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平成二十八年八月八日受領
答弁第五一号

  内閣衆質一九一第五一号
  平成二十八年八月八日
内閣総理大臣 安倍晋三

       衆議院議長 大島理森 殿

衆議院議員玉木雄一郎君提出政府による中長期の経済財政試算に関する質問に対し、別紙答弁書を送付する。





衆議院議員玉木雄一郎君提出政府による中長期の経済財政試算に関する質問に対する答弁書



一について

 「中長期の経済財政に関する試算」(平成二十八年七月二十六日経済財政諮問会議提出。以下「七月試算」という。)において、平成三十二年度における名目GDPに対する国及び地方の税収等の比率が、それぞれ、「中長期の経済財政に関する試算」(平成二十八年一月二十一日経済財政諮問会議提出。以下「一月試算」という。)における当該比率と比べて高くなったのは、主に、平成二十七年度の名目GDPの実績値や「平成二十八年度内閣府年央試算」(平成二十八年七月十三日経済財政諮問会議提出)における平成二十八年度の名目GDPの見込みが、一月試算時の名目GDPの見込みと比べ低かったことに伴うものである。

二、五及び六について

 七月試算においては、昨年七月に公表した「中長期の経済財政に関する試算」(平成二十七年七月二十二日経済財政諮問会議提出)と同様、翌年度の概算要求基準等について議論する経済財政諮問会議の審議に資するため、同年度の歳出の前提について、賃金・物価の動向や一定の歳出改革等を勘案し、結果として高齢化等を除く歳出の増加率が賃金・物価上昇率の半分程度となると仮定して機械的に計算した。
 これは、「経済財政運営と改革の基本方針二〇一五」(平成二十七年六月三十日閣議決定。以下「基本方針二〇一五」という。)において、「一般歳出については、安倍内閣のこれまでの取組を基調として、社会保障の高齢化による増加分を除き、人口減少や賃金・物価動向等を踏まえつつ、増加を前提とせず歳出改革に取り組む」こととされていることを踏まえたものである。

三及び四について

 一月試算及び七月試算は、経済財政諮問会議での議論に資するため、基本方針二〇一五等に掲げたマクロ経済や財政健全化に関する目標の進捗状況を点検し、中長期の経済財政の姿を展望することを目的としている。
 したがって、一月試算及び七月試算は目的に必要な範囲で、経済成長率、基礎的財政収支、財政収支等を簡潔に示すこととしており、試算過程における数値は、正式に公表するものとしての検討は行っていないことから、お示ししていないところである。

七について

 七月試算における平成二十九年度の歳出に関する「賃金・物価の動向や一定の歳出改革等を勘案し、結果として高齢化等を除く歳出の増加率が賃金・物価上昇率の半分程度となる」との想定は、計算上の機械的な仮定である。

八について

 お尋ねの七月試算における全要素生産性上昇率の前提については、直近の実績値が一月試算時と比べ低下したことを織り込んでいるが、直近の水準で平成二十八年度まで推移した後、経済再生ケースでは二千二十年代初頭にかけて二・二パーセント程度まで、ベースラインケースでは二千二十年代初頭にかけて一・〇パーセント程度まで上昇するとの考え方は一月試算と同様である。

九について

 お尋ねの七月試算の経済再生ケースにおける全要素生産性上昇率の前提は、平成二十七年度が〇・四パーセント程度、平成二十八年度が〇・四パーセント程度、平成二十九年度が〇・八パーセント程度、平成三十年度が一・三パーセント程度、平成三十一年度が一・七パーセント程度、平成三十二年度以降が二・二パーセント程度である。
 お尋ねの七月試算のベースラインケースにおける全要素生産性上昇率の前提は、平成二十七年度が〇・四パーセント程度、平成二十八年度が〇・四パーセント程度、平成二十九年度が〇・八パーセント程度、平成三十年度が〇・九パーセント程度、平成三十一年度が〇・九パーセント程度、平成三十二年度以降が一・〇パーセント程度である。

十について

 七月試算は、経済財政諮問会議での議論に資するため、基本方針二〇一五等に掲げたマクロ経済や財政健全化に関する目標の進捗状況を点検し、中長期の経済財政の姿を展望することを目的としている。
 したがって、七月試算は目的に必要な範囲で、経済成長率、基礎的財政収支、財政収支等を簡潔に示すこととしており、個別の税目別の税収等、試算過程における数値は、正式の試算値としての検討は行っていないことから、お示ししていないところである。

十一について

 七月試算においては、平成三十一年十月の消費税率引上げに伴う駆け込み需要及び反動減について、それぞれの影響がほぼ平成三十一年度内に相殺される見込みである。

十二について

 七月試算の平成三十二年度の国と地方を合わせた基礎的財政収支及び財政収支については、ベースラインケースと比べ経済再生ケースの方が赤字幅が小さくなっており、ベースラインケースと比べ経済再生ケースの方が財政状況が悪化しているとは認識していない。



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