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答弁本文情報

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平成二十九年六月十三日受領
答弁第三六一号

  内閣衆質一九三第三六一号
  平成二十九年六月十三日
内閣総理大臣 安倍晋三

       衆議院議長 大島理森 殿

衆議院議員逢坂誠二君提出政府のTOC条約の解釈に関する質問に対し、別紙答弁書を送付する。





衆議院議員逢坂誠二君提出政府のTOC条約の解釈に関する質問に対する答弁書



一から七までについて

 御指摘の取材における各発言の趣旨が必ずしも明らかではないが、国際的な組織犯罪の防止に関する国際連合条約(以下「本条約」という。)には、「イデオロギーに由来する犯罪」又はテロを本条約の全部又は一部の規定の適用対象から除外する旨を定めた規定はなく、また、本条約を採択した平成十二年の国際連合総会決議第二十五号に「国際的な組織犯罪の防止に関する国際連合条約が・・・拡大している国際的な組織犯罪とテロリストによる犯罪とのつながりとの戦いのための有効な手段であるとともに国際協力のために必要な法的枠組みとなることを強く確信」する旨の記載があること等を踏まえれば、本条約がテロを含む組織犯罪を防止し及びこれと戦うための国際協力を促進する上で重要な法的枠組みを定めるものであるとの認識は、国際的にも広く共有されているものと考えている。また、本条約第五条1は、犯罪行為の未遂又は既遂に係る犯罪とは別個の犯罪として、同条1(a)(@)が規定する行為であって故意に行われたもの又は同条1(a)(A)が規定する行為であって故意に行われたものの一方又は双方の犯罪化を義務付けているところ、我が国の現行の国内法制においては、同条1(a)(A)に規定する行為が処罰の対象とはされておらず、また、ごく一部の罪に係るものを除き、同条1(a)(@)に規定する行為も処罰の対象とはされておらず、当該義務は担保されていないことから、当該義務を誠実に履行して本条約を締結するための法整備として、現在国会で審議中の組織的な犯罪の処罰及び犯罪収益の規制等に関する法律等の一部を改正する法律案による改正後の組織的な犯罪の処罰及び犯罪収益の規制等に関する法律(平成十一年法律第百三十六号。以下「改正後組織的犯罪処罰法」という。)第六条の二第一項又は第二項の罪(以下「本罪」という。)を設けることが必要であると考えている。
 本罪においては、本条約第五条1(a)(@)に規定する行為の犯罪化に当たり、過去の国会における御議論を踏まえて処罰の対象を限定するために、当該犯罪化について本条約上認められているオプションである「国内法上求められるときは・・・組織的な犯罪集団が関与するもの」との要件の下で、組織的な犯罪の処罰及び犯罪収益の規制等に関する法律の規定との整合性を考慮しつつ、本条約第二条(a)において定義されている「組織的な犯罪集団」に相当する集団を我が国の国内法上適切に捉えるものとして、同法第二条第一項において定義されている「団体」のうち、テロリズム集団、暴力団、薬物密売組織等の「その結合関係の基礎としての共同の目的が別表第三に掲げる罪を実行することにあるもの」を「組織的犯罪集団」と定義した上で、本罪の対象犯罪として、死刑又は無期若しくは長期四年以上の懲役若しくは禁錮が定められている罪のうち、我が国における犯罪情勢等に照らして「組織的犯罪集団」が関与して遂行が計画されることが現実的に想定されるものを改正後組織的犯罪処罰法別表第四に掲げるなどしており、本罪の内容は、我が国が当該犯罪化の義務を誠実に履行するための法整備の在り方として適切であると考えている。



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