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平成二十七年四月十四日受領
答弁第一八二号

  内閣衆質一八九第一八二号
  平成二十七年四月十四日
内閣総理大臣 安倍晋三

       衆議院議長 町村信孝 殿

衆議院議員田島一成君提出商品先物取引法における不招請勧誘禁止緩和に関する再質問に対し、別紙答弁書を送付する。





衆議院議員田島一成君提出商品先物取引法における不招請勧誘禁止緩和に関する再質問に対する答弁書



一について

 御指摘の「セールストークを含む実質的な勧誘」の意味するところが必ずしも明らかでないが、お尋ねについては、先の答弁書(平成二十七年三月二十日内閣衆質一八九第一二七号)一及び二についてでお答えしたとおり、商品先物取引業者は、商品取引契約の締結の勧誘の要請をしていない顧客に対し、当該勧誘に先立って他社での取引経験の有無等の商品取引契約を締結することができる条件の説明を行い、当該顧客が当該条件を満たすか否か確認することは認められるが、当該顧客が当該条件を満たさないことが判明したにもかかわらず勧誘を行った場合には、商品先物取引法(昭和二十五年法律第二百三十九号。以下「法」という。)第二百十四条第九号の規定に違反することとなる。

二について

 商品先物取引法施行規則の一部を改正する省令(平成二十七年農林水産省・経済産業省令第一号。以下「改正省令」という。)による改正後の商品先物取引法施行規則(平成十七年農林水産省・経済産業省令第三号。以下「新省令」という。)第百二条の二第三号ロにおいて、商品先物取引業者が顧客の年収や金融資産等について書面により確認し、かつ、これを十年間保存することを条件として行う勧誘行為を、法第二百十四条第九号に規定する「委託者等の保護に欠け、又は取引の公正を害するおそれのない行為」に該当するものとして定めた趣旨は、口頭により確認するだけでは委託者の保護に欠けるおそれがあると考えたからであり、お尋ねのような書類に限定して当該確認及び当該保存を行うこととする必要はないと考えている。

三について

 新省令第百二条の二第三号ハ(1)に規定する十四日以内の期間(以下「熟慮期間」という。)は、顧客が商品先物取引を行うかどうかについて、契約の締結後に再考する期間を確保するためのものであるが、平成二十三年一月一日に廃止された海外商品市場における先物取引の受託等に関する法律(昭和五十七年法律第六十五号)第八条第一項に規定する期間のみと比較されるべきものではなく、年齢に関する要件、年収や金融資産に関する要件、新省令第百二条の二第三号イ(3)(@)に規定する「法第二百十七条第一項第一号から第三号までに掲げる事項について適切な理解をしていること」の確認に関する要件及び新省令第百二条の二第三号ハ(2)の投資上限額の設定に関する要件等の重層的な顧客保護に関する要件と相まって、委託者保護に資するものであると考える。また、熟慮期間中に顧客から求めがあったかどうかについては、御指摘の「商品先物取引業者等の監督の基本的な指針」において、「外務員は、熟慮期間・・・中の顧客に対し、顧客自らの意思で商品先物取引を行うか否か判断することを促す観点から、顧客からの求めがない限り、当該顧客への情報提供等の顧客への接触を行うことは適当でない。」としているところであり、顧客から寄せられた苦情及び相談並びに報告徴収及び立入検査により得られた個々の情報に基づいて確認するものと考えている。

四について

 新省令第百二条の二第三号ハ(2)で、投資上限額を設け、その額を顧客の年収と保有金融資産額との合計額の三分の一以下としている趣旨は、商品先物取引により顧客に損失が生じたとしても、顧客の日常生活に必要な資金が確保されるようにするためであり、お尋ねのように「過大にすぎる」とも「動機ともなりかねない」とも考えていない。

五について

 お尋ねの「当該取引」については、商品先物取引業者が新省令第百二条の二第三号ハ(3)(@)から(B)のいずれかに該当する場合に行った法第二条第三項各号に掲げる取引に該当する先物取引を指している。

六について

 御指摘の「新たな取引類型」については、その意味するところが必ずしも明らかではないため、お答えすることは困難であるが、新省令第百二条の二第二号及び第三号の規定は、法第二百十四条第九号に規定する「委託者等の保護に欠け、又は取引の公正を害するおそれのない行為」に該当する勧誘行為を定めたものである。

七について

 「規制改革実施計画」(平成二十五年六月十四日閣議決定。以下「閣議決定」という。)における御指摘の「行為規制については、垣根を取り払い横断的に市場環境を整備するとの基本的な考え方の下で、関係法令を整備する。」との文言については、いわゆる総合取引所における商品関連市場デリバティブ取引に係る行為規制について記載したものであり、御指摘の金融商品取引業等に関する内閣府令(平成十九年内閣府令第五十二号)第百十七条第一項第八号の二の規定は、これを受けて定められたものである。一方、改正省令は、閣議決定で「勧誘等における禁止事項について、顧客保護に留意しつつ市場活性化の観点から検討を行う」とされたことを受け、法に規定する勧誘規制の見直しを行ったものである。

八及び九について

 新省令第百二条の二第二号又は第三号に規定する勧誘については、法第二百十四条第九号に定める「委託者等の保護に欠け、又は取引の公正を害するおそれのない行為」に該当するものとして定めたものである。改正省令附則第二条第一項では、改正省令の施行後一年を目途として、改正省令の施行の状況について検討を加え、必要があると認めるときは、その結果に基づいて所要の措置を講じることを規定しており、改正省令附則第二条第二項の規定は、改正省令の施行後一年を経過しない期間において、仮に、商品先物取引業者による新省令の規定に違反するような勧誘行為が多発すること等により勧誘の実態が委託者の保護に欠けると認める場合にあっては、新省令の見直しを含め、速やかに所要の措置を講ずるという主務大臣の取るべき対応を定める趣旨であって、法第二百十四条第九号に規定する不当な勧誘行為の内容を変えるものではない。

十及び十一について

 経済産業省及び農林水産省としては、改正省令に係るパブリックコメントに寄せられた意見等の趣旨を踏まえ、年齢等のほか、年収や保有金融資産額等の観点からも商品先物取引業者が商品取引契約の締結について勧誘することができる顧客を限定するなど、当該パブリックコメントに付した案よりも更に顧客の保護を図った上で、改正省令を定めたところである。改正省令は重層的な委託者保護の仕組みを導入しているが、委託者の保護のため必要がある場合等は、適時適切な措置を講じていく考えである。



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