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平成二十七年一月九日受領
答弁第六号

  内閣衆質一八八第六号
  平成二十七年一月九日
内閣総理大臣 安倍晋三

       衆議院議長 町村信孝 殿

衆議院議員長妻昭君提出GPIFにおける年金積立金運用リスクの想定損失額等に関する質問に対し、別紙答弁書を送付する。





衆議院議員長妻昭君提出GPIFにおける年金積立金運用リスクの想定損失額等に関する質問に対する答弁書



一について

 お尋ねのリスクには、様々なものがあることから、お尋ねに一概にお答えすることは困難である。

二について

 お尋ねの「前項のようなリスクの考え方」が何を指すのか必ずしも明らかではないため、お答えすることは困難であるが、基本ポートフォリオの作成及び変更に際し、必要な利回りを確保することができる複数の資産構成割合を候補として選択し、当該候補の中から損失のおそれが最小となるものを選択し、最終的に決定することは、年金積立金の運用において一般的であると理解している。
 このような考え方は、年金積立金管理運用独立行政法人(以下「GPIF」という。)において平成十八年四月の法人の設立以来採用しているものである。
 また、国家公務員共済年金積立金の運用についても基本的に同様の考え方を採用している。

三について

 お尋ねの「確率九五%での最大損失額」が具体的に何を指すのか必ずしも明らかではないが、GPIFが平成二十六年十月に変更した中期計画で定めた基本ポートフォリオ(以下「新基本ポートフォリオ」という。)における信頼区間九十五パーセントで予想される最大損失額は、同年九月末の積立金残高及び経済中位ケース(GPIFの基本ポートフォリオの変更を含む中期計画の変更の際に示された経済中位ケースをいう。以下同じ。)を想定すると約二十一・五兆円である。また、同年十月に変更する前の中期計画で定めた基本ポートフォリオにおいて同様の想定をすると、約十・四兆円である。

四について

 新基本ポートフォリオに、平成二十年度の各資産の市場平均収益率を当てはめた場合、その収益率は約マイナス二十一・二パーセントである。同年度の投下元本平均残高(期初の運用資産時価に期中に発生した資金追加・回収の加重平均を加えたものをいう。)を前提にした場合の収益額は、約マイナス二十六・二兆円である。また、同年度の実際の収益額は約マイナス九・三兆円、収益率は約マイナス七・六パーセントである。
 なお、新基本ポートフォリオに、平成十六年度から平成二十五年度までの過去十年間の各資産の市場平均収益率を当てはめた場合の収益率は約四・三パーセントであり、実際の収益率の約三・二パーセントを上回っている。

五から七までについて

 新基本ポートフォリオにおける国内株式の将来にわたる運用から獲得することが期待できる平均的な収益率(以下「期待リターン」という。)は、経済が再生する経済中位ケースで六・〇パーセント、足下の市場状況から想定される市場基準ケース(基本ポートフォリオの変更の際に示された市場基準ケースをいう。以下同じ。)で五・二パーセントとしている。
 国内株式の期待リターンは、短期金利にリスクプレミアム(運用資産の収益率のうち、債務不履行リスクがない資産の収益率を上回る部分をいう。以下同じ。)を上乗せする標準的な方法で推計している。リスクプレミアムの算出に当たっては、昭和五十八年からバブル経済崩壊前である平成元年までの最も高いケースから、バブル経済崩壊後の平成五年から平成二十五年までの最も低いケースまで、全部で八ケースの数値を推計し、これらのうち、上から五番目を経済中位ケースに、上から七番目を市場基準ケースに、それぞれ当てはめているものである。したがって、推計に当たって、バブル経済崩壊の影響を外したものではなく、「楽観的すぎる」との御指摘は当たらないものと考えている。

八について

 米国の社会保障年金制度の積立金である社会保障信託基金では全て非市場性の米国債を保有しており、お尋ねの同基金の利回りは、平成二十五年度において約三・八パーセントであると承知している。また、お尋ねのリスクについては、具体的に何を指すのか必ずしも明らかではないことから、お答えすることは困難である。

九について

 お尋ねのクリントン政権時代に株投資がされなかった理由については、政府として承知していない。なお、社会保障信託基金の株式投資については、平成十一年三月に、米国下院議会において当時の米国連邦準備制度理事会のグリーンスパン議長より、政府の介入による市場の効率性への影響の懸念等がある旨の証言がなされたものと承知している。



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