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答弁本文情報

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令和二年十月二日受領
答弁第二七号

  内閣衆質二〇二第二七号
  令和二年十月二日
内閣総理大臣 菅 義偉

       衆議院議長 大島理森 殿

衆議院議員阿部知子君提出覆土なし除去土壌での食用作物の試験栽培に関する質問に対し、別紙答弁書を送付する。





衆議院議員阿部知子君提出覆土なし除去土壌での食用作物の試験栽培に関する質問に対する答弁書


一について

 お尋ねの「打合せ」については、御指摘の「検討会やワーキンググループ」における報告に向けて、技術的助言を得るため、農業等の専門家である一部の委員に案内を行い、実施したものである。

二について

 お尋ねの「WG」の資料及び議事録は、令和元年十一月十五日に開催された「除去土壌等の再生利用に係る放射線影響に関する安全性評価検討ワーキンググループ(令和元年度第一回)」の議事録に記載のとおり、一定の結論に至れば公表という取扱いをしているものであり、この考え方に基づいて、「中間貯蔵除去土壌等の減容・再生利用技術開発戦略検討会」(以下「検討会」という。)に、令和二年二月十日に開催された「除去土壌等の再生利用に係る放射線影響に関する安全性評価検討ワーキンググループ(令和元年度第二回)」の取りまとめた結果を報告し、一定の結論に至った後、環境省ウェブサイトに掲載を行うこととしている。

三の1について

 お尋ねの趣旨が必ずしも明らかではないが、御指摘の「ルール上問題ない」の回答の意図としては、原子力災害対策特別措置法(平成十一年法律第百五十六号)第二十条第二項の規定に基づく指示に伴う要請の対象に帰還困難区域における作物の栽培は含まれていないことからお答えしたものであり、同法において帰還困難区域における作物の栽培に係る制限はない。

三の2について

 お尋ねについては、生育及び安全性に関する科学的知見の充実を図るため、御指摘の「覆土のないパターン」での試験栽培を実施しているものである。

四の1について

 農地における管理の妥当性の検証として、放射性セシウムの作物への移行を確認する観点から、その一環として覆土なしの試験栽培を実施しているものである。

四の2について

 お尋ねの「農の再生」については、平成三十年三月二十七日に飯舘村長から申請のあった、特定復興再生拠点区域復興再生計画(以下「復興再生計画」という。)において、「農の再生ゾーン(概要)」中、「ゾーン内で各種作物を作付け・収穫し、その恵みを利活用する「農の営み」を再生するために必要な農用地等の利用環境を整え、長泥地区における「農」による生きがいの再生、なりわいの再生を推進する。」こととされている。また、実証事業は、復興再生計画に沿って、飯舘村及びその住民の意見を踏まえながら実施しているものである。

四の3について

 お尋ねの「日本全国の農場に除去土壌を覆土なしで食物栽培を行う」といったことは現時点において想定していない。

五について

 除去土壌(平成二十三年三月十一日に発生した東北地方太平洋沖地震に伴う原子力発電所の事故により放出された放射性物質による環境の汚染への対処に関する特別措置法(平成二十三年法律第百十号。以下「法」という。)第二条第四項に規定する除去土壌をいう。以下同じ。)の再生利用の推進に向けては、現在、実証事業により安全性の確認等を行っている。いずれにせよ、今後も、実証事業の結果は公開の検討会で報告するなど、情報の公開に努めてまいりたい。

六について

 御指摘の「農作業従事者」に対しては、厚生労働省が平成二十四年六月に制定した「特定線量下業務に従事する労働者の放射線障害防止のためのガイドライン」を参考に、個人線量計により外部被ばく線量の測定を行っている。

七について

 御指摘の「食用作物栽培試験」では、作物の収穫後に放射性セシウム濃度等の測定を行い、測定結果を公表することを想定している。

八について

 お尋ねについては、平成二十三年三月十一日に発生した東北地方太平洋沖地震に伴う原子力発電所の事故により放出された放射性物質による環境の汚染への対処に関する特別措置法施行規則(平成二十三年環境省令第三十三号)において、再生利用に必要な規定の整備を行うこと等を想定している。

九について

 お尋ねの趣旨が必ずしも明らかではないが、飯舘村長泥地区での実証事業については、復興再生計画における記載に沿って、飯舘村及びその住民の意見を踏まえて実施することとしている。御指摘の「試験栽培」については、これまで、平成三十年度以降、段階的に進めているところであり、その結果についても、飯舘村及びその住民とともに確認しつつ進めることとしている。

十について

 除去土壌については、法の規定に基づき管理をすることとされている。

十一について

 御指摘の協定の具体的な内容及び除去土壌の再生利用における管理については、今後、環境省において検討することとしている。いずれにしても、除去土壌については、法の規定に基づき管理をすることとされている。

十二について

 お尋ねの趣旨が必ずしも明らかではないが、放射線量を測定した除去土壌のうち、放射能濃度の推定値が、原則、一キログラム当たり五千ベクレル以下の除去土壌をストックヤードに運搬しており、その後、ストックヤードから搬出する際に放射能濃度を測定することにより一キログラム当たり五千ベクレル以下であることを確認している。さらに、再生資材化する際においても一キログラム当たり五千ベクレル以下であることを再度確認した上で除去土壌の再生利用を行うこととしている。

十三の1について

 お尋ねの「原発事故前」の「放射線を取り扱う教育や訓練を受けた職業人以外」における「被ばく線量管理を個人線量計で行っている事例」については承知しておらず、また、お尋ねの「放射線を取り扱う教育や訓練を受けた職業人以外」における「必要性」の意味するところが明らかではないため、お答えすることは困難である。

十三の2について

 御指摘の「東京電力福島第一原子力発電所事故の教訓を踏まえた緊急時被ばく状況及び現存被ばく状況における放射線障害防止に係る技術的基準の策定の考え方について」(平成三十一年一月放射線審議会)は、東京電力株式会社福島第一原子力発電所事故後に策定された技術的基準の中から代表的なものとして食品に関する基準及び空間線量率と実効線量の関係を取り上げ、これらの基準の概要、運用実態等を整理し、これを「放射線防護の基本的考え方の整理―放射線審議会における対応―」(平成三十年一月放射線審議会。以下「基本的考え方」という。)及び国際放射線防護委員会の刊行物等と照らすことにより得られた教訓を、今後緊急時被ばく状況及び現存被ばく状況において技術的基準を策定するときのために、基本的考え方を補完するものとして取りまとめたものであり、御指摘の「放射線を取り扱う教育や訓練を受けた職業人以外」の被ばく線量の管理を「個人線量計で行って良い根拠」を示すものではない。

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