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答弁本文情報

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平成二十三年二月二十五日受領
答弁第七三号

  内閣衆質一七七第七三号
  平成二十三年二月二十五日
内閣総理大臣 菅 直人

       衆議院議長 横路孝弘 殿

衆議院議員阿部知子君提出第三号被保険者の不整合記録に関する質問に対し、別紙答弁書を送付する。





衆議院議員阿部知子君提出第三号被保険者の不整合記録に関する質問に対する答弁書



一及び三について

 国民年金法(昭和三十四年法律第百四十一号)上、第三号被保険者は、その配偶者が第二号被保険者の資格を喪失したことにより、同法第七条第一項第一号に該当するに至った場合には、当該該当するに至った日から第一号被保険者となるものである。この場合、当該被保険者は、同法第十二条第五項の規定に基づき、第三号被保険者から第一号被保険者への種別変更の届出を行わなければならないこととされているが、当該届出が行われない場合に、職権で種別変更を行う義務が行政に課せられているわけではなく、また、同法上、当該届出についての周知義務が行政に課せられているわけでもないことから、当該届出が行われない場合の実際の被保険者種別と年金記録との不整合について法律に違反するような行政の瑕疵や不作為があったとは考えていない。
 しかしながら、実際の被保険者種別と年金記録との不整合が生じている者に対する種別変更の届出の勧奨や当該勧奨に応じない場合の職権による種別変更に係る旧社会保険庁の取組が不十分であり、実際には第一号被保険者であった期間も含め、第三号被保険者としての年金記録を、事実上、真正な記録と認めて行ってきた同庁の対応を踏まえると、第三号被保険者期間として記録管理されていた期間が実際には第一号被保険者期間であった事実が事後的に判明した場合に、同法に基づき、当該事実に合わせてこれらの年金記録を過去に全て遡って職権で訂正することは、多くの年金受給権者及び被保険者に不測の不利益を生じさせ、年金制度に対する国民の信頼をも損ねることとなることから、御指摘の措置(以下「本件措置」という。)は、あえて、現状の年金記録を変更せずに尊重することにより、国民に大きな負担を強いることなく、現行の年金制度を運用しようとするものであり、このことが法的に許されないものとは考えていない。

二について

 厚生労働省としては、一及び三についてで述べたとおり、本件措置は、現行の年金制度の運用に係るものであり、法律改正については考えていなかった。

四について

 本件措置は、御指摘の場合の「例妻」について適用される一方で、第二号被保険者であった「例夫」については適用されないが、第二号被保険者については、保険料を負担していない第三号被保険者と異なり、毎月保険料を負担しており、失業、転職等に際して、自らの被保険者種別の変更を容易に認識できる状況にあることを勘案すると、そのことが不公平になるとは考えていない。

五について

 御指摘の問題点については、本件措置が実施される前に第一号被保険者に訂正された年金記録を改めて第三号被保険者に戻すことは、一及び三についてで述べた現状の年金記録を変更せずに尊重するという考え方を超え、新たに国民年金法に適合しない年金記録を作成することとなるから、これにより解決することは困難である。なお、今後、低年金者や無年金者の問題等年金制度に関わる諸課題を検討する中で、御指摘の問題点についても検討すべきものであると考える。

六について

 お尋ねについては、実際の被保険者種別と年金記録との不整合が生じないよう、国民年金法第十二条に基づき、被保険者の種別変更の届出を確実に行うことについて周知徹底してまいりたい。また、日本年金機構においては、実際の被保険者種別と年金記録との不整合が生じている者の把握に努め、当該者に対し種別変更の届出を行うよう個別に勧奨するとともに、当該勧奨に応じない場合には、職権による種別変更を徹底していくこととしている。

七について

 厚生労働省としては、従来より、「年金記録回復基準」を設け、これに該当する者についての年金記録の回復を図ってきているところであり、本件措置の実施が御指摘のような方針転換となるわけではない。

八について

 御指摘の「類似の事案あるいは他に同じような例」の具体的な内容が明らかでないため、お尋ねについてお答えすることは困難である。



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