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答弁本文情報

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平成二十七年一月九日受領
答弁第一号

  内閣衆質一八八第一号
  平成二十七年一月九日
内閣総理大臣 安倍晋三

       衆議院議長 町村信孝 殿

衆議院議員岡田克也君提出集団的自衛権の行使を容認する憲法解釈の変更等に関する質問に対し、別紙答弁書を送付する。





衆議院議員岡田克也君提出集団的自衛権の行使を容認する憲法解釈の変更等に関する質問に対する答弁書



一の1から7までについて

 「国の存立を全うし、国民を守るための切れ目のない安全保障法制の整備について」(平成二十六年七月一日閣議決定。以下「本閣議決定」という。)でお示しした「武力の行使」の三要件(以下「新三要件」という。)の第一要件にいう「我が国の存立が脅かされ、国民の生命、自由及び幸福追求の権利が根底から覆される明白な危険がある」とは、他国に対する武力攻撃が発生した場合において、そのままでは、すなわち、その状況の下、武力を用いた対処をしなければ、国民に我が国が武力攻撃を受けた場合と同様な深刻、重大な被害が及ぶことが明らかな状況であるということをいうものと解される。いかなる事態がこれに該当するかについては、事態の個別具体的な状況に即して、政府が全ての情報を総合して客観的、合理的に判断することとなるため、一概にお答えすることは困難である。

一の8から10までについて

 新三要件の第一要件にいう「我が国と密接な関係にある他国」については、一般に、外部からの武力攻撃に対し、共通の危険として対処しようという共通の関心を持ち、我が国と共同して対処しようとする意思を表明する国を指すものと考えている。いかなる国がこれに当たるかについては、あらかじめ特定される性質のものではなく、武力攻撃が発生した段階において、個別具体的な状況に即して判断されるものであり、お尋ねについて一概にお答えすることは困難である。

一の11について

 お尋ねについては、平成二十六年七月十四日の衆議院予算委員会において、安倍内閣総理大臣が「新三要件に言う必要最小限度とは、我が国の存立が脅かされ、国民の生命、自由及び幸福追求の権利が根底から覆される原因をつくり出している、我が国と密接な関係にある他国に対する武力攻撃を排除し、我が国の存立を全うし、国民を守るための必要最小限度を意味するわけであります。」と答弁しているとおりである。

二の1、2及び4から9までについて

 従来から、武力行使の目的を持って武装した部隊を他国の領土、領海、領空へ派遣するいわゆる「海外派兵」は、一般に、自衛のための必要最小限度を超えるものであって、憲法上許されないが、他国の領域における武力行動でいわゆる自衛権発動の三要件に該当するものがあるとすれば、憲法上の理論としては、そのような行動をとることが許されないわけではないと考えてきており、このような考え方は、新三要件の下で行われる自衛の措置としての「武力の行使」にもそのまま当てはまるものと考えられる。また、与党内の議論については政府としてお答えする立場にないが、国際連合安全保障理事会によるいわゆる集団安全保障の措置と憲法との関係については、平成二十六年九月三十日の衆議院本会議において、安倍内閣総理大臣が「憲法上、我が国による武力の行使が許容されるのは、あくまで新三要件を満たす場合に限定されます。これは、国際法上の根拠が集団的自衛権となる場合でも、国連安保理決議が採択され、その根拠が集団安全保障となる場合でも、変わりません。」と答弁しているとおりである。いかなる場合が新三要件に該当するかについては、事態の個別具体的な状況に即して、政府が全ての情報を総合して客観的、合理的に判断することとなるため、一概にお答えすることは困難である。仮に、新三要件に該当し、自衛の措置としての「武力の行使」を行うこととなった場合であっても、その後新三要件に該当しなくなった場合には、我が国は「武力の行使」を終了しなければならない。

二の3について

 本閣議決定に基づく安全保障法制の具体的な在り方、法整備の内容、国会への法案の提出の時期等については検討中であり、お尋ねについてお答えすることは差し控えたい。

三について

 御指摘の「正当な自衛権の行使」の意味するところが必ずしも明らかではないが、いずれにせよ、憲法第九条の下で許される「武力の行使」は、新三要件に該当する場合の自衛の措置としての「武力の行使」に限られる。

四の1について

 本閣議決定に示されている「「現に戦闘行為を行っている現場」ではない場所」といわゆる「非戦闘地域」とは、現に戦闘行為が行われていない地域又は場所であるという点で共通しているが、いわゆる「非戦闘地域」は、「そこで実施される活動の期間を通じて戦闘行為が行われることがないと認められる地域」である点において本閣議決定に示されている「「現に戦闘行為を行っている現場」ではない場所」とは異なる。

四の2について

 政府においては、離島の周辺地域等において外部から武力攻撃に至らない侵害が発生し、近傍に警察力が存在しない場合や警察機関が直ちに対応できない場合の対応において、治安出動や海上における警備行動の発令手続を経ている間に、不法行為による被害が拡大することがないよう、状況に応じた早期の下令や手続の迅速化のための方策について検討を行っているところである。



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