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平成二十九年二月十七日受領
答弁第四八号

  内閣衆質一九三第四八号
  平成二十九年二月十七日
内閣総理大臣 安倍晋三

       衆議院議長 大島理森 殿

衆議院議員仲里利信君提出国民健康保険の赤字の解消と前期高齢者交付金の格差の是正に関する質問に対し、別紙答弁書を送付する。





衆議院議員仲里利信君提出国民健康保険の赤字の解消と前期高齢者交付金の格差の是正に関する質問に対する答弁書



一及び十三について

 御指摘の「前期高齢者交付金制度」の意味するところが必ずしも明らかではなく、また、御指摘の「医療費の減少に繋がる努力の積み重ね」の具体的に意味するところが必ずしも明らかではないが、「国民健康保険事業年報(平成二十六年度)」(以下「国保年報」という。)によると、平成二十六年度の市町村(特別区を含む。以下同じ。)の国民健康保険料(地方税法(昭和二十五年法律第二百二十六号)の規定による国民健康保険税を含む。以下同じ。)の収納率は、全国が九十・九五パーセント、沖縄県が九十三・七二パーセントである。また、厚生労働省のホームページにおいて公表している「調剤医療費(電算処理分)の動向〜平成二十七年度版〜」によると、平成二十七年度末の市町村が行う国民健康保険(以下「市町村国保」という。)における後発医薬品割合(数量ベース)(保険薬局の所在する都道府県ごとに集計したもの)は、全国が六十四・一パーセント、沖縄県が七十五・〇パーセントである。
 このように、国民健康保険料の収納率及び後発医薬品割合のいずれについても、沖縄県内の市町村国保の平均が全国の市町村国保の平均を上回っているものと承知している。

二について

 お尋ねの「前期高齢者交付金制度の趣旨と目的、開始時期」の意味するところが必ずしも明らかではないため、お答えすることは困難であるが、高齢者の医療の確保に関する法律(昭和五十七年法律第八十号)においては、医療保険制度間の前期高齢者の偏在による医療費負担の不均衡を調整し、制度の安定性と公平性を確保するため、前期高齢者に係る保険者間の費用負担の調整を行うための制度(以下「前期高齢者財政調整制度」という。)を設けており、平成二十年度から前期高齢者財政調整制度を実施している。
 お尋ねの「全国と沖縄県内の市町村の加入割合」については、その意味するところが必ずしも明らかではないため、お答えすることは困難である。
 お尋ねの「交付金の算出方法」の意味するところが必ずしも明らかではないが、それが同法第三十二条第一項に規定する前期高齢者交付金の算定方法を意味するものであれば、各保険者に対して交付される毎年度の前期高齢者交付金の額は、同法第三十三条第一項において、原則として当該年度の概算前期高齢者交付金の額とすることとされており、概算前期高齢者交付金の額は、同法第三十四条第一項の規定により、当該年度における当該保険者に係る同条第二項の規定により算定した調整対象給付費見込額及び当該年度における同条第一項第二号に規定する前期高齢者に係る後期高齢者支援金の概算額の合計額から当該年度における同条第三項の規定により算定した概算調整対象基準額を控除して得た額とされている。

三及び九について

 お尋ねの「前期高齢者交付金制度が発足してから現在までに、沖縄県内の市町村が国民健康保険財政の赤字を補てんするために一般会計から法定外に繰り入れした総額」については、「前期高齢者交付金制度」の意味するところが必ずしも明らかではないが、平成二十年度から平成二十六年度までの各年度における沖縄県内の市町村の一般会計から国民健康保険特別会計への法定外の繰入金の総額のうち、国民健康保険特別会計の赤字を補填するための繰入金の総額は、約五百十六億円であり、その年度別の内訳をお示しすると次のとおりである。
 平成二十年度 約五十億円
 平成二十一年度 約七十四億円
 平成二十二年度 約六十四億円
 平成二十三年度 約五十二億円
 平成二十四年度 約七十五億円
 平成二十五年度 約八十九億円
 平成二十六年度 約百十一億円
 御指摘の「市町村が一般財源から国民健康保険財政の赤字を法定外で補てんすること」については、各市町村において、当該市町村における他の事務の適切な処理の観点も踏まえて判断しているものと認識しているが、市町村国保における赤字補填のための一般会計繰入金については、市町村国保の健全な財政運営の観点から、その計画的、段階的な削減が必要であると考えている。
 また、「前期高齢者交付金制度の発足時にどのような問題が生じることを想定していたのか」とのお尋ねについては、「前期高齢者交付金制度」の意味するところが必ずしも明らかではないため、お答えすることは困難である。
 さらに、「国民健康保険の赤字補てんのために一般会計からのさらなる支出が行われるであろうことを想定していたのか」とのお尋ねについては、前期高齢者財政調整制度は市町村が一般会計から国民健康保険特別会計へ法定外に繰入れすることと直接関連するものではないため、お答えすることは困難である。

四について

 お尋ねの「四六年前後」の意味するところが必ずしも明らかではないが、人口動態統計によると、全国(昭和二十年七月以前は樺太を含み、同年八月以降は沖縄県を除く。)の出生数は、昭和二十年が百六十七万七千六百二十人、昭和二十一年が百八十六万九千八百四十四人であるが、これらの数字は、昭和二十年においては火災による資料の焼失や調査不能地域の出現等により、昭和二十一年においては調査方法の変更により、完全性(網羅性)及び一貫性に欠けた数字である。また、沖縄県の出生数は、昭和二十年は調査不能のため、昭和二十一年は米国の施政下のため、把握していない。
 また、お尋ねの「全国と沖縄県内の前期高齢者の割合とそれに応じた交付金の交付状況」については、その意味するところが必ずしも明らかではないが、平成二十六年度の高齢者の医療の確保に関する法律による保険者の前期高齢者交付金等の額の算定等に関する省令(平成十九年厚生労働省令第百四十号)第十五条において読み替えて準用する同令第十条第一項に規定する全保険者平均前期高齢者加入率は〇・一四三七三八〇〇であり、国保年報によると、同年度の沖縄県内の各市町村国保における被保険者の総数に対する前期高齢者である被保険者の総数の割合及び前期高齢者交付金の額は、次のとおりである。
 那覇市 約二十一・四パーセント 二十四億二千三十九万七千八百八十四円
 うるま市 約十七・四パーセント 三億六千七百六十八万六千五百八十六円
 沖縄市 約十六・三パーセント 八千七百七十六万四千二百八十七円
 宜野湾市 約十八・三パーセント 三億四千三百六十七万四千六百八十一円
 宮古島市 約二十・七パーセント 三億五千四百十四万六千六円
 石垣市 約十六・七パーセント 零円
 浦添市 約十九・五パーセント 四億八千九百四十八万千八百七十三円
 名護市 約二十一・三パーセント 四億九千八百三十五万八千三百二十三円
 糸満市 約十八・六パーセント 二億三千八百六十六万二千二百六十四円
 国頭村 約二十五・〇パーセント 四千四百二十七万七千五百六十五円
 大宜味村 約二十六・六パーセント 七千二百三十五万三千九百十円
 東村 約十九・五パーセント 千五万七千四百六十六円
 今帰仁村 約二十一・三パーセント 一億千七百六万六千三百十五円
 本部町 約二十一・四パーセント 一億四千七百十六万六百五十五円
 恩納村 約十七・八パーセント 千二百十万九千四百十四円
 宜野座村 約二十・六パーセント 六千四百八十六万三千六十一円
 金武町 約二十一・八パーセント 一億千百十三万五千六百八十七円
 伊江村 約十九・三パーセント 二千九百四十九万七千十二円
 読谷村 約十八・〇パーセント 一億五千五百九十五万二千七百六十円
 嘉手納町 約十八・四パーセント 六千百七十万九千七百五十七円
 北谷町 約十七・三パーセント 七千百九十四万二千七百八十二円
 北中城村 約二十・一パーセント 一億四千二百五十二万九千百七十三円
 中城村 約十八・八パーセント 二千四百三十九万三千七百八十九円
 西原町 約二十一・六パーセント 三億四千六百七十二万六千百三円
 豊見城市 約二十一・一パーセント 四億二千六百六十九万四千八百九十二円
 八重瀬町 約十九・四パーセント 一億六千三百二十万二千九十六円
 与那原町 約二十・六パーセント 一億三千四百七十二万四千百四十三円
 南風原町 約二十・三パーセント 二億二千四百三十五万三千六百九十四円
 久米島町 約十九・八パーセント 六千五百六十二万三千五百二十五円
 渡嘉敷村 約十五・五パーセント 零円
 座間味村 約十二・五パーセント 零円
 粟国村 約二十三・一パーセント 五百二十万二千百七十三円
 渡名喜村 約三十一・三パーセント 千百十五万五千四百二十五円
 南大東村 約十八・四パーセント 四百八十八万六百十六円
 北大東村 約二十二・九パーセント 千六百八十一万六千九百三十九円
 伊平屋村 約二十・八パーセント 千四百七十二万九千三百五十四円
 伊是名村 約二十一・三パーセント 二千六十一万二千四百四十一円
 多良間村 約二十五・三パーセント 三千二百三万九千二百七十二円
 竹富町 約十四・八パーセント 零円
 与那国町 約十七・六パーセント 零円
 南城市 約二十三・五パーセント 五億六千八百二十三万九千六百二十五円
 お尋ねの「去る沖縄戦による出生数の急激な減少は沖縄の特殊事情として考えるべき事案であるか否か」については、その意味するところが必ずしも明らかではないため、お答えすることは困難である。

五について

 御指摘の「国民健康保険加入者一人当たりの交付額」が国民健康保険加入者一人当たりの前期高齢者交付金の額を意味するのであれば、政府としては、全国及び沖縄県の国民健康保険加入者の一人当たりの前期高齢者交付金の額については把握していないため、お答えすることは困難である。

六及び十五について

 御指摘の「前期高齢者交付金制度の趣旨と目的」及び「制度自体に問題があることや、沖縄戦での出生率の激変という沖縄の特殊事情」の意味するところが必ずしも明らかではないため、お答えすることは困難である。

七、十一及び十二について

 お尋ねの「沖縄県内の市町村における国民健康保険財政の赤字の状況」について、沖縄県内の各市町村国保における赤字補填のための一般会計繰入金を除いた場合の精算後単年度収支(以下「赤字補填目的繰入金控除後単年度収支」という。)の差引額の総額は、平成二十六年度において約マイナス百七億円であると承知している。
 市町村国保の赤字補填目的繰入金控除後単年度収支が赤字となる理由としては、一般に、医療給付費と保険料収入との不均衡等が考えられる。また、各市町村国保における赤字の理由を分析するに当たっては、当該市町村における被保険者の総数に対する子どもの被保険者の数の割合等、各市町村の事情についても考慮する必要がある。
 お尋ねの「国民健康保険財政の赤字」の今後の見通しについては、政府として承知していないため、お答えすることは困難である。
 お尋ねの「改善策」については、政府としては、平成二十七年度において、国民健康保険料の減額の対象となる所得の少ない者の数に応じた市町村国保に対する財政支援の額について、平成二十六年度の約九百八十億円から約千七百億円の拡充を行ったところである。また、御指摘の「特別調整交付金制度」についても、平成二十七年度において、沖縄県内の市町村における特別の事情も含む地域ごとの実情に鑑み、国民健康保険の国庫負担金等の算定に関する政令(昭和三十四年政令第四十一号)第四条第三項に規定する特別調整交付金の交付を行ったところである。平成二十八年度においてもこれらの支援と同様の支援を行うこととしている。また、平成三十年度以後、市町村国保への財政支援を拡充することとしており、沖縄県及び沖縄県内の市町村における特別の事情も含む地域ごとの実情を踏まえて対応を検討してまいりたい。

八について

 御指摘の報道については承知していないため、お答えすることは困難である。

十について

 お尋ねの国民健康保険料の引上げの実施状況については、例えば、「国民健康保険事業年報(平成二十五年度)」及び国保年報によると、沖縄県内の市町村国保における「応能割率」及び「応益割額」は、平成二十五年度において十一・一パーセント及び三万三千九百五十円であるのに対し、平成二十六年度は十一・二パーセント及び三万四千九百七十五円であるものと承知しているが、当該引上げの見通しについては承知していない。
 また、国民健康保険料は、各市町村における医療給付費や国民健康保険料の収納率等を踏まえて、当該市町村において定められるべきものと認識している。

十四について

 御指摘の「沖縄県内一人当たりの医療費」の意味するところが必ずしも明らかではないが、国保年報によると、都道府県ごとの市町村国保における一人当たり療養諸費合計(実績医療費)は、沖縄県が、平成二十六年度において約二十八万七千円と、全国で最も低くなっている。また、市町村国保の赤字補填目的繰入金控除後単年度収支が赤字となる理由については、七、十一及び十二についてでお答えしたとおりである。



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