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答弁本文情報

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平成二十四年七月三十一日受領
答弁第三五〇号

  内閣衆質一八〇第三五〇号
  平成二十四年七月三十一日
内閣総理大臣 野田佳彦

       衆議院議長 横路孝弘 殿

衆議院議員阿部知子君提出私的さい帯血バンクの実態に関する再質問に対し、別紙答弁書を送付する。





衆議院議員阿部知子君提出私的さい帯血バンクの実態に関する再質問に対する答弁書



一について

 厚生労働省としては、平成二十二年一月に、日本造血細胞移植学会、全国の公的バンク(「平成十一年度における臍帯血移植推進事業について」(平成十一年六月二日付け健医発第八百四十一の二号厚生省保健医療局長通知)による臍帯血バンク事業を実施するさい帯血バンクをいう。以下同じ。)により構成される日本さい帯血バンクネットワーク及び民間さい帯血バンク連絡協議会の幹事である株式会社ステムセル研究所から、いわゆるさい帯血プライベートバンク(以下「プライベートバンク」という。)に関する情報について聞き取りを行った結果、経営が破綻したつくばブレーンズ株式会社を含め四社のプライベートバンクを把握し、また、プライベートバンクによるさい帯血の採取・保管はいわゆる再生医療を目的とする傾向が強いことや、つくばブレーンズ株式会社が保管していたさい帯血を公的バンクが移植用として引き受けることは品質の保証ができないため困難との考えを確認した。
 同省としては、これらの情報を前提に、平成二十二年二月を回答期限として全国の産科医療機関のうち分娩数の多い六百七十七施設に対して、プライベートバンクに関する情報を収集するための調査を行った結果、「信頼性の観点よりさい帯血バンクの会社と契約することを控えています。」、「貴重なさい帯血を有効に使われると良いと思います。」等の回答を得たが、事前に把握していた四社以外のプライベートバンクは把握できなかったため、報告書は取りまとめていない。
 同省としては、「さい帯血移植の安全性の確保について」(平成十四年八月二十六日付け健臓発〇八二六〇〇一号厚生労働省健康局疾病対策課臓器移植対策室長通知)により、日本造血細胞移植学会等の関係学会等に対して、さい帯血移植を行う際には、公的バンクを介さない場合であっても、公的バンクと同等の安全性基準に基づき提供されたさい帯血を用いて安全かつ有効に実施するよう要請しているが、関係学会等に対して、さい帯血移植を行う際には、安全かつ有効に実施するよう重ねて要請していきたい。

二の(一)について

 厚生労働省としては、平成十四年八月十九日付けの日本造血細胞移植学会の声明文を受けて、一についてでお答えしたとおり、関係学会等に対して、さい帯血移植を行う際には、公的バンクを介さない場合であっても、公的バンクと同等の安全性基準に基づき提供されたさい帯血を用いて安全かつ有効に実施するよう要請している。
 また、お尋ねの社団法人日本産婦人科医会母子保健部(当時)の見解と要望については、今後、外国における議論の動向等も考慮した上で、対応を検討していきたい。

二の(二)及び(三)について

 お尋ねの趣旨が必ずしも明らかではないが、つくばブレーンズ株式会社の経営破綻により同社の契約の相手方が被った損害については、基本的には同社が責任を負うべきものであり、また、先の答弁書(平成二十四年七月十七日内閣衆質一八〇第三三一号)五についてでお答えしたとおり、さい帯血移植が必要な方に対するさい帯血の提供については、公的バンクで安全かつ有効なさい帯血移植を実施するための安全性基準に基づき、全国的に公平かつ適正に実施されていること等から、厚生労働省としては、お尋ねの被害実態の詳細な調査やプライベートバンクの経営破綻の再発防止に向けた取組は行っていない。
 また、プライベートバンクについては、外国における議論の動向等も考慮した上で、対応を検討していきたい。

三の(一)及び(二)について

 御指摘の世界保健機関による共通コードについては、今後、具体的な議論が行われると承知しているが、当該共通コードは、外国へのさい帯血の提供等を行う場合に、安全性の確保の観点から有用なものであると考えている。
 また、プライベートバンクについては、外国における議論の動向等も考慮した上で、対応を検討していきたい。
 なお、国際輸血学会が定めた血液事業の共通コードについては、現時点でさい帯血の管理に本格的に用いている公的バンクはないと承知している。

三の(三)について

 公的バンクでは、日本さい帯血バンクネットワークが策定した「さい帯血採取基準書」に基づき、さい帯血の採取時にさい帯血が移植又は移植に関する研究に用いられることについて同意を得ることとしているが、採取時の説明内容等については、公的バンクごとに異なるところもあることから、御指摘のような再度の同意を得ることとするかについては、各公的バンクに対して、さい帯血の採取時の説明内容等を考慮して、適切に対応するよう要請していきたい。

三の(四)について

 御指摘の人体組織の採取については、厚生労働省では、都道府県等を通じ医療機関等に対して、「「臓器の移植に関する法律」の運用に関する指針(ガイドライン)」(平成九年十月八日付け健医発第千三百二十九号厚生省保健医療局長通知別紙)により、「組織の摘出に当たっては、組織の摘出に係る遺族等の承諾を得ること」や「遺族等に対して、摘出する組織の種類やその目的等について十分な説明を行った上で、書面により承諾を得ること」を要請し、また、日本組織移植学会では、傘下の医療機関等に対して、同学会が作成した「ヒト組織を利用する医療行為の倫理的問題に関するガイドライン」や「ヒト組織を利用する医療行為の安全性確保・保存・使用に関するガイドライン」に基づき実施することを要請していることから、同省としては、現時点で新たな規制が必要とは考えていないが、今後、御指摘の観点も踏まえつつ、外国における議論の動向等も考慮した上で、対応を検討していきたい。



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