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答弁本文情報

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令和元年七月五日受領
答弁第二七七号

  内閣衆質一九八第二七七号
  令和元年七月五日
内閣総理大臣 安倍晋三

       衆議院議長 大島理森 殿

衆議院議員津村啓介君提出宮内庁によって陵墓に治定された古墳に関する質問に対し、別紙答弁書を送付する。





衆議院議員津村啓介君提出宮内庁によって陵墓に治定された古墳に関する質問に対する答弁書



一について

 御指摘の「宮内庁によって陵墓に治定された古墳」については、そもそも国有財産法(昭和二十三年法律第七十三号)第三条第二項第三号に掲げる皇室用財産であって、同法第九条の五の規定により宮内庁によって適切に管理しているものであるが、文化財保護法(昭和二十五年法律第二百十四号)第九十三条第一項に規定する周知の埋蔵文化財包蔵地に該当するものであることから、これを発掘しようとする場合には文化庁長官に対する届出等を要することとされるなど、同法の保護の対象となっている。

二及び三について

 陵墓については、御指摘の「百舌鳥・古市古墳群」を構成するものを含め、現に皇室において祭祀が継続して行われ、皇室と国民の追慕尊崇の対象となっていることから、静安と尊厳の保持が最も重要であると考えている。このため、陵墓への立入りについては、その管理に必要な場合以外は厳に慎むべきものと考えており、参道及び一般拝所を除き、一般来訪者の立入りを認めることは考えていないが、学術研究上の観点から必要不可欠な立入り要請に対しては、陵墓の本義に支障を及ぼさない限りにおいて、これを許可している。

四について

 宮内庁書陵部陵墓課は、陵墓の調査及び考証に関すること等をつかさどることとされているところ、同課所属の陵墓調査官一名及び首席研究官一名並びに同課陵墓調査室所属の五名は、いずれも考古学等の知見を有する職員であって、陵墓の調査及び考証等の事務に従事している。また、その調査の成果については、御指摘のとおり「書陵部紀要」で公表しており、平成二十一年度以降に刊行した「書陵部紀要」については、宮内庁のホームぺージにおいて公開しているところであり、加えて、同課が所蔵している考古資料については、学術研究上の要請に応えるため、同庁内での展示、博物館等への貸出し、研究者の調査の受入れ等に努めている。

五について

 陵墓の治定について様々な学説があることは承知しているが、四についてで述べた陵墓の調査及び考証等を通じて、陵墓の治定を覆すに足りる陵誌銘等の確実な資料が発見されない限り、現在の陵墓の治定を見直すことは考えていない。

六について

 明治天皇の伏見桃山陵の墳形については、「大正十五年皇室令第十二号皇室陵墓令正本附属書類」中の「大正十五年皇室陵墓令案皇族後見令案皇族遺言令案皇族会議議事録」において、「伏見桃山陵ノ営建ニ当リ慎重ナル研究ノ結果外形ヲ天智天皇ノ山科陵ニ則リ上円下方三段型ニ定メラレ伏見桃山東陵モ亦之ニ倣ヒ真ニ森厳嵩高ニシテ而カモ質実堅牢ナルヲ以テ本令ニ於テ上円下方三段型ヲ原則トシ事情ノ許サザル場合ニハ孝徳天皇陵ヲ始メ其ノ以後多ク採用セラレタル円丘型ニ拠ルコトニ規定シタリ」と記載されており、また、大正天皇の多摩陵の墳形については、「大正十五年昭和元年大正天皇崩御関係書類」中の「大正天皇多摩陵ノ陵形ヲ定メラルル件」において、「営建要項」として「陵形ハ上円下方トシ共ニ三段ト為スコト伏見桃山陵ニ準ス」と、「理由」として「皇室陵墓令第五条ニ於テ陵形ニ付上円下方及円丘ノ二種ヲ認ム伏見桃山陵ハ歴代ノ陵制ニ考ヘ質実堅牢森厳嵩高ヲ旨トシ上円下方三段型ト為ス」と記載されていると承知している。
 昭和天皇の武蔵野陵の墳形については、伏見桃山陵及び多摩陵の墳形にならったものである。

七について

 お尋ねの「この「世襲」の起点」の意味するところが必ずしも明らかではないが、憲法第二条の「世襲」とは、皇位が代々、天皇の血統に属する者によって継承されるということを規定したものである。



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