答弁本文情報
平成二十九年十二月十五日受領答弁第一〇一号
内閣衆質一九五第一〇一号
平成二十九年十二月十五日
衆議院議長 大島理森 殿
衆議院議員長妻昭君提出学校における働き方改革に関する質問に対し、別紙答弁書を送付する。
衆議院議員長妻昭君提出学校における働き方改革に関する質問に対する答弁書
一について
お尋ねの「教職員の過労死、過労自死の人数の推移」の具体的に意味するところが必ずしも明らかではないが、教職員の過労死(業務における過重な負荷による脳血管疾患若しくは心臓疾患を原因とする死亡又は業務における強い心理的負荷による精神障害を原因とする自殺による死亡をいう。以下同じ。)の発生件数について網羅的に把握していないため、その推移についてお答えすることは困難である。
政府としては、教職員について、「過労死等の防止のための対策に関する大綱」(平成二十七年七月二十四日閣議決定)を踏まえ、過労死等に関する調査研究を行っているところであり、その結果を踏まえ、過労死等の防止のための対策を効果的に推進してまいりたい。
公立の義務教育諸学校等の教育職員の給与等に関する特別措置法(昭和四十六年法律第七十七号。以下「給特法」という。)第二条第二項に規定する教育職員については、給特法第五条の規定により読み替えられた地方公務員法(昭和二十五年法律第二百六十一号)第五十八条第三項の規定により読み替えられた労働基準法(昭和二十二年法律第四十九号)第三十三条第三項の規定(以下「読み替えられた労働基準法第三十三条第三項の規定」という。)において、公務のために臨時の必要がある場合においては、労働基準法第三十三条第一項の規定にかかわらず、教育、研究又は調査の事業に従事する地方公務員については、同法第三十二条から第三十二条の五まで若しくは第四十条の労働時間を延長し、又は同法第三十五条の休日に労働させることができるとされているため、同法第三十六条第一項の規定に基づく労使協定がない場合であっても、公務のために臨時の必要がある場合においては、労働時間を延長し、又は休日に労働させることができる。なお、読み替えられた労働基準法第三十三条第三項の規定により、この場合において、公務員の健康及び福祉を害しないように考慮しなければならないとされており、また、給特法第六条第一項により、教育職員(管理職手当を受ける者を除く。)を正規の勤務時間(一般職の職員の勤務時間、休暇等に関する法律(平成六年法律第三十三号)第五条から第八条まで、第十一条及び第十二条の規定に相当する条例の規定による勤務時間をいう。)を超えて勤務させる場合は、政令で定める基準に従い条例で定める場合に限るものとするとされている。
給特法の「改正・見直し」等に係るお尋ねについては、平成二十九年六月二十二日に、新しい時代の教育に向けた持続可能な学校指導・運営体制の構築のための学校における働き方改革に関する総合的な方策について文部科学省から中央教育審議会に諮問し、同審議会において、給特法を含む教職員の勤務時間等に関する制度の在り方についても議論が行われているところであり、同省において、給特法の在り方について、同審議会における審議を踏まえつつ、慎重に検討してまいりたいと考えている。