答弁本文情報
平成二十四年四月十七日受領答弁第一七八号
内閣衆質一八〇第一七八号
平成二十四年四月十七日
衆議院議長 横路孝弘 殿
衆議院議員河野太郎君提出電力料金の引き上げを求める前に東京電力が取るべき行動に関する再質問に対し、別紙答弁書を送付する。
衆議院議員河野太郎君提出電力料金の引き上げを求める前に東京電力が取るべき行動に関する再質問に対する答弁書
一について
東京電力株式会社(以下「東京電力」という。)によれば、管理職社員及び一般職社員の削減後の基準内給与及び賞与の合計は、年間平均で約五百七十万円とのことである。
東京電力及び原子力損害賠償支援機構(以下「機構」という。)においては、政府が平成二十四年二月十三日に原子力損害賠償支援機構法(平成二十三年法律第九十四号。以下「法」という。)に基づき認定した東京電力の特別事業計画(以下「認定特別事業計画」という。)について、平成二十四年春をめどに変更の認定を受けることとしていると承知しているが、そのためには、人件費の引下げも含めて更に徹底した経営合理化のための方策等が必要になると認識している。
東京電力によれば、東京電力は、平成二十二年度末時点で、二十九の福利厚生施設を所有又は賃借しており、このうち、一般から賃借している物件二件、変電所が併設されており売却できない物件二件、本社に附属しており単独で売却ができない物件一件、福島県内の警戒区域内にあって売却できない物件二件及び福島県内の警戒区域内の事務所の代替事務所として転用している物件一件については、売却を予定しておらず、また、残り二十一施設の売却予定額は合計で約百四十億円であるとのことである。政府としては、これら二十一施設については、認定特別事業計画に沿って、原則三年以内に売却されることとなると承知している。
また、東京電力によれば、東京電力は、同年度末時点で、三百十九点の美術品を所有しており、その簿価は合計で九千二百五十三万円であるが、このうち、平成二十三年度中に百九十九点を百八十二万円で売却済みであり、残りについても、早期に売却が行われるとのことである。
東京電力によれば、東京電力は、株主総会における取締役の選任後に取締役会を開催して各取締役の年間の報酬額を定めているところ、東日本大震災(以下「震災」という。)発生後の平成二十三年六月二十八日の株主総会において選任された取締役については、その後開催された取締役会において、代表取締役の報酬を支払わないこととしたとのことである。他方、東京電力は、震災発生時に在任していた代表取締役については、その同意を得て、同年四月分の報酬を、平成十九年六月二十六日の株主総会の後に開催された取締役会において定めた代表取締役の報酬額から五十パーセント減額した額により支払うこととするとともに、平成二十三年五月及び六月分の報酬を支払わないこととしたとのことであり、これにより、震災発生後に支払われた同年三月分及び四月分の代表取締役一人当たりの報酬額を算定すると約六百三十八万円であるとのことである。なお、先の答弁書(平成二十四年四月三日内閣衆質一八〇第一四八号)四についてでは、代表取締役の報酬については、「東日本大震災・・・の発生後において報酬は支給されていない」としているが、これは、震災発生後の平成二十三年六月二十八日の株主総会において選任された取締役については、その後開催された取締役会において、代表取締役の報酬を支払わないこととした旨、東京電力から聞いていることについて述べたものであるところ、仮に誤解を生じさせる表現であったとすれば遺憾であると考えている。
また、右の報酬とは別に、震災発生後に東京電力から代表取締役に対して業務に必要な交通費及び出張旅費が支払われているとのことであるが、お尋ねの「金品」が何を指すのか必ずしも明らかではなく、金額をお答えすることは困難である。
東京電力によれば、顧問の人数については、平成二十三年三月十一日時点で二十六人であったところ、その後の退任等により、平成二十四年三月三十一日時点で十一人となり、そのうち有給の顧問が八人であり、無給の顧問が三人であったが、同日付けで全て退任したとのことであり、これらの延べ人数は二十九人であるとのことである。また、平成二十三年三月十一日以降、有給の顧問に対して支払われた報酬額の合計は約一億五千六百万円であり、有給の顧問の在職月数の総数を用いて一人当たりの報酬額を算定すると月額で約九十万円とのことである。
また、各顧問においては、経営に係る専門的な知識や経験に基づき助言を行っていたとのことであるところ、各顧問について、①氏名、②東京電力における最終の役職及び外部からの出身者の場合は出身省庁等をお示しすると、次のとおりであるとのことである。
①青木満 ②フェロー
①荒木浩 ②代表取締役会長
①石田徹 ②経済産業省
①榎本聰明 ②代表取締役副社長
①大西博康 ②取締役
①尾崎之孝 ②常務取締役
①片倉百樹 ②執行役員
①加納時男 ②代表取締役副社長
①川島毅 ②国土交通省
①栗本英雄 ②警察庁
①近藤純一 ②国際協力銀行
①清水正孝 ②代表取締役社長
①白川進 ②代表取締役副社長、通商産業省(当時)
①田村滋美 ②代表取締役会長
①築舘勝利 ②監査役会会長
①津田廣喜 ②財務省
①那須翔 ②代表取締役会長
①服部拓也 ②代表取締役副社長
①早瀬佑一 ②代表取締役副社長
①藤川寛之 ②建設省(当時)
①伏見健司 ②常務取締役
①桝本晃章 ②代表取締役副社長
①水谷克己 ②常務取締役
①南直哉 ②代表取締役社長
①峰松昭義 ②理事
①武藤栄 ②代表取締役副社長
①村田隆 ②監査役会会長
①谷内正太郎 ②外務省
①吉越洋 ②フェロー
震災発生後に退任した取締役に対して退職慰労金は支払われていないと承知している。
なお、東京電力及び機構は、平成二十四年春をめどに法に基づき認定特別事業計画の変更の申請を行うこととしており、それまでに、退職慰労金の請求権の放棄を始めとする、更なる経営責任の明確化のための方策について検討がなされるものと認識している。
東京電力によれば、東京電力が平成二十三年度末時点で所有している不動産について、平成二十二年度末時点の連結上の簿価は、電気事業用資産について約七千三百四十一億円、非電気事業用資産について約四千五百六十二億円であるとのことである。
なお、認定特別事業計画において、東京電力は、電気事業に直接用いていない不動産について、用途等により処分方針を分類し、売却することとしたものについては、原則三年以内に売却を実施することとされている。
お尋ねのような事実はない。