要領を決定したところであり、「教職員組合の声だけ聞いた」との御指摘は当たらない。
お尋ねについては、都道府県によって、抽出の母数となる全学校数や、抽出率の算出に当たり参考とした平成二十一年度の本調査の結果における学校間の平均正答率のばらつき等が異なる中で、都道府県ごとの調査の精度を同一に設定した結果、都道府県ごとに抽出率が異なったものである。
都道府県教育委員会においては、平成二十二年度の抽出調査により、国全体及び都道府県別の学力等の状況を把握し、都道府県の教育施策の結果と課題を検証し、その改善を図ることができ、さらに、三年間の悉皆調査の結果によって蓄積された全国及び各地域別等の信頼性の高いデータ、地方公共団体や各学校における独自の調査の結果、また、必要があれば希望利用方式による調査の結果も活用することによって、都道府県内の学力等の状況をより詳細に把握し、教育施策の改善にいかすこともできると考えている。
抽出調査における採点は、国全体及び都道府県別の学力等の状況を把握するための基礎データを得るために行うものであることから、国が一括してこれを行うこととした。これに対し、希望利用方式の調査については、その結果を抽出調査の基礎データとするために行うものではなく、その結果を各学校設置者が自らの判断で管理し、その後の当該学校における教育指導にいかすために行うものであることから、各学校設置者の責任と費用負担により、採点を行うこととしたものである。
また、文部科学省としては、希望利用方式の調査について、各学校設置者による採点に資するよう、設問ごとの出題の趣旨、正答の条件、予想される解答の類型等をまとめて、各学校設置者に配布したところである。
文部科学省としては、お尋ねの対象教科の追加を含め、平成二十三年度以降の本調査の在り方については、有識者や教育関係者等の意見を幅広く聴きながら検討することとしており、現時点において、お尋ねについてお答えすることは困難である。