答弁本文情報
令和元年六月二十八日受領答弁第二五五号
内閣衆質一九八第二五五号
令和元年六月二十八日
衆議院議長 大島理森 殿
衆議院議員中谷一馬君提出公的年金制度だけでは、老後に満足な水準での生活を送ることが困難となり、夫婦二人世帯では老後生活に二千万円の資金が必要になるという金融庁の見解は政府の政策スタンスとは異なるので、報告書に関する質問に政府は答えないという閣議決定に関する質問に対し、別紙答弁書を送付する。
衆議院議員中谷一馬君提出公的年金制度だけでは、老後に満足な水準での生活を送ることが困難となり、夫婦二人世帯では老後生活に二千万円の資金が必要になるという金融庁の見解は政府の政策スタンスとは異なるので、報告書に関する質問に政府は答えないという閣議決定に関する質問に対する答弁書
一及び二について
御指摘の報告書においては、あたかも、公的年金中心の生活では、生活費として月五万円足りず、老後三十年で二千万円が足りないかのように述べられており、世間に著しい誤解や不安を与え、公的年金は老後の生活をある程度賄うものであるというこれまでの政府の政策スタンスとも異なるため、政府としては、当該報告書について、正式な報告書としては受け取らないとし、また、これを前提にしたお尋ねについては、お答えすることを差し控えるとしたところである。
高齢者の生活は多様であってそれぞれの方々が望ましいと考える生活水準や働き方の希望、収入、資産の状況も様々であり、お尋ねについて一概にお答えすることは困難である。
御指摘の説明資料については、金融審議会市場ワーキング・グループの議論の参考として、一律に必要な資産形成額を示すものではないことを前提に、退職後の支出と収入について一定の仮定を置いた上で、想定される資産形成の水準について例示を行ったものであり、これまでの政府の政策スタンスと基本的に異なるものではない。
高齢者の生活は多様であり、その資産の動向等について一概に述べることは困難であるため、一般論であっても、お尋ねについてお答えすることは困難である。
お尋ねについては、先の答弁書(令和元年六月十八日内閣衆質一九八第二一〇号)五についてでお答えしたとおりである。
御指摘の報告書では、あたかも、公的年金中心の生活では、生活費として月五万円足りず、老後三十年で二千万円が足りないかのように述べられており、これが世間に著しい誤解や不安を与えたものと考えている。
お尋ねについては、令和元年六月十八日の参議院財政金融委員会において、三井金融庁企画市場局長が、「この報告書においては、家計調査における高齢者世帯の平均的な収入と支出の差を比較して、あたかも公的年金だけでは生活費として月五万円足らないかのように、また、老後三十年で二千万円が不足するかのように述べており、世間に著しい誤解や不安を与え、(中略)審議会の議論をサポートする事務方として、配慮を欠いた対応により、今般、このような事態を招いたことを深く反省しており、国民の皆様に深くおわび申し上げます。」と述べているところである。