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平成二十七年一月九日受領
答弁第二号

  内閣衆質一八八第二号
  平成二十七年一月九日
内閣総理大臣 安倍晋三

       衆議院議長 町村信孝 殿

衆議院議員柚木道義君提出病院、診療所など医療機関の所有あるいは貸与する当該施設と連接した敷地内に薬局を設置することに関する質問に対し、別紙答弁書を送付する。





衆議院議員柚木道義君提出病院、診療所など医療機関の所有あるいは貸与する当該施設と連接した敷地内に薬局を設置することに関する質問に対する答弁書



一について

 保険薬局については、保険薬局及び保険薬剤師療養担当規則(昭和三十二年厚生省令第十六号)第二条の三第一項において、その担当する療養の給付に関し、保険医療機関と一体的な構造とし、又は保険医療機関と一体的な経営を行うことを行ってはならないこととされている。
 これは、保険薬局が保険医療機関との間で構造上の独立性を確保していない場合、当該保険医療機関を受診した患者に対して当該保険薬局が調剤を行うことが想定されるところ、たとえ両者の経営者が形式的に異なっているとしても、当該保険医療機関を受診する患者が少なくなれば、当該保険薬局を訪れる患者も少なくなるなど、実質的には経営上の一体性を有することが考えられることから、経営上の独立性に加えて、構造上の独立性も求めているものである。したがって、構造上の独立性を確保するためには、必ずしも両施設の敷地がフェンス等で区切られていることまでを求めているものではないが、当該保険医療機関を受診した患者を含む一般人が自由に通行できるような公道又はこれに準ずる道路等を介して、両施設の利用者が両施設の一方から他方へ移動することができるような構造とすることは必要であると考えている。

二及び三について

 御指摘の「利便性」の意味するところが必ずしも明らかではないが、「保険薬局と保険医療機関との一体的な構造を規制する規定の解釈の見直し(あっせん)」(平成二十六年十月三十一日付け総評相第二百四十七号総務省行政評価局長通知)においては、「身体が不自由な者等の利便に配慮する観点」から、厚生労働省地方厚生局長(地方厚生支局長を含む。)が保険薬局と保険医療機関との構造上の独立性を確認する上で、「「両施設の敷地境界がフェンス等によって仕切られている必要がある」といった杓子定規な考え方」をしないこととすべきとされているものであり、御指摘のように、厚生労働省に対し、「一律にフェンスを取り払うように」とあっせんしているものではない。

四について

 医療法(昭和二十三年法律第二百五号)第十五条の二においては、病院等の管理者は、病院等の業務のうち、診療等に著しい影響を与えるものとして政令で定めるものを委託しようとするときは、当該業務を適正に行う能力がある者として厚生労働省令で定める基準に適合するものに委託しなければならないこととされているが、お尋ねの「院内における調剤業務」については、診療行為等医療の提供そのものに関わる業務であるため、当該業務の委託を認めることは考えていない。

五について

 御指摘の「調剤にかかる調剤報酬」については、保険薬局の薬剤師が独立した立場で、医師の処方内容の確認を行い、その上で、重複した投薬の防止及び薬剤の相互作用の確認を行うこと等により、患者に対する薬学的な管理を行うことを評価したものであるため、保険薬局の立地状況のみに基づいて、保険医療機関と隣接した敷地内の保険薬局における調剤について、保険医療機関における調剤と同様の評価を行うことは適当でないと考えている。

六について

 平成二十六年度診療報酬改定においては、主治医機能を評価する観点から、中小病院及び診療所の医師が複数の慢性疾患を有する患者に対し、医療の提供を含めた総合的な健康管理を継続的に行うことに対する診療報酬上の評価を行い、原則として保険医療機関において調剤を行うことを当該評価の要件としたところである。他方、保険医療機関と保険薬局が連携して、患者が処方されている全ての薬剤を管理するために必要な要件を満たす場合には、例外的に院外処方を可能としているところ、この場合の調剤報酬については、保険薬局の薬剤師が専門的な観点から行う患者に対する薬学的な管理を評価するものであるため、保険医療機関と隣接した敷地内の保険薬局における調剤について、保険医療機関における調剤と同様の評価を行うことは適当でないと考えている。



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