答弁本文情報
平成二十九年五月十六日受領答弁第二八二号
内閣衆質一九三第二八二号
平成二十九年五月十六日
衆議院議長 大島理森 殿
衆議院議員緒方林太郎君提出テロ等準備罪に関する質問に対し、別紙答弁書を送付する。
衆議院議員緒方林太郎君提出テロ等準備罪に関する質問に対する答弁書
一及び二について
参議院議員福島みずほ君提出共謀罪及びテロ等準備罪に関する質問に対する答弁書(平成二十九年二月二十四日内閣参質一九三第二八号。以下「二八号答弁書」という。)八についてで述べた「テロ組織」は、国際的な組織犯罪の防止に関する国際連合条約(以下「本条約」という。)第五条1(a)(@)に規定する行為を犯罪とするための法整備に係る法律案の内容を検討中の段階において、本条約第二条(a)において定義された「組織的な犯罪集団」の典型として分かりやすいものを例示したものであり、この「テロ組織」の語は、二八号答弁書九についてで述べた「テロリズム」の一般的な意味を前提とし、当該「組織的な犯罪集団」のうちテロリズムに係るものとして用いたものである。
他方、今国会に提出している組織的な犯罪の処罰及び犯罪収益の規制等に関する法律等の一部を改正する法律案による改正後の組織的な犯罪の処罰及び犯罪収益の規制等に関する法律(平成十一年法律第百三十六号)第六条の二における「テロリズム集団」は、同条第一項において定義している「組織的犯罪集団」の典型として分かりやすいものを例示したものであり、右に述べた「テロリズム」の一般的な意味を前提とし、当該「組織的犯罪集団」のうちテロリズムに係るものとして用いたものである。
お尋ねの「テロ組織が関与して実行されるテロ行為以外の組織犯罪」としては、例えば、刑法(明治四十年法律第四十五号)第二百二十六条の二第一項、第四項又は第五項(人身売買)の罪、覚せい剤取締法(昭和二十六年法律第二百五十二号)第四十一条第一項(覚醒剤の輸入等)の罪等が考えられる。
お尋ねの「関与」とは、本条約第五条1(a)(@)に規定する行為の犯罪化について本条約上認められたオプションである「国内法上求められるときは、・・・組織的な犯罪集団が関与するもの」との要件にいう「関与」を指すものである。