答弁本文情報
平成二十九年二月十七日受領答弁第五一号
内閣衆質一九三第五一号
平成二十九年二月十七日
内閣総理大臣 安倍晋三
衆議院議長 大島理森 殿
衆議院議員逢坂誠二君提出政府が現行法上的確に対処できないとしている薬物テロ事案に関する質問に対し、別紙答弁書を送付する。
衆議院議員逢坂誠二君提出政府が現行法上的確に対処できないとしている薬物テロ事案に関する質問に対する答弁書
一について
国際的な組織犯罪の防止に関する国際連合条約を締結し、国際社会と協調して一層効果的にテロを含む組織犯罪を防止し及びこれと戦うためには、同条約第五条1(a)(@)に規定する行為を犯罪とする法整備が必要であると考えており、当該法整備に係る法律案を現在検討中である。
お尋ねの「薬物テロ事案」は、国際社会と協調してテロを含む組織犯罪を防止し及びこれと戦う上で、現行法の下では十分な対処が困難な場合があることを御理解いただくために例示したものであり、そのような場合があることは、右に述べた法整備の必要性を裏付ける一般的事実の一つとなり得ると考えている。
犯罪の成否については、捜査機関が収集した証拠に基づいて個々に判断すべき事柄であるため、一概にお答えすることは困難であるが、一般論として申し上げれば、予備罪については、実務上、「実行行為着手前の行為が予備罪として処罰されるためには、当該基本的構成要件に属する犯罪類型の種類、規模等に照らし、当該構成要件実現(実行の着手もふくめて)のための客観的な危険性という点からみて、実質的に重要な意義を持ち、客観的に相当の危険性の認められる程度の準備が整えられた場合たることを要する」(昭和四十二年六月五日東京高等裁判所判決)といった解釈が示されており、このような解釈を踏まえて個別の事案ごとに判断されるものと考えている。