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平成三十一年三月十九日受領
答弁第八六号

  内閣衆質一九八第八六号
  平成三十一年三月十九日
内閣総理大臣 安倍晋三

       衆議院議長 大島理森 殿

衆議院議員山井和則君提出毎月勤労統計調査における遡及改訂の意義と断層の評価等に関する質問に対し、別紙答弁書を送付する。





衆議院議員山井和則君提出毎月勤労統計調査における遡及改訂の意義と断層の評価等に関する質問に対する答弁書



一について

 例えば、BNPパリバ証券株式会社チーフエコノミストの河野龍太郎氏等が、平成二十七年四月十四日付の同社が発行する「Economic Spotlight」において、「サンプル入れ替えに伴う調整によって、二千十二年二月に遡及して賃金や労働時間のデータが修正され、特に所定内給与、現金給与総額の前年比の伸びが大きく下方改定された」こと、「サンプル入れ替え前は、所定内給与は二千十四年半ばから前年比で増加に転じていたが、サンプル入れ替え後、二千十四年中はマイナス基調となり、二千十五年一月からようやくプラスに転じている。足元で賃金が増加していることに変わりはないが、回復のタイミングは、サンプル入れ替え前より半年程度、後ズレしている」こと等を指摘していると承知している。

二について

 お尋ねの「政府統計」及び「過去の発表値に遡及して数値を改定すること・・・を行うべきでないこと」の意味するところが必ずしも明らかではないが、毎月勤労統計調査における賃金及び労働時間の指数を遡及改定しないことについて記した資料としては、例えば、平成三十年八月二十八日の統計委員会の資料六―二「「毎月勤労統計」の接続方法及び情報提供に係る統計委員会の評価(案)」(以下「統計委員会の評価(案)」という。)等がある。

三及び四について

 御指摘の「麻生議員提出資料」は、お尋ねのような問題を提起したものではなく、毎月勤労統計調査の調査対象事業所の入替え時に「非連続な動き(数値のギャップ)」が生じている旨を指摘したものである。

五及び六について

 お尋ねについては、平成二十七年十一月四日の経済財政諮問会議において、同会議の有識者議員から、「経済統計を改善するに当たり、横串で取り組むべき課題」の一つとして提起された「サンプル替えの際、足元の基調が変わったり、あるいは過去のデータが遡って大きく改定されたりするが、サンプル替えの仕方、あるいは遡及改訂する際の過去のサンプルとの整合性の確保の仕方などが統計によってばらばらであるという現状がある」旨指摘されたとおりであると承知している。

七について

 御指摘の「原則的な考え方」が分かるものとしては、平成二十八年八月三十一日の統計委員会横断的課題検討部会新旧データ接続検討ワーキンググループの資料一「「サンプル替えに伴い遡及改訂する際の過去サンプルとの整合性確保のあり方」に関する審議取りまとめ結果」において「各種統計調査の接続方法に係る『望ましい方法』」として結論付けられた「全数調査などベンチマークとなるものが存在する場合、それを利用して数値を確定する」等の記述、及び平成三十一年二月十九日の衆議院総務委員会における西村統計委員会委員長の「原則論を申し上げますと・・・調査統計ですが、これは、調査票をそのまま集計するので、原則として遡及改定はしないということを既に決めておりました」との参考人としての答弁があると承知している。

八について

 お尋ねの趣旨が必ずしも明らかではないが、御指摘の「遡及改定」を行うかどうかについては、個々の統計の目的、内容等に応じて判断されるべきものであると考えている。
 なお、国民経済計算の雇用者報酬については、毎月勤労統計調査とは異なり統計調査以外の方法により作成されるものであって、先の答弁書(平成三十一年三月一日内閣衆質一九八第五四号)九についてでお答えしたとおりの考え方に沿って、御指摘の「段差」の調整を行っているものである。

九について

 御指摘の「経済や社会情勢の実態」の具体的に意味するところが明らかではないため、お答えすることは困難である。

十について

 御指摘の「「現金給与総額推移(対前年比)」の実態」の具体的に意味するところが明らかではないため、お答えすることは困難である。

十一及び十二について

 御指摘の「標本の部分入替え」に関する「記述」については、「毎月勤労統計調査 平成三十年一月分結果確報」(平成三十年四月六日厚生労働省公表)以降の「結果速報」及び「結果確報」において、当該記述と同趣旨の記載事項として「調査事業所のうち三十人以上の抽出方法は、従来の二〜三年に一度行う総入替え方式から、毎年一月分調査時に行う部分入替え方式に平成三十年から変更した。賃金、労働時間指数とその増減率は、総入替え方式のときに行っていた過去に遡った改訂はしない」等と記載されている。
 また、御指摘の「断層」に関する「記述」については、「毎月勤労統計調査 平成三十年八月分結果速報」(平成三十年十月五日厚生労働省公表)以降の「結果速報」及び「結果確報」において、当該記述と同趣旨の記載事項として「平成三十年一月に標本の部分入替えや基準とする母集団労働者数の更新を行ったことにより、賃金と労働時間の前年同月比には、一定の断層が含まれる」等と記載されている。
 毎月勤労統計調査の「結果速報」及び「結果確報」(以下「結果速報等」という。)は、同調査の結果の概要が示されているものであるが、厚生労働省においては、統計の利用者にとっての分かりやすさや理解促進等の観点から、利用上の注意等の記載内容の見直しを随時行っており、これらの記載事項は、その中で結果速報等に記載されたものである。

十三について

 毎月勤労統計調査におけるベンチマーク(ウエイト)(同調査において平均賃金や平均労働時間を求める際の加重平均に用いる労働者数をいう。)の更新時に賃金及び労働時間の指数を御指摘のように「新旧計数をそのまま接続」することについては、統計委員会の評価(案)において「標準的な対応と評価できる」とされているところであり、現時点ではこうした対応について見直すことは考えていない。

十四について

 お尋ねの「断層」については、平成三十一年一月三十日の統計委員会の資料八「毎月勤労統計調査について」において「平成三十年一月分きまって支給する給与(常用労働者五人以上)【再集計値】」に係るものが示されており、その数値は〇・四パーセントである。

十五について

 御指摘の「昨年の毎月勤労統計調査結果」及び「現金給与総額(名目賃金)の伸び率および実質賃金の伸び率」の具体的に意味するところが明らかではないため、お答えすることは困難である。

十六について

 お尋ねの「原因」については、「毎月勤労統計調査 平成三十一年一月分結果速報」(平成三十一年三月八日厚生労働省公表)において「平成三十年に基準とする母集団労働者数(ベンチマーク)の更新を行ったため、平成三十年においてはベンチマークの違いによる断層が発生していました」と記載されているとおりである。

十七及び十八について

 御指摘の「労働者全体の賃金の水準」の「実態」及び「景気指標としての賃金変化率」の「実態」の具体的に意味するところが明らかではないため、お答えすることは困難である。



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