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答弁本文情報

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令和元年十月十五日受領
答弁第一四号

  内閣衆質二〇〇第一四号
  令和元年十月十五日
内閣総理大臣 安倍晋三

       衆議院議長 大島理森 殿

衆議院議員中谷一馬君提出MMT(現代貨幣理論)に関する質問に対し、別紙答弁書を送付する。





衆議院議員中谷一馬君提出MMT(現代貨幣理論)に関する質問に対する答弁書


一について

 国債金利は経済・財政の状況等の様々な要因を背景に市場において決まるものであり、「債務残高がいくらになったら金利がどうなるか」といった予測を行うことは困難であるが、国の債務残高の変化については、政府の財政運営に対する市場の信認に影響を与える可能性があることから、金利に影響を与え得る要因の一つであると考えられる。

二について

 現代貨幣理論(以下「MMT」という。)については、論者によって様々な主張があり、御指摘の「MMTに基づいた政策」が具体的にどのような政策を指すのかは必ずしも明らかではないが、「巨額の財政赤字でもインフレも金利上昇も起こっていない日本はMMTの成功例」という主張については、政府としてそのような考え方に基づく政策はとっておらず、令和七年度の国・地方を合わせたプライマリーバランス黒字化を目指すと同時に債務残高対GDP比の安定的な引下げを目指すなど、財政健全化に向けた取組を進めている。

三について

 御指摘の黒田日本銀行総裁の発言についてその背景や根拠等を必ずしも承知しているわけではなく、また、個別の理論が体系化されているか、理論としてどの部分が欠落しているかといったことについては、学術的評価に関することであり、政府としてお尋ねにお答えすることは差し控えたい。

四について

 御指摘の格付会社宛ての財務省の意見書については、平成十四年に、日本国債の格下げが行われたことに対して、より客観的な説明を求めるため、同省より外国格付会社に送付されたものである。

五について

 お尋ねの「政府が財政赤字支出をするに当たり国債を発行し、事業を行えば、財政支出額と同額の民間預金が生まれ、貨幣供給量が増える。したがって、資金供給の逼迫により金利が上昇することなく、財政破綻はしないと考える」及び「政府が国債を発行すればするほど民間の預金が増えるという意味であり、経済は活性化すると言える」の意味するところが必ずしも明らかではないが、政府としては、「巨額の財政赤字でもインフレも金利上昇も起こっていない日本はMMTの成功例」との考え方に基づく政策はとっておらず、引き続き財政運営に対する市場の信認を確保するため、財政健全化の取組を進めていく必要があると考えている。また、経済活性化に向け、成長戦略実行計画を強力に推進するなど、引き続き成長力の強化に向けた取組を進めていく考えである。

六について

 MMTについては論者によって様々な主張があり、また、御指摘の主張についてはその前提や根拠等が明らかではないため、政府としてお尋ねにお答えすることは差し控えたい。

七について

 財務省においては、個人向け国債によりその購入者は一定期間資産運用が可能であることを踏まえ、御指摘の「未来への贈り物。個人向け国債」という表現を用いているところである。しかしながら、国債は国の借金であることに変わりはないことから、将来世代へ負担を先送りすることなく、財政健全化の取組を進めていく必要があると考えている。

八について

 国債の元金償還及び利子支払については、政府が責任を持って行うこととしており、国債の償還が確実に行われるよう、財政健全化の取組を着実に進めてまいりたい。

九について

 御指摘の「MMTに対する批判、コメント」については、経済学者や外国政府の責任者など有識者の発言等の中で、MMTに対する評価の要点を抜粋しまとめたものであり、「肯定的な発言を排除し、わざわざ否定的なコメントだけを抜粋してまとめた」との御指摘は当たらないものと考えている。

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